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マニラにいよいよ恒例の洪水のシーズンがやってきた。マカティで頻繁に洪水被害が起きるのがパソンタモ通りだ。1990年ころアモーソロ通り沿いに流れる川から溢れ出た雨水によりパソンタモ通りに向って車が流れていったのを目撃したこともある。店で食事を終えて出てくると道路は川となり、そのまま数時間立ち往生したこともある。パソンタモ通りは、そんな洪水銀座だった。 2004年ごろから2~3年かけてパソンタモ通りに大きなカルバートの下水溝が設置され、これでパソンタモ川も姿を消すものと期待された。しかし、世の中はそんなに甘いものではないようだ。今年も雨季に入ったばかりというのに、パソンタモ周辺は早くも洪水に見舞われている。しかし深いところでもせいぜい 20cm程度の深さなので人々は靴を脱いで歩き、ジープニーやSUVは平気でかけ抜けている。   これほど簡単に道路が冠水してしまうのは、まず第1に、マニラそのものがほとんどフラットな地形のため、下水管に勾配がとれず、管を流れる雨水の量が少ないことだ(日本のように管を数十メートルの深さに埋めて、末端でポンプアップするなどという芸当はやらない)。だからちょっと強い雨が降るとすぐにキャパシティをオーバーしてしまう。第2に、下水管のメインテナンスをほとんどしないため、管内は泥やゴミで埋まってしまい、管の断面積が小さくなっている。しかも庶民は下水に平気でゴミを流す。第3に、当たり前だが、強い雨が頻繁に降る。  この辺のところを見越して、それぞれの店や家は50cm近く道路面よ り高くなっている。洪水になったら水が引くまでじっと待つ。これが庶民の防衛策で、ちょっと洪水になったからと言って、ギャーギャー騒ぐ人はいないのだ。ちなみに私のコンドミニアムは2階となっている。これは洪水になっても水に浸かる心配はない、停電でエレベーターが止まっても平気。火事になって2階から飛び降りても死ぬことはない、という色々な状況を考慮のうえでの選択だ。

マニラは洪水シーズンに 2009年6月27日


 アンヘレス行く途中、EDSA通りの高架鉄道(North Avenue~Monument間、約5km)の進捗を見るのを楽しみにしているが、3ヶ月ぶりに見ると、その工事の進捗の早さに驚いた。前回は柱しか建っていなかったものが、桁が半分以上乗っていた。この調子なら年末までには完成しそうだ。しかし、駅舎の他、MRT-North Avenueとの接続部分やノース・ルソン・エクスプレス・ウエイ(NLEX)との交差など、難工事が予測される部分の工事が着手されていないのが気にかかる。  ところで、この環状線が完成するとなると、次に期待されるのが放射線の着工だ。放射線が伸びるであろう、あるいは伸びて欲しいのは、 1.LRT1 -Monument駅から北、Malabon、Valenzuela方面、 2.MRT-North Avenue駅から北東Quezon City、North Caloocan方面、 3.環状線を横断するLRT2-Santolan駅から東、Marikina、Cainta方面、 4.LRT1-Baclaran駅から南、Paranaque、Laspinasを経由してカビテ県方面、 5.MRT-Magallanes駅から南、Taguig、Paranyaque、Muntinlupaを経由してラグナ県方面、 の都合、5本だ。 これらの建設には数千億円の巨費と10年あるいは20年の年月が必要であろうが、マニラ首都圏の交通は飛躍的に便利になり、都心に出入りするための地獄のような渋滞が緩和されるだろう。特に、ジープニーやバスに乗るしかない庶民には大変なメリットがある。先日ケソンの北方のNorth […]

メトロマニラ高架鉄道の建設状況(その2)2009年6月21日



 先日書いたセックス・ビデオ・スキャンダルの事件は、その後ますます激しく巷の話題を独占し、一種の社会現象と化している。芸能人のスキャンダルなどを専門に取り上げるSNN(Showbiz News Ngayon)というニュース番組がある。司会はかの元大統領、Cory Aquinoの娘のKris Aquino(下写真右)。週一回の番組だったが人気上々で、今では毎日放映している。その番組に毎日のようにこの「セックス・ビデオ・スキャンダル」が取り上げられているのだ。  先日第2回目の聴聞会が上院で開催された。必死に息子の無実を訴える母親(写真下左)と神妙に聞き入る話題の張本人のHyden Jr. Kho(写真下右)、二人ともここまで話題が大きくなると、神の裁きに頼るしかない。    Hayden Jr.に、セクシーコメディアンであるRuffa Mae(写真下右)を寝取られた男優も登場したが、彼女自身は沈黙を守っている。ビデオに登場した他の女優あるいは女性達も恥ずかしさに耐えて沈黙を守っているが、Katrina Halili(後述)だけが訴訟を起こし、いきまいている。人々は、そんな彼女をレベルの低い女だからと白い目で見ているが。  一方、第3者であるはずの有名人も話題に登場している。Hayden Jr. […]

セクシュアルビデオで話題騒然(その2)2009年6月10日


   6月に入ってマニラは連日雨模様だ。ほとんど1日中曇り空で、小雨、時には強い雨が降る。傘を持たずに出ると必ず雨宿りのはめに陥る。この季節はタクシーが人気で、空のタクシーをつかまえることは至難のわざだ。 雨にむせぶマニラの遠景  雨季の後半の10月~11月は台風シーズンでもあり、強い雨が降るとマニラの道路はいたるところで冠水する。こんなときに威力を発揮するのがジープニーと SUV(Sport Utility Vehicle)だ。普段はでくの坊のSUVも一般乗用車が立ち往生する中を得意げに水しぶきを上げて通り去る。 セダンはちょっとした冠水でもすぐに音を上げる  フィリピンでは形だけSUVとした東南アジア仕様の車が存在する。4WDの本格的SUVを買えない庶民はこのアジア版SUV(A-SUV)を買う。トヨタのタマラオFX、いすゞのクロスウインド、三菱のアドベンチャーなどは三菱の伝説的人気車種であるパジェロを模して作られたA-SUVだ。かつて選挙の時、候補者達はパジェロに乗って田舎道を走り回り、有権者に投票を訴えた。そのため、パジェロの名はフィリピン全土に知れ渡り、憧れの車となったのだ。 車高が高イスズ(クロスウインド)はほとんどの冠水道路を平気で走れる  現在ではトヨタ、日産、ホンダ、マツダ、いすゞ、それにアメリカやヨーロッパのSUVがマニラの街を走り回り、パジェロが特別目立つ存在ではなくなったが、かつては贋物が出るほどの人気だった。その名は「パレホ」、タガログ語で「同じ」という意味だ。PAJEROのJとRを入れ替えて、PAREJO(パレジョではなくフィリピンではパレホと読む)となる。パジェロとは似ても似つかない代物だったそうだが、そのネーミングのセンスのよさに脱帽だ。

マニラは本格的な雨季に突入 2009年6月6日



 今フィリピンで最も話題となっているのは、医者で俳優というエリート、Hayden Jr. が自分で写したガールフレンドとの営みの現場ビデオがインターネットで出回ってしまった、ということだ。しかも、相手は有名な5人の女優を含む50名の女性との現場で、日記のように自分の性行為を写すのが彼の趣味だったそうだ。   事の起こりは自分のガールフレンドを寝取られて腹を立てた同僚の医者が彼のコレクションのビデオを盗み出して、ユーチューブに公開してしまったのだ。ビデオは瞬く間に広まり、、ダウンロードして配るものやら、DVDに焼いて売りさばくものやらが続出した。ちなみに取り締まりに当たった国家警察(PNP) の本部(キャンプ・クラミ)には、一部屋いっぱいに押収したDVDやUSBが積みあがって処分に困っているという。ユーチューブにアクセスすれば今でも見れるそうだが、まがい物が出回っているので見つかるかどうか保証の限りではない。     彼はUST(University of Sant Thomas)というアジア最古といわれる名門大学を卒業し、Mr.USTだったそうだ。ハンサムで医者という彼は、ベロというクリニックに就職した。ベロはビューティ・クリニック・チェーンとして大成功を収めて、オーナーのVicki Beloは億万長者だ。そのBeloの目に留まってBeloのボーイフレンドとなった彼は瞬く間に出世して、ベロの幹部となった。ハンサムで若くて金のある男をほっておくわけがない。女優を初めとする多くの女性との交流があったとしても不思議ではない。テレビ局はパリに滞在するBeloを追いかけて取材した。このような時、Beloは臆する風もなく堂々と取材に応じていたが、それがフィリピン流だ。  本人が故意にやったのではないのだから、世間から責められることはないはずだが、うらやみややっかみもあってか、かしましい女性陣の追及が手厳しい。聴聞会に出席したある中年の男性は、ビデオに出ていた女性が自分の娘に似ていたというので、Hayden Jr. […]

セクシュアルビデオで話題騒然 2009年5月30日


  比日経済連携協定(EPA)に基づき5月10日、273人のフィリピン人看護士/介護士が日本へ向った。このことが大きな話題になったのが2004年で、それから5年を経てようやく実現したことになる。500人の枠に対して、かなり下回る人数しか送り出すことが出来なかったのは、募集や受け入れのアレンジが国の機関が直接行なっていることによるものと考えられる。   一方、半年の語学研修を経て、働きながら勉強し日本語で看護士/介護福祉士の資格を3/4年以内に取らなければならず、チャンスは一回限りで、受験に失敗すると帰国しなければならない。3~4年の勉強で日本語の国家試験に受かるはずもないから、結局この制度も研修と称する人材派遣に過ぎないといえる。それにしては給与が手取りで1000ドル程度というのは低すぎる。彼らは 2000~4000ドル程度の収入を他の先進国では手にすることができるという。しかも、受け入れ事業所にとって、日本人を雇うよりはるかな大きな負担がかかるというが、このお金は一体どこへ行ってしまうのだろうか。  それでも、フィリピン人看護士、介護士が日本へ行くことになったのは夢の実現への第一歩だ。ジャパユキさんにとって代わって、花街でない介護という人間性が問われる現場でフィリピン人が日本のお年寄りを面倒見る。そこで真のフィリピン人の姿を見ることができるだろう。そうしたら、現状の制度がいかに無意味で現実離れしているかが議論され、フィリピン人看護士/介護士の受け入れに大きな進展が見られるのではないかと期待される。  さらにまた、今まで「危険、汚い、金なし」の3 Kの代表と思われていたフィリピンだが、日本にいる日本人がフィリピン人の温かい心に触れることにより、それがまったくの偏見によるものだということが認識され、退職者がなだれをうってフィリピンにやってくるのではないかと夢は広がる。

フィリピン人介護士、看護士が日本へ出発 2009年5月14日



 フィリピンの英雄マニー・パクヤオは5月3日、IBOジュニアウエルター級タイトルマッチでハットン(英国)を2ラウンドKOし、ついに5階級制覇という偉業を成し遂げた。この国民的英雄の人気にあやかろうと、アロヨ大統領は彼が帰国する5月8日を英雄の凱旋を祝う国民の日と定めると宣言した。その他、次期大統領選に立候補を目論んでいる上院議員がこぞって、パクヤオの偉業をたたえる声明を発表した。さらに下院議長を初めとする50名以上の下院議員がラスベガスの試合を見るために渡米したそうで、これら議員による浪費を非難する声も上がっている。 PALの飛行機で配られた新聞から マカティの街角で見かけた看板  一方、パクヤオはこの国民的人気を背景に政界入りをねらっているそうだ。しかし、所詮ボクサーが政界に入ったとしても業績を残せるはずもなく、パクヤオの政界入りがその偉業を台無しにする事を危惧する声が大きい。一方で、世界中の注目となっている新型インフルエンザだが、ラスベガスは流行地域のカルフォルニアに近いということで、帰国遅延の要請がWHOからあった。パクヤオは予定通り帰国を強行したが、それはアロヨ大統領が定めた国民の日に帰国できないとあらば、大統領の顔に泥を塗ることになるということを配慮したものと考えられる。それにつけてもフィリピンではこの英雄の一挙一動に注目が集まっている。

マニー・パクヤオの5階級制覇 2009年5月14日


  つい先ごろ、寒波襲来のニュースを載せたかと思ったら、今度は夏のニュースだ。ここ1週間、毎日暑い日が続いている。ここのところ涼しくて気持ちの良い天気が続いていたので、ますますそう感じるのかもしれない。日中外を5分も歩くと汗が噴出してくる。しばらくご無沙汰だった太陽もさんさんと輝いている。  朝の7時ともなると太陽がピカーッと照り始める。ジープニーの中では扇子で扇ぐ人もちらほら。こんな時、ジープやトライシクルなど短距離の交通機関が多いのに助かる。  フィリピンの学校は3月後半から夏休みに突入する。6月の第1週まで、2ヶ月以上の長期休暇だ。人々は家族あるいは友達と一斉に郊外へアウティングに出かける。やはり海が人気で、マニラ南方のカビテやバタンガスの海岸はアウティング客で一杯になる。日帰りかせいぜい一泊の旅行で、大量の食材や飲み物を持って、現地で料理をして食べるのだが、そのための施設があちらこちらにある。  アウティングの主役は男性。料理の準備をしたり、女性に飲み物を用意したり大忙しだ。そして帰宅だが、ご多聞にもれず渋滞でマニラにいつ到着するかもしれない車で、運転役を除いて皆疲れて居眠りをするのが通例だ。

フィリピンに夏がやってきた2009年2月22日



1月21日、テレビはオバマ新大統領の就任式の模様を中継する番組一色だった。米国民のみならず世界中の人々の圧倒的支持を受けての大統領就任だ。一国のトップがこれほどまでに世界中から祝福・注目されて就任するということは前代未聞だろう。それほど現在の経済状況が深刻で皆が救いの神を求めているということだ。47歳の黒人という誰もが考えなかったバックグラウンドを背負っての大統領就任が歴史的事件であるのなら、何か歴史に残ることをやるのではないかという期待がもたれるのも無理の無いことだ。200万人という中都市全体に匹敵する人々が歴史的な事件に参加しようとしてワシントン広場を訪れたそうだ。  アメリカ国民、特に黒人にとっては、奇跡に近い出来事であることは大いにうなずけるところだ。長年虐げられて来た暗い時代に終止符を打つかのように黒人がアメリカを代表する地位についたのだ。   しかし、祝賀ムードに水を差すように、オバマ新大統領の言葉は、国民に自ら、国そして世界に責任と義務を負うことを求めるものだった。一国の首長が頑張ったところでこのアメリカそして世界の経済危機は救えるものではない。それを国民全体が一丸となって困難を乗り越えていくことを求めたのはまさに正解だ。どこかの国のように政敵を罵り合って政権交代に躍起となっている時ではないのだ。 各国首脳の好意的な 反応は、世界的な祝賀ムードで就任したオバマ人気にあやかろうというのか、あるいはとりあえず同調しておこうということなのだろう。ちなみに、このような行動パターンをタガログ語でパキキサマという。  一方、フィリピンの人々の反応はどうだろう。テレビではBARAKO(逞しい)などとコメントし、オバマ新大統領の演説をほめていた。しかし自己責任の国といわれるフィリピンでは、自分の生活は自分で責任をとることは当たり前のことだ。どこかの先進国の様に、問題があれば、国や政府を責めれば何とかなるという発想は無い。派遣切りが問題になれば住処の提供や炊き出しをしてもらえるなどという、声を大にして訴えれば誰かが何とかしてくれるなどいうことは起こりえないのがフィリピンだ。役人はその地位を利用してせっせと私財を蓄えるのが当たり前、国家などは何の役にもたたないと、人口の1割が海外で稼いでせっせと仕送りをして家族を養っているという逞しい彼らは、オバマ大統領の主張する「新しい責任」をすでに実践しているといえるかもしれない。

オバマ大統領の就任式 2009年1月22日


 世界的金融危機のあおりを受けてPASCOも苦しい経営を強いられているが、クリスマスパーティはフィリピーノ社員にとって欠かせない行事ということで、ささやかながら事務所でパーティを行った。料理はすべてスタッフによる手作り、その代わり小さなギフトや景品を大量に用意した。時節柄カラオケもなしとし、代わりに先日Bank of Commerceのパーティで知った、現金のお札をまるめて短く切ったストローに入れ、それを目隠しして選ぶくじ引きを行なった。一等賞は500ペソ、2 本、2等賞は100ペソ、2本だ。  フィリピンでは何を行なうにもお祈りから始まる。まずは神への感謝の言葉を述べ皆でアーメンを唱える。そして、ご馳走の前で記念撮影。会長、社長の挨拶などつまらぬ訓示は無しで、即、食事に突入だ。  参加者は社員が11名、ゲストが3名と1/2、だが食事は20人前程度用意された。あえて残るようにするのだ。残った料理は皆でTake Outし、2次会で食べたり家族に振舞ったりするのだ。このTake Outがないと何かもの足らず、フィリピーノは満足感を得ることができないそうだ。  パーティには定番の鳥のから揚げ、シャンハイルンピアを初めアドボン・バボイ、スパゲッティ、ビーフンなど。から揚げはあげすぎ、スパゲッティは甘すぎると文句を言うのは日本人くらい。皆、これでもかこれでもかと言うくらい、腹いっぱいに食べていた。  おなかがくちくなったら今度はゲームだ。おなじみの椅子取りゲーム、ビールの早飲み、などなど。今夜は13歳と3歳のお嬢様が参加したので、男女のセクシーなゲームは遠慮したようだ。ゲームの勝者には景品が贈られ、その間に随時くじ引きが行なわれた。社員は興奮のルツボにはまりっぱなしだった。  ゲームやくじ引きの景品、それにおみやげ(Give Away)をたくさん手にしたスタッフはいかにも幸せそう。これがないと1年を締めくくることができない。会社への忠誠心などもこのようなパーティで培われると言っても過言でもない。

PASCOクリスマスパーティ開催2008年12月23日