マニラは洪水シーズンに 2009年6月27日


マニラにいよいよ恒例の洪水のシーズンがやってきた。マカティで頻繁に洪水被害が起きるのがパソンタモ通りだ。1990年ころアモーソロ通り沿いに流れる川から溢れ出た雨水によりパソンタモ通りに向って車が流れていったのを目撃したこともある。店で食事を終えて出てくると道路は川となり、そのまま数時間立ち往生したこともある。パソンタモ通りは、そんな洪水銀座だった。

2004年ごろから2~3年かけてパソンタモ通りに大きなカルバートの下水溝が設置され、これでパソンタモ川も姿を消すものと期待された。しかし、世の中はそんなに甘いものではないようだ。今年も雨季に入ったばかりというのに、パソンタモ周辺は早くも洪水に見舞われている。しかし深いところでもせいぜい 20cm程度の深さなので人々は靴を脱いで歩き、ジープニーやSUVは平気でかけ抜けている。 

CIMG9418s-4CIMG9435s-4

 これほど簡単に道路が冠水してしまうのは、まず第1に、マニラそのものがほとんどフラットな地形のため、下水管に勾配がとれず、管を流れる雨水の量が少ないことだ(日本のように管を数十メートルの深さに埋めて、末端でポンプアップするなどという芸当はやらない)。だからちょっと強い雨が降るとすぐにキャパシティをオーバーしてしまう。第2に、下水管のメインテナンスをほとんどしないため、管内は泥やゴミで埋まってしまい、管の断面積が小さくなっている。しかも庶民は下水に平気でゴミを流す。第3に、当たり前だが、強い雨が頻繁に降る。

CIMG9422s-4CIMG9420s-4

 この辺のところを見越して、それぞれの店や家は50cm近く道路面よ り高くなっている。洪水になったら水が引くまでじっと待つ。これが庶民の防衛策で、ちょっと洪水になったからと言って、ギャーギャー騒ぐ人はいないのだ。ちなみに私のコンドミニアムは2階となっている。これは洪水になっても水に浸かる心配はない、停電でエレベーターが止まっても平気。火事になって2階から飛び降りても死ぬことはない、という色々な状況を考慮のうえでの選択だ。

CIMG9423s-4 CIMG9424s-4

Leave a comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *