Daily Archives: May 14, 2009


  比日経済連携協定(EPA)に基づき5月10日、273人のフィリピン人看護士/介護士が日本へ向った。このことが大きな話題になったのが2004年で、それから5年を経てようやく実現したことになる。500人の枠に対して、かなり下回る人数しか送り出すことが出来なかったのは、募集や受け入れのアレンジが国の機関が直接行なっていることによるものと考えられる。   一方、半年の語学研修を経て、働きながら勉強し日本語で看護士/介護福祉士の資格を3/4年以内に取らなければならず、チャンスは一回限りで、受験に失敗すると帰国しなければならない。3~4年の勉強で日本語の国家試験に受かるはずもないから、結局この制度も研修と称する人材派遣に過ぎないといえる。それにしては給与が手取りで1000ドル程度というのは低すぎる。彼らは 2000~4000ドル程度の収入を他の先進国では手にすることができるという。しかも、受け入れ事業所にとって、日本人を雇うよりはるかな大きな負担がかかるというが、このお金は一体どこへ行ってしまうのだろうか。  それでも、フィリピン人看護士、介護士が日本へ行くことになったのは夢の実現への第一歩だ。ジャパユキさんにとって代わって、花街でない介護という人間性が問われる現場でフィリピン人が日本のお年寄りを面倒見る。そこで真のフィリピン人の姿を見ることができるだろう。そうしたら、現状の制度がいかに無意味で現実離れしているかが議論され、フィリピン人看護士/介護士の受け入れに大きな進展が見られるのではないかと期待される。  さらにまた、今まで「危険、汚い、金なし」の3 Kの代表と思われていたフィリピンだが、日本にいる日本人がフィリピン人の温かい心に触れることにより、それがまったくの偏見によるものだということが認識され、退職者がなだれをうってフィリピンにやってくるのではないかと夢は広がる。

フィリピン人介護士、看護士が日本へ出発 2009年5月14日


 フィリピンの英雄マニー・パクヤオは5月3日、IBOジュニアウエルター級タイトルマッチでハットン(英国)を2ラウンドKOし、ついに5階級制覇という偉業を成し遂げた。この国民的英雄の人気にあやかろうと、アロヨ大統領は彼が帰国する5月8日を英雄の凱旋を祝う国民の日と定めると宣言した。その他、次期大統領選に立候補を目論んでいる上院議員がこぞって、パクヤオの偉業をたたえる声明を発表した。さらに下院議長を初めとする50名以上の下院議員がラスベガスの試合を見るために渡米したそうで、これら議員による浪費を非難する声も上がっている。 PALの飛行機で配られた新聞から マカティの街角で見かけた看板  一方、パクヤオはこの国民的人気を背景に政界入りをねらっているそうだ。しかし、所詮ボクサーが政界に入ったとしても業績を残せるはずもなく、パクヤオの政界入りがその偉業を台無しにする事を危惧する声が大きい。一方で、世界中の注目となっている新型インフルエンザだが、ラスベガスは流行地域のカルフォルニアに近いということで、帰国遅延の要請がWHOからあった。パクヤオは予定通り帰国を強行したが、それはアロヨ大統領が定めた国民の日に帰国できないとあらば、大統領の顔に泥を塗ることになるということを配慮したものと考えられる。それにつけてもフィリピンではこの英雄の一挙一動に注目が集まっている。

マニー・パクヤオの5階級制覇 2009年5月14日



 セブパシフィックの格安運賃の戦略で飛躍的に乗客が増加したレガスピ空港には、従来一日一便だったのが、セブパシフィックが2便、PALが2便、さらに Zest Airなどが飛んでいる。セブパシフィックはバス便と変わらない格安のチケットを発行し、従来バスで移動していた人たちに飛行機で移動する味を覚えせて、後戻りできなくさせてしまったようだ。空港にはセブパシフィックとPAL、両社の飛行機が同時にとまるなど、従来ではありえなかった光景を見ることができる。   チェックインカウンターにはPAL、CEBU PACIFIC、さらにZest Airという新規参入の航空会社のカウンターがあり、閑散としたローカル空港だったものが、最近は周辺に新しいレストランやおみやげ物屋ができて活気が出てきている。    空港前の広場の右奥に、Gallerias De Legaspiという民芸品の店がオープンした。主にアバカ(マニラ麻)で作ったハンドバッグを置いているが、モダンでしゃれたデザインで、値段がせいぜい500円~1000円と格安だ。日本にも輸出しているという。

3社が乗り入れるレガスピ空港 2009年5月14日


 ビコール地方の台風のおかげで、5月の2日、3日のフライトがキャンセルされ、出発を1週間延ばして、8日としたのだが、農場に緊急事態が発生して、再度4日に変更して出かける羽目になった。セブパシフィックは満員なので、PALで行くことになった。セブパシフィックの切符はキャンセルすることになるが、格航空券なので、戻りはほとんどない。結局2回分のチケットを買ってしまったが、いたしかたない。そこで久しぶりにフィリピン航空専用のターミナル2 から飛び立つことになった。  開業間もないターミナル2は左ウイングが国際線、右ウイングが国内線のPAL専用だ。ターミナルビルは真ん中で鋭角に折れているが、アクセスウエイの日よけの屋根は美しいカーブを描いている。   ターミナルビルの待合所及び出発ロビーは明るく清潔だ。大きさも手ごろで迷うこともなく、とても使いやすい空港ターミナルだ。  到着ターミナルの荷物の受け取り上も広々としていて、わかりやすい。ターミナルビルを出ると、クーポンタクシーの乗り場があり、国際線の方に進むと空港メーター・タクシーが待っている。これが最近良く見かける、空港専用のイェロー・タクシーだ。料金は普通のタクシーの倍位するが、清潔でマナーがよいので外国人に評判がいい。 ちなみに初乗りは70ペソで500mまで、以降300mごとに4ペソ増して行く。空港からマカティまでは200ペソ程度だ。一方、一般のタクシーは初乗りは30ペソ、以降300mごとに2.5ペソ増しだから、概ね半分の値段だ。これらのタクシーはマニラの街でも拾えるが、空港へ戻らなければならないので、空港方面に向い場合のみ載せてくれる。もちろんメーターの料金を取られるが、もともと料金が高いためにチップを強要したり、値段を吹っかけてくることもない。そもそも初乗りが30ペソ(60円)などと驚異的に安いのだから、倍位しても気持ちよく載れるほうが外国人にはありがたい。 イエロータクシーのナンバープレートを見ると黄色いタクシーのものとは異なっている。このプレートはレンタカーのものだ。一般のタクシーとは異なった料金体系になっているので、レンタカーという分類になっているのだろう。

フィリピン航空専用のNAIAターミナル2 2009年5月14日