DBPに預けたSRRV預託金相続の顛末 2016年12月19日(12月29日追記)


2016年12月29日追記

 先週、クリスマスを前にDGM(PRA副長官)のBaac氏とのインタビューが会った。目的は、当方のマーケッター公認の更新で、GM(PRA長官)の交代にともない、マーケッターとの対話を持つ機会というの意味もあるらしい。その中で、より多くの外国人にSRRVを取得してもらうためにアドバイスはないかと尋ねられた。そこで、ここぞとばかりに日ごろ胸に秘めている2点を提案した。

1.SRRV発行期間の短縮:公には3~4週間と公言しているが実際はそれを大きく超え、4~6週間かかるという悲劇的状況にある。現役世代が取れる休みは2週間が限度なので、数年前のように2週間で発行するようになれば、SRRV申請者は倍増するであろう。

2.DBPに預けられた預託金の相続:、退職者が亡くなった場合、従来、相続人は相続税を支払うことなく、PRAに所定の書類を提出するだけで、2~3ヶ月後、預託金を満額受け取ることができた。しかし、現在、BIR(税務署)からCAR(相続税等の支払い証明書)を取得してこいとの指示があり、各種相続手続きの実行を求められ、預託金の20~40%の費用と6ヶ月程度の手続き時間を余儀なくされている。このことによる相続人の落胆は計り知れないものがあり、SRRVの価値を大いに損なう結果となっている。

 これにたいし副長官は、1.発行期間の短縮については、入管とも連携して大幅に短縮する手立てを打っている。2.預託金の相続については、善処したいが詳細を記載したレターを提出して欲しいとの要請があった。当初はPRAを非難するようなレターの発行は躊躇されたが、SRRVの魅力を回復しより多くの退職者をフィリピンに招待するするためには避けることが出来ないと考え、下記のレターを提出した。これによって、近い将来、相続手続きが元に戻ることを期待したい。また、PRAの存在を規定する法律Executive Order 1037のSection9ではSRRV取得のために海外から送金したお金は本国送還を保証するとなっているが、相続人が受け取る場合はどうなのか明確にはきていされていない。

PRA宛のレター:pra-letter(1) 20161229 pra-letter(2)20161229

預託金の本国送還を保証する法律:executive-order-1037-section-9-20170102

 

昨年、AさんがSRRVの取得が完了した直後、フィリピン人妻の家で急死した。原因は心臓麻痺、その日の朝、Aさんと懇意にしていた、妻のお姉さんから、電話がかかってきた。「夕べ元気にお祝いをしていたのに、今朝起きてみたら死んでいた、どうしたらよいのか」とパニックに陥っていた。私は「まずは、 医者を呼んでください。そうして、何をなすべきか指導してもらってください。そして、葬式と死亡証明を入手したら、私に連絡をしてください。そうしたら、 PRAからの預託金の引出しのお手伝いします。」と返答した。しばらくして、医師から電話があり、検死など、やるべきことは承知しているの連絡があった。

それからしばらくしてフィリピン人妻から連絡があり、葬式などつつがなく終わり、そして、日本大使館への死亡届出も終わったとの事だった。そうなると、いよ いよ相続手続きだ。預託金はDBPのPRA口座に預金してあるので、一般の認定銀行とは勝手が違う。大分前からDBPの場合、どういう手続きをすればいい のかPRAに問い合わせていたが明快な返事はなかった。PRAも経験がなくて、はっきりしたことはわからなかったらしい。

PRAによるとビザの取消に必要な書類は下記のようになっている。pra-requirements-for-cancellation-of-srrvisa-20170102

1.ビザキャンセルの申請レター

2.Affidavit of Quitclaim(免責供述書)

3.インタビューフォーム

4.委任状(手続きを代行してもらう場合)

5.パスポートとIDの原本

さらに退職者が死亡している場合は、下記が必要となる

1.死亡証明(日本で亡くなった場合は、戸籍謄本の翻訳ないし日本大使館発行の死亡証明、いずれも外務省とフィリピン大使館の認証が必要)

2.申請者と退職者の関係を示す書類(申請は家族が行い、その関係を証明する翻訳認証した戸籍謄本ないし婚姻証明/出生証明など)

3.遺産分割協議書(Extrajudicial Settlement ないしSelf adjudication)(日本で署名した場合は、公証役場で公証して法務局、外務省、さらにフィリピン大使館の認証が必要)

A さんの場合、フィリピン人妻が申請者となるが、死亡証明と婚姻証明はフィリピン政府発行のものがあり問題なかった。問題は遺産分割協議書だ。お二人には子 供がいたが、出生証明はあるものの戸籍謄本には記載されていない。子供は婚姻 後に妊娠して出来たのだが、Aさんは自分の子供として認知して、出生証明にも父親として名前が記載されている。

日本人の相続は日本の法律に 基づくとなっているが、戸籍謄本上、二人に子供がいないとすると、相続人は妻と兄弟になる(他に直系尊属がいない場合)。したがって、戸籍謄本には記載されてはいないがフィリピンの出生証明のある子供を相続人に加えることにした。その場合、フィリピン人妻と子供の遺産分割協議書とを作成する必要がある。しかし、子供はまだ4ヶ月の赤ちゃんなので法定代理人をたてる必要があ る。法定代理人は裁判所によって指名されるので、これまたややこしい手続きが必要だ。フィリピン人妻の姉を代理人にして、裁判所に申請することにしたが、そ の手続きを弁護士に依頼したら、着手金だけで3万ペソを請求され、フィリピン人妻はそんな金はないと泣きこんできた。手詰まり状態でPRA に相談したら、Self Adjudication(相続人が単独の場合の遺産分割協議書)に子供がいる旨を記載すればよいと、あっさり回答があった。

ちなみに SRRV預託金をDBPに預けた場合、PRA口座に振り込むので、その引出しはPRAの一存であり、通常の相続手続きは不要になるとの読みがあった。通常の 銀行であれば主な手続きだけでも下記がある。bdo-claim-to-account-of-deceased-depositor-20170102

1.銀行の預金証明

2.相続人による遺産相続の新聞広告

3.故人に他に遺産が無いという証明書

4.相続税の支払いと税務署(BIR)の証明書(CAR) の取得

5.相続保障の取得

などなど、3ヶ月~半年の月日を必要とするが、DBPの 場合は、その一切が免除される見通しだった。なぜなら、預金者はあくまでもPRAであり、預金者が亡くなった場合の相続とは意味合いが異なり、もろもろの 提出書類はあくまでもPRAが正統な相続者に預託金を引き渡すための判断材料であり証明に過ぎないはずだ。

一切の書類をそろえて、フィリピン 人妻のインタビューと経て取消の申請を行い、待つこと2ヶ月強、預託金、全額がフィリピン人妻の口座に振りこまれた。相続税を支払わずに済んだフィ リピン人妻の喜びは言うまでも無いが、このことは画期的なことで、SRRVの預託金には相続税がかからないという長年の懸案あるいは夢がかなうことになっ たのだ。

しかし、ことは意外な方向に展開していった。同じ方法でもう一名の方は無事にDBPの預託金を受け取ることが出来たが、次の方が、3ヶ月近くたってもPRAから音沙汰が無かったが、担当者が言い難そうに、税務署に相続税を支払って証明書(CAR)をもらってこなければ、預託金の支払いはできないと言い出したのだ。

BIRからCARを取得することが容易でないことは百も承知しているが、こともなげにそんな指示をするPRAの担当者はそのことを知らない。単に相続税を支払えばよいと思っている節がある。BIRに税金を支払うということは相続のほとんどすべてのプロセスを行うことになり、その準備だけでも優に2~3ヶ月はかかってしまうのだ。

しかし、PRAの担当者をいくら攻めても埒があかない。上司がかなりの時間をかけてDBPと話し合った結論なのだ。件の相続人は、その相続税を支払わなければならないこと、そして準備にかかる費用に怒り心頭に達していたが、我慢してもらうしか方法がなく、もう一息で預託金の支払いが行われるところだっただけに不運としかいいようがない。

これもドテルテ効果の逆効果なのか、入管のビザ延長手続き等は、大変すみやかになったと聞くが、それは表向きで、その裏側では退職者が泣きを見るケースがある。なぜ、SRRVの取得のために日本から預けいれた預託金に相続税がかかるのか、PRAとしては、SRRVをより魅力的なものにするために是非ともPRAルールないし必要ならば法改正のアクションをとって欲しいと願うばかりだ。

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