メトロマニラ高架鉄道の建設状況(その2)2009年6月21日


 アンヘレス行く途中、EDSA通りの高架鉄道(North AvenueMonument間、約5km)の進捗を見るのを楽しみにしているが、3ヶ月ぶりに見ると、その工事の進捗の早さに驚いた。前回は柱しか建っていなかったものが、桁が半分以上乗っていた。この調子なら年末までには完成しそうだ。しかし、駅舎の他、MRT-North Avenueとの接続部分やノース・ルソン・エクスプレス・ウエイ(NLEX)との交差など、難工事が予測される部分の工事が着手されていないのが気にかかる。

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 ところで、この環状線が完成するとなると、次に期待されるのが放射線の着工だ。放射線が伸びるであろう、あるいは伸びて欲しいのは、

1LRT1 -Monument駅から北、MalabonValenzuela方面、

2MRT-North Avenue駅から北東Quezon CityNorth Caloocan方面、

3.環状線を横断するLRT2-Santolan駅から東、MarikinaCainta方面、

4LRT-Baclaan駅から南、ParanaqueLaspinasを経由してカビテ県方面、

5MRT-Magallanes駅から南、TaguigParanyaqueMuntinlupaを経由してラグナ県方面、

の都合、5CIMG9566s-4本だ。 これらの建設には数千億円の巨費と10年あるいは20年の年月が必要であろうが、マニラ首都圏の交通は飛躍的に便利になり、都心に出入りするための地獄のような渋滞が緩和されるだろう。特に、ジープニーやバスに乗るしかない庶民には大変なメリットがある。先日ケソンの北方のNorth Caloocanにジープニーを乗り継いで行った際は、たった25kmの距離なのに、なんと往復5時間もかかってしまったのだ。

 一方、高速道路も急ピッチで整備されてはいるものの、肝心な一本の高速道路が未着工のため、マニラの渋滞は救いようのない状態となっている。それはマニラの都心を縦断する高速道路だ。マカティから南へ向う高速道路、サウス・スーパー・ハイウエイはマカティに直接つながっている。しかし、北へ向うノース・ルソン・エクスプレス・ウエイ(NLEX)はケソン市のEDSAから始まっており、この間(12km)が手がつかない状況にあるのだ(計画があるかどうかも定かではないが)。この間は、EDSA通りを通過して行くしかなく、慢性渋滞のために12時間かかってしまう。 サウス・スーパー・ハイウエイを2建てにするなどいうバカバカしいことに金を使っていないで、この首都縦断高速道路を是非建設して欲しいものだ。この2本の幹線道路がつながったら、計り知れない経済効果を発揮するに違いない。

CIMG9589s-4  下の写真はケソン市北方のコモンウエルス道路。左下の写真はサウス・スーパー・ハイウエイ。この付近は空港があるためスカイ・ウエイが並行して走っており、やたらと幅が広い。マニラ首都圏の外はこのように道路整備が着々と進むものの、首都圏の中心は手付かずで、宝の持ち腐れとなっている。

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 さきごろ日本で工事再開となった道路整備のニュースを見ていると、「一本だけの道では災害の時孤立するリスクがある」、「新しい道路ができると緊急時の患  者の搬送が30分短くなる」など、どう見てもこじつけの理由としか思えないことで、何千億の金が使われることになったそうだ。もし、その金を私が使えるとしたら、そんな過疎地の道路ではなくて、是非、マニラ首都縦断高速道路を建設したい、などと夢みたいなこと考えている。

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