その他


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パンデミックから4年経過して、ようやく日常が戻ってきた感がある。昨年の8月、すべての入国規制は廃止され、出入国が従来通りになった。違いと言えば、出入国票がe-Travelと呼ばれる電子化されただけだ(とは言うもののスマホを持たないお年寄りはどうやって出入国するのか気になるところだが)。私も、同居する子供たちの対面授業の開始に伴って、マニラに居を移した。 規制が撤廃されたからと言って、直ちに日常がっ戻るわけではない。私のビジネスである外国人のビザ(SRRV)等をお世話する仕事は外国人の入国が許されないパンデミック中は壊滅状態だった。さらに、規制が撤廃されたからと言って、即、出かけて行きましょうかというものでもないのだろう。 しかし、2024年、新年を迎えて、そろそろ重い腰をあげようかということで、にわかに、顧客からのコンタクトが増えた。SRRVについては、円安、物価上昇でフィリピンに移住することの経済的優位性が減少したためか、ボチボチというところだ。しかし、この際、SRRVを取り消そうとか、ほったらかしておいたコンドミニアムを処分しようとか、新しいビジネスをフィリピンで始めようとか、今までとはちょっと様子が違う問い合わせが増えている。退職後の人生をフィリピンで過ごすというよりも、フィリピンを成長するマーケットとして、ビジネスチャンスととらえる、現役組が増えているのだ。一転、多忙ともいえるほどの状況になってきた。 今年になってかからPRAに赴いて申請業務代行をしているが、トップマネージメントの交代、パンデミックの終焉に伴って、リモート中心の従来の手順がことごとく異なって、右往左往することが度々だ。同じ申請を3度もやり直させられることもあり、当方としては、まさに肉体的そして精神的リハビリに加えてビジネスのリハビリ真っ最中だ。 パンデミックの始まったころ、多数の中国人がオンラインカジノで違法に就労しているということで、社会問題になった。街に若い中国人が隊列をなして歩いており、コンドミニアムの需要もうなぎ上りだった。そのため、退職ビザ(SRRV)がこれらの違法就労の隠れ蓑なっているとやり玉に上がって、一時、発行停止に追い込まれた。退職ビザをやり玉にあげたゴードン上院議員が「35歳で何が退職ビザだ」と発言したそうで、まさにその通りだ。このころは、パンデミックで外国人が入国できなかったので、いずれにせよ申請者は皆無なので、何の影響もなく混乱することもなかったのが幸いだった。 その後、SRRVが再開されたものの、50歳未満は申請不可となってしまって、現在まで変わっていない。現在、50歳以上のSRRV申請者の数はパンデミック前と同等になったそうだが、全体では、かなり、減少している模様だ。今月初め、久しぶりに日本人の退職者のSRRV取得をお世話したが、Oath Taking (宣誓式)では日本人は、その方一人しかいなかった。しかし、50歳未満の現役世代のフィリピン移住希望者は少なくなく、SIRV(特別投資家ビザー21歳以上、75000ドルの株式投資が条件)の問合せが増えており、SRRVより多いくらいだ。 パンデミック中は話題に事欠いて、ブログのアップも激減して、年に数回のアップに留まっていた。パンデミックが明けて、すわ、と構えてみたものの、3年以上のブランクは簡単にもどらず、話題もなく、半年以上、アップをサボってしまった。ファンの方から病気ですか、などと問い合わせが来るくらいだったが、かと言って話題と言えば、愚痴位なもので、なかなかその気になれなかった。 しかし、今回のブログの本題は、同居しているカーネル・ヤンさんの国家警察ジェネラル就任のニュースで、まさにブログに絶好な久々の話題だ。キャンプ・クラミの国家警察本庁で行われた就任式には都合で出席できなかったのだが、マラカニヤン宮殿で行われたマルコス大統領出席の元におこなれた宣誓式には万全を期して出席を果たした。本来は、家族のみということなのだが、私はカーネルの兄という申告で出席がかなったそうだ。 当日は、早朝4時起き、5時発ということで、暗いうちに起きだして準備が開始された。しかし、準備に時間がかかるのは女性陣で、当方は待ち時間に一仕事ができたほどだ。そしていよいよ出発の時が来たが、すでに6時を回っていた。まずは本庁のキャンプクラミに到着、朝食の準備がしてあったが、遅れていたために朝食にありつけず(私だけはしっかり家で朝食をとったのが幸いだった)、10台の国家警察専用バスに分乗してマラカニヤン宮殿に向かった。 マラカニヤン宮殿ではセキュリティチェックで、約一時間、バスの中でスタンバイ。ようやく会場に入場できたのは8時半だった。1990年に一度、観光目的で訪れたことはあったが、内部は宮殿と言うだけあって、大統領府としてはなかなかの風格を有している。 会場には今回宣誓式に参加する白い制服に身を固めたジェネラルが55人(このうちヤンさんをはじめとする新任のジェネラルは15人程度)、それにその家族で、総勢、300人程度は参加していたろうか。女性はうちわのような肩がついたドレスを身にまとって、最大限の礼装で着飾っている。男はバロンタガログ、私も窮屈なバロンを着て参加させられた。 因みに警察の肩書は、高い位から順に、ジェネラル、カーネル、メジャー、キャップテンとなっており、警察学校を卒業した場合のキャリアはキャップテンから始まる。10年ほど前にメジャーからカーネルに出世したヤンさんは、一昨年大病を患い長期療養を余儀なくされたので、ジェネラル昇進は危ういと懸念されたが、皆さんのご支援のおかげで、念願のジェネラルの座を射止めることができた。全国で、100名程度のジェネラルがいるそうだが、十数万人の組織のトップ百人だから、千人を超える警察官のトップということになる。タガイタイにある国家警察学校の1995年卒業組としては、出世頭だそうだ。 国家警察は56歳で定年だそうなので、その前にジェネラルになるかならないかは、定年後の天下り先での給与に大きな開きがある。まだ、4歳のココを始めとして3人の子を抱える彼としては、まだまだ、頑張ってもらわないといけないので、今回の出世は家族の将来にとっても一大事だ。 […]

マラカニヤン宮殿でジェネラル就任の宣誓式に参加 2024年3月23日


数年前から、メールマガジンで生理学教授からハンモックで寝るのが健康にすこぶる良いとの情報を得ていた。しかし、私の知っているハンモックは数百ペソで買えるチャチなもので子供のお遊び用でしかなく、大人が寝るには役に立つとは思えなかった。しかも、ハンモックを吊るす二本の木ないし柱が必要で、そう簡単に取り付ける場所を見つけることはできない、よしんば室内で使うことなどありえない。 しかし、楽天のオンラインショッピングでVIVERE(ビブレ)のハンモックの広告を見つけて、これなら使えそうだという確信を持った。19800円という価格は安いとは言えないが(現在の価格は22,800円)、寝具だと思えば、リーゾナブルだ。しかもスタンドがついていて、室内でも使えそうだ。それでフィリピンで買えないものか、ショッピーやラザダのオンラインショッピングで探してみたが、安物しか掲載されていない。パンデミックの最中、オンラインで買えないとなると手に入れられそうにないので、とりあえずあきらめた。 パンデミックの最中、マニラで家中のものがコロナに感染して、一段落した後、ワクチン接種は開始されたものの、当面、街には住めないとの結論に達しタガイタイに疎開した。タガイタイの住居はリゾート地の住居のせいか、ベランダが広くパイナップル畑を臨む、ハンモックでくつろぐには絶好のシチュエーションだ。金帰月来のパパ・カーネルにとっても絶好のくつろぎを与えるし、子供達も大喜びに違いない。そんな理由を唱えてママ・ジェーンを説得してゴーサインをもらった。 ジェーンに配達の手筈を話と、マニラからタガイタイの輸送にトラックをチャーターしなければならないと反論を唱え始めた。それで下の写真を見つけて、女性が肩に抱えられる程度の荷物ということで何とか納得してもらった。この年頃の女性は何かと異を唱えて人の行動を否定しようとするものだ。 それでフィリピン在住の息子(次男)に頼んで具体的に購入の手続きを進めることにした。まず、アマゾンのオンラインショッピングでは「フィリピンお届け」とはなっているものの、品切れで在庫無し。フィリピンのオンラインショッピングで正規品を見つけたが45600ペソと、楽天の5倍という法外な価格がついており、パス。さらに海外の訳の分からぬ出店者が2500ペソ程度の送料でフィリピンに届けてもらえるとあったが、金だけ払って物がこないというリスクから、パス。 こうなると、楽天の正規販売店で購入して、もう一人の息子(3男)に送ってもらうしかないとの結論に至った。しかし、息子がさらにオンラインで購入した商品を海外に搬送してくれるサービスをやっているところ(転送コム、tenso株式会社)を見つけて、年末のかき入れ時で忙しい息子(3男)の手を煩わせることなく済んだ。因みに転送コムは輸送にDHLを使うということなので商品以上の費用がかかるのではないかと危ぶまれたが、転送コムの手数料5000円を含めて15,831円とまあまあのレベルだった。因みにDHL でパスポートを日本に送ると地域によっては、3000ペソ(7500円)近く取られるから、15kgに荷物の搬送料金としては安いとさえ言える。 因みに発送先住所は息子のACR(外国人登録証)に記載された住所に限定されるそうなのだが、息子は、当方の住所を登録しているのが、幸いだった。しかし、当方はタガイタイに疎開中で普段、この住所を留守にしている。そのためマニラに行くスケジュールにあわせて発注のタイミングを調整しなければならない。しかし、搬送に有する期間は2日から7日とあって、狙いが定まらない。それで、えいやっと土日を含めて4~5日とにらんで発注日を決めた。しかし発注してから、発送準備に土日を除く2日間と告げられ、2~3日で到着しないと不在になってしまう恐れが出てきた。 しかしDHLからは、発送手続きから2日後の当方の予定日(水曜)に到着との連絡があって、さすがDHLと胸を撫でおろした。しかし、予定日の水曜日に待てど暮らせど届かない。オンラインで追跡してみると、その日の朝から、通関に留まっていて、結局、予定から2日後の金曜に配達された。幸い、ママ・ジェーンとパパ・カーネルの都合でマニラ滞在が週明けまでと変更されたので、指定された住所には滞在するので事なきを得た。きっと、通関職員はクリスマスパーティで全員が職場を留守にしていたに違いない。 しかし、金曜の配達予告当日、突如としてママ・ジェーンがロックウエルで小籠包を食べに行くと言い出したのだ。久しぶりの外食は行きたいし、荷物は来るし、どうすべきか躊躇したが、DHLは再配達をきちんとしてくれるので食事に同行すことにした。そして帰宅直後に荷物が配達され、しかも心配していた税金は只。まさに薄氷を踏む思いの連続で念願のハンモックを手に入れることが出来た。組み立てはタガイタイに戻ってからの仕事となるが子供たちの喜ぶ顔が楽しみだ。 また、これで、家族の労をねぎらわすことなく、すべてオンラインで日本の通販から買い物をするという道筋ができたことになる。インターネット通の息子に感謝だ。因みに転送先住所は次回からは」好きな場所を選ぶことが出来るらしい。 さて、タガイタイに持ち帰るのが一苦労、相変わらず車は子供たちと荷物でいっぱいで、翌日パパ・カーネルに持ってきたもらうことになった。それで、早速と思うのだが、ママ・ジェーンはベランダの掃除が先とじらす。そして部屋で待っていて、ふと外に出てみると、パパ・カーネルとキアンが組み立ててしまっている。確かにパパ・カーネルへのクリスマス・プレゼントという触れ込みだから、仕方がない。設置場所は、外は寒いので室内ということになったようだ。 早速、子供たちは大はしゃぎで我先に乗ってみるが、揺れるのでどうにも安心できない。自分でも試してみると、横に移動してもひっくり返って落ちることは無くて、極めて安定している。クッキーやココも助けなしで乗り降りできて、全く問題なさそうだ。早く、ベランダに置いて景色を楽しみながら、くつろいでみたい。いつか、農場のベランダに設置してマヨン火山を眺めながら、昼寝するのが夢だ。

待望のビブレ・ハンモックが届いた 2022年12月28日



台風19号ロリーにより甚大な被害を被った農場の片付けと樹木や屋根の修復も一段落してきた。しかし、上流側の洪水の元凶となった水路の道路横断部の修復については、難工事であり、手がついていない。農場を横断している水路自体はさほどの規模ではないのだが、台風で水かさが増すと、信じ難い大量かつ巨大な流木が流れてくる。道路の下に埋められている3本の既存のパイプカルバートでは手に負えず、いとも簡単に詰まってしまい、上流は洪水と化してしまうのだ。以下の写真により、状況の把握ができたものの、既存の道路横断部の構造が不明なので、いかにするべきか逡巡しているところだ。 修復の方法としては、下記の2案が考えられるが、現地の状況を十分把握して決定する必要があり、次の台風シーズンまでの宿題として残すことにした。 ①道路横断部の既存のパイプ・カルバートを全てを撤去して、3mx3m程度の断面を持つボックス・カルバートを建設する。その場合、パイプと道路の間が土か砂利で埋め戻されているのであれば問題ないが、コンクリートで埋め戻されている可能性があり、撤去費用が膨大になる恐れがある。 ②3本のパイプのうち、上の2本のパイプは道路を支える役割を持たせて残しておいて、下のパイプをはつって、さらにその下に掘り込んで、2mx2m程度ののボックス・カルバートを建設する。この場合、既存の橋の部分を2本のパイプと共に残すため、トンネル工事になってしまう。その場合、道路と2本のパイプの間の埋め戻しが土か砂利だとすると工事中に崩落する恐れがあり、事故のリスクがあり、上記の①案を採用しなければならなくなる。

台風襲来 その2 水路の道路横断部の修復計画 2020年11月28日


ボルテスVときいてもわかる人は、あまりいないと思う。977年から78年にかけてTV放送されたロボットが主役の子供向け番組なのだが、フィリピンでは、このフィギュアがいまだに人気商品なのだ。 1989年、私がフィリピンに駐在したとき、フィリピン人社員が、日本語研修で、はじめてボルテスVの主題歌の意味を知ったと感激して、私の前で合唱してくれた。そのころ彼らは20代なので、11年前にボルテスVが放映されていたころは10代でTVにかじりついて楽しんでいた世代で、意味もわからず主題歌を暗記して唄っていたのだ。私としては、マジンガーゼットやガンダムは知っていたが、ボルテスVなどはきいたこともなかった。 それから30年経過した現在、数ヶ月前にパパ・カーネルからボスの55歳の誕生祝にボルテスVのフィギュアが手に入らないかと頼まれた。しかも、首都圏警察署長にプレゼントするのだから、フィリピンではなくて日本で買った純正品で、来週までにと期限を切られてギブアップした。ボスは、いかなる誕生日プレゼントの受取も遠慮するが、ボルテスVだけは別だと宣言していたらしい。 カーネル自身も当時、8歳の少年だったので、ボルテスVの思い出は共有しているはずだ(そのころ家にTVがあればの話だが)。そのため今月、カーネルの51歳の誕生日にそのボルテスVのフィギュアを贈ろうかと考えた。息子が、12月早々に新発売される6万数千円のバンダイ製のフィギュアを発見してくれて、しかも、フィリピンにまで配達してくれるという。多分、こんな高額なフィギュアを今になって新発売するということは、フィリピン市場では、特に未だ、よほどの人気があるのに違いない。注文してみると、本体は55,777円、送料は11,400円で目論見どおりなのだが、税金が22,168円というのは予定外だった。合計で、89,345円とは、もはや玩具の範疇ではない。 放映から43年経過した今、そのころ10代だった少年は50代となり、社会を牽引する要職についているはずだ。その一人が首都圏警察のトップであり、今月、フィリピン国家警察の長官についたパパ・カーネルのボス(フィナス長官)だ。フィナス長官が地方の警察署を訪問すると、警察の楽団が通常のマーチではなくて、ボルテスVの主題歌で迎えなければならないそうで、フィナス長官はよほどのボルテスVのファンのようだ。 ドテルテ大統領の右腕として麻薬戦争を指揮した国家警察のデラロサ長官は引退して現在、上院議員となっている。その後をついだアルバヤルデ長官は昔、麻薬ビジネスに関わっていたという疑いで失脚した。そして今年の初めに就任したガンボア長官が定年(55歳)で退任し、今月、カーネルの直属の上司だったフィナス長官がトップに就任した。そのフィナス長官も来年定年で退官するという、めまぐるしく長官人事が変遷している。首都圏警察で序列3位で50歳を超えたカーネルにも、首都圏警察のトップ、そしてフィリピン国家警察のトップへと出世していく機会が大いにあるわけで、かつての直属上司が国家警察のトップという今が、正念場というわけだ。 そのために、このボルテスVのフィギュアがフィナス長官の退官のプレゼントとして大いに役に立ってくれそうなわけだ。先日の台風被害で、その修復に金がかかるので、一旦、誕生日プレゼントは中止としたのだが、上記の事情から、橋の修復を後回しにしてボルテスVのフィギュアを優先することにした。

ボルテスV(ファイブ)の話題 2020年11月28日



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ここの所、観光地への訪問に関するコロナ規制が大分緩和されて来ているが、私のタガイタイ訪問は、お預けとなっていた。毎週、土日は一歳のココとヤヤ、それに私が家で留守番をして、キアンとクッキーはパパ・カーネルとママ・ジェーンの4人でタガイタイのマンション(キアンの呼び方で、豪邸を意味する)に泊りがけで出かけるのが日課になっていた。カーネルとしては、毎週、たった一日だけ家族と過ごせる時間を水入らずで楽しみたいということなのだろう。 そして21日の土曜日がやってくると、キアンから「小言を言わないという条件でタガイタイに招待する」とママ・ジェーンの伝言を持ってきた。無条件での招待ではないので、「キアンが一緒に来て欲しいと望むならば、行ってもいいよ」と返事をした。例え行ったとしても、往復は車に軟禁で、終日、家に閉じこもっていなければならないのであれば、テレビもない状況では、退屈してたまらず、ちょっと乗り気になれない。 しかし、9ヶ月ぶりのタガイタイ・マンションがどうなっているかは興味があった。それにマカティの家にいたとしてもテレビを見ることくらいしかやることがないので、同じことだ(ただし、大相撲の千秋楽を見れないのはちょっと残念ではある)。しかし、新しく来たヤヤもいれて、二人のヤヤと一歳のココが同行すると聞いて、彼らが行ってしまうと家には私しか残らず、食事にも事欠くので、私一人を残すわけにもいかず、条件付招待となったものと悟った。 夜の8時過ぎに出たので、到着は11時近かったが、途中、SLEX(South Luzon Expressway)のスカイウエイ延伸工事の橋桁落下事故で、反対車線は延々と渋滞が続いていた。帰りのことが心配になったが、幸い杞憂で翌日の帰還はスムーズだった。ちなみにこの落下事故でスカイウエイ延伸工事の年内完成が来年にずれ込んでしまうとのこと。 タガイタイに到着してただちに寝たかったのだが、なぜか、同行した二人のメード(ヤヤ)による、片付けが始まって、ベッドにたどりつけない。家の中は、住居のセットアップの品物が、所狭しとおいてあって、私が小言を言わないという条件が飲み込めた。おまけに部屋数は4つあるものの、合計で二つしかベッドがない。要は同行した8人が寝るだけのベッドが整っていないだ。 結局、ベッド台とマットレスを別にして、私は、床に置いたマットレスでキアンと寝ることになった。この年で、床に寝るのは立ち上がるのにかなり苦労するが一晩なら我慢できる。要するに、他人を招待するような準備は、全く整っていないというのが、ここ2ヶ月、私が近寄れなかった理由だったのだ。しかし、ベランダへの戸を開けて寝ると、網戸を通して涼しい風が入ってきて、まさに高地のタガイタイの真髄を感じることができた。 朝食は、パンにミルクのみ、普段の自己流精進料理はない、これは折込済みなのだが、つい、昔に戻って、三切れの食パンとコップ3杯の牛乳を摂ってしまって、昼まで消化できず、胃がもたれてしまった。普段の食事との違いに胃がびっくりしてしまったらしい。 それで、キアンとクッキーを連れて、散歩にでかけたが、別荘地帯なので、すれ違う人もほとんどおらず、ビレッジ内ならばマスクをつけずに歩き回ることができる。しかし、タガイタイの山地を造成したものなので、ところによっては歩くことも容易でないほどの急坂で、息が切れた。30分ほどして戻ってきた時は、かなりの疲労を感じた。8ヶ月も外に出ないで自宅軟禁の状態だったのだから、無理もないことだ。 ママ・ジェーンがランチの材料を調達に行くというので、車の中で待つという条件付で同行した。タガイタイ・ランチ遊園地やマホガニー・マーケットなどの観光スポットを観察することはできなかったが、日曜のせいで、道路はかなりの交通量で、不滅のリゾート・タガイタイの雰囲気があった。 真昼間に外を歩くのは、暑くてちょっと憚れるが、朝夕は涼しくて、これでレストランや遊園地、それに豊富な果物で有名なマーケットを訪れることができるとしたら、マニラから2時間ほどで訪れることが出来るタガイタイは、まさに別荘として、週末を過ごすには理想的だ。 夕方になって事件が起きた。クッキーが手を敷地への入り口の鉄製のドアに挟んでしまったのだ。これは痛いとは思うが、よほど強くドアを締めたのか、いつまでたっても泣き止まない。手を動かすことが出来るので、骨折ないし骨にひびが入っているほどではなさそうだ。泣き声にパパ・カーネルが心配して、慎重に手の様子を調べたが、かなり時間をかけていたが、そこで、お咎めがキアンに落とされた。そばにいて妹にこんな怪我をさせるのはけしからん、ということらしい。 私や二人のヤヤもそばにいたので、責任を感じるが、ママ・ジェーンも加わって、叱責が続く。痛みがとれてきたクッキーはけろっとしているのだが、両親の叱責を受け続けたキアンは、涙をためて、口答えもできず、神妙にしている。責任を一心に背負っているキアンに同情するしかないのだが、どうもクッキーが「キアンのせいで...」とキアンを陥れたらしい。 そんなこともあって、8時過ぎ、ようやく帰宅の途についたが、車は3列席で、前にパパ・カーネルとママ・ジェーン、中列に私とキアンとクッキー、後ろに、ヤヤ二人とココ。私とキアンの間にクッキーが座って、さっさとキアンの膝枕で寝入ってしまった。キアンとしてはうっとうしくて仕方がないのだが、この状況で文句を言うわけにはいかない。 […]

タガイタイ訪問がようやく実現した 2020年11月23日


2020年も、いよいよ11月を迎えてしまい、もうすぐクリスマス、年の瀬ももうすぐだ。しかし、今月も封鎖(GCQ)は継続され、外出禁止(高齢者と未成年)の自宅軟禁が継続することになった。もはや年内の緩和はないものとあきらめてはいるものの、2年越しというのは、いささか長すぎる。かといって緩和されたとしても、感染状況が改善され、ワクチンでも打ってからでないと、自主的隔離を継続する以外に手はないだろう。 一方、今週は、コロナ渦巻く状況で、PRAをめぐって大きな動きがあり、あわただしい一週間だった。最近、上院で、「若い多くの中国人がSRRVを隠れ蓑にしてオンラインカジノ(POGO)で違法に就労している、その辺をPRAは承知しているのか、35歳以上という年齢制限は退職ビザというには若すぎるのではないか」などと厳しく追求され、PRAの上部組織の観光省からは、急遽、SRRVの規則の見直しを迫られた(特に35歳の年齢制限)。 そのため、現状、外国人の入国禁止措置のため、ほとんど申請者がいないこともあって、当面、SRRVの発行を止めて、規則の見直しと状況の調査に乗り出すことになった。そして、PRAは26日(月)から29日(木)まで、種々の業務を停止しして対応に邁進していたようだ(当方としては予定していたID更新が取り消されて割を食っているのだが)。さらに、その一環として、27日には調査票に記入して29日(本日)までに提出するよう求めらた。 本調査票の提出は強制であり、任意ではない。しかし今日、明日中というなんとも急な指示だが、いかにPRAが焦っているかの表れでもある。この狙いは、中国人の不法就労の実態を把握するものと推察され、昨年はAEP(外国人就労許可証)の発行においても中国人の違法就労のおかげで、その発行が大変やっかいなものになってしまったが、最近の中国の横暴な動きになんともいい難いものを感じる。なお、PRA内部の知り合いの話では、新しい規則は既存のSRRV保有者にさかのぼって適用されることはないので、安心してくださいともいわれている。 封鎖(GCQ)の延長は当面、継続されるであろうし、PRA関連の業務もほとんどないし、学校もオンラインで、あえて自宅に留まる理由はない。そのため、規制が緩和されて移動が可能になったらビコール地方の農場ないし今年ジェーン一家が買い求めたタガイタイの別宅に疎開する話が持ち上がっている。疎開にはビコールの農場ではなくて、タガイタイが手ごろだが、今年の2月に買ってコロナ封鎖で訪れることができず、半年間ほっておいたので、そのためのインフラ整備が必要だ。そのため、インターネットとケーブルTVの設置について検討を始めた。 前に、この家に住んでいた日本の方の勧めで、インターネットはPLDT、これはケーブルTVと固定電話がセットで月々3099ペソ、100Mbpsで十分だあろうとのこと。一方、日本のTVはNHK Worldの英語放送のみということなので、別途日本のTVが視聴できるインターネットTVの取り付けを勧められた。調べてみたが、いろいろあって何がなんだかわからない。そこで勧められたのがチャンネルボックスとかいうもので、価格的には一年前払いで1000ペソ/月(3ヶ月6ヶ月前払いもあるが、少々割高になる)、無料お試し視聴が一週間とリーゾナブルで、即決した。私にとってはNHKさえ見れれば十分なのだ。 タガイタイに疎開するのを待たないで、自宅軟禁で時間をもてあましている今こそ、必要だとおもい、早速問い合わせて、とりあえず、マカティに自宅にとりつけることにした。しかし、我が家のGlobe Wifiは3階ではシグナルが弱く、Globe のAt Home Wifiを別途購入してサブに使っているが、それで最低10Mbpsが必要とされる インターネットTVが見れるかどうか不安があった。チャンネルボックスの業者に問い合わせてみても、???だという。いずれはタガイタイで100Mbpsをいれるのだから、多少問題あっても良かろうと取り付けを依頼した。そうしたら、即日にでも取り付けに来るという。さすが日本の業者(聞いてみると実は韓国らしいが)、やることが早い、あるいはよほど暇なのだろうか。後日わかったことだが、PrepaidのAt Home Wifiで問題なのはデータ量に制限があって、例え1ヶ月のプランを申し込んでもデータ量の上限に達すると見れなくなってしまうことだ。一体、上限がどれだけのデータ量か、どれだけ使用するのかわからないので、むやみにTVをつけておくわけにはいかないようだ(一週間使えるものが6日、あるいは4日程度で使えなくなってしまうことあるが、これはどうもデータ量の制限に達したためらしい。一方、PLDTのプランはデータ量の上限が無いのかどうか、確認する必要がある。 […]

インターネットTVを設置しました 2020年11月2日



先日、ショッピーのオンライン・ショッピング・サイトで発注したキャデラックとジープのレゴは、模造品なので中国から発送され、時間がかかる。待ち蹴れないので、フィアット500の純正品を大枚7000ペソをクレジットカードで支払って購入した。純正品ならマニラにストックされているので、数日で届くはずだ。しかし、どういうわけかキャデラックとジープが届いてもフィアットが一向に届かない。キャデラックとジープの組み立ても終わって、発注から10日ほどしてやっと届いたのが、なんと黒い袋にピンクの小さなゴムのバネが一個だけだった。しかし、伝票はしっかりついていて、ショッピーのサイトのお知らせを見ても配達済みとなっておりその確認を求めてきている。 荷物を受け取ったヤヤも何がなんだか訳がわからないで、そのまま受け取って天日干しにしてあった。私が、それを見てキアンと事の次第をきいて、やっと詐欺にあったのだと認識できた。そこで、ショッピーのサイトを良く見ると到着確認の他に返却ないし返金のアイコンがあって、さらに理由は「商品が届かない」として空の袋の写真とピンクのバネの写真を送った。他に商品が気に入らないとか、壊れているとか、部品が不足しているかなどあるが、この場合、あきらかに意図的な詐欺行為であるので、売り手との議論の余地はない。こういう事態にどうショッピーが対応するか、この辺がオンライン・ショッピング・運営サイトの腕の見せ所と、ちょっと楽しくなってきた。 息子の話によると、ショッピーは個人の売り手も商品を掲載することができて、この手の詐欺が横行しているらしい。したがって、商品を購入する時は売り手を吟味して評判の良いところから買わなければならないとのこと。さらにCOD (キャッシュ・オン・デリバリー)が原則とのことだが、当方は現金がなく、ATMで引き出しにいくことも出来ず、さらに配達員からお釣りをもらうのはコロナ感染防止の観点から望ましくないということで、クレジットカードを使って前払いせざるをえなかったのだ。 その日の内にE-メールで返答が来て2日間売り手から反応がなければ自動的に返金を承認するとのこと。文面からショッピーの売り手への支払は、商品の到着と受取を買い手に確認してから行なう仕組みになっているようだ。私の商品が届かないというクレームに対しては何のコメントもないので、コンピューターでの自動返信のような気がする。 空の袋だけでは売り手も議論の余地もなかろうと思うが、案の定、何も連絡も無しに2日間は瞬く間にすぎた。3日目の夜中に、返金を決定してすでに私のクレジットカードに返金したというお知らせがオンライン・サイトに来ていた。夜の12時過ぎだから、どうもこれもコンピューターの仕業らしくて何のお詫びもない。しかし、ここまでは順調に推移したのだが、最後の詰めとして本当に返金が実行されるかどうかだ。 よく月曜日、早速クレジットカードを発行しているバンク・オブ・コマースの馴染みの支店長にお金が戻ったかどうか問い合わせたが、支店ではクレジット・カードの記録にアクセスできないので、カスタマー・サービスに連絡を取って欲しいとの返事。私の苦手な電話での問い合わせなのだが、やるしかない。 携帯では音声が途切れるのでランドラインを使って、キアンのオンライン授業が終わった午後から意を決して問い合わせに挑戦した。案の定、自動音声でこの場合は1番、あの場合は2番、と私の苦手なアメリカン英語で流暢に早口でまくし立てる。何回かかけてようやく生の声にたどり着いて、長々と状況を説明して、記録を調べてくれたが、まだ返金の記録はないと言う。たしかに日曜の早朝にショッピーから返金の通知が来て、まだ月曜だから無理かもしれない。しかし、この電話での問い合わせを繰り返さなければならないというのはなんとも苦痛だ。 一方、ショッピーのオンラインサイトを眺めてみると、件の詐欺士の出展が相変わらず掲載されている。ショッピーとしてこのようなけしからぬ輩を排除するという姿勢はないようで、マニュアルにしたがってこのようなクレームを処理するだけらしい。その後、サイトを覗いてみると本件に関して新たな通知が来ていて、返金には7~14営業日が必要とのこと。最初の通知ではすでに実行済みとあったが、とんでもない実行済みだ。これでしばし憂鬱な電話をしないでも良いのでほっとした。 11月13日追記:そして14営業日が経過して、いよいよサービスセンターに電話した。あそこまで返金するとアナウンスしているのだから、すでに返金されているのであろうが、それでもまさかの時に、返金されていないとしたら、支払をストップするなどの対抗手段がとれない。その後、それを取り返す努力は多大なものになって泣き寝入りということもあるだろう。そうなるとたかが7000ペソとはいえ一生の不覚として一生忘れられないメモリーになる。ということで、電話をしたら、前回の翌日には返金されてたとのこと。案ずるより生むが安し、ということわざのとおりだった。 ところで、レゴの組み立てについては、キャデラックとジープに取りかかったが、両方とも純正品に引けをとらない、部品は完璧であり、出来上がりも部品がぽろぽろ落ちてしまうこともなく完成した。模造品であるので、キアンはキャデラックの組み立てには全く興味を示さず、私だけがじっくり取り組んで完成することができた。ジープは平日は携帯の使用を禁止されたキアンが暇をこいて、取り組んでたったの2時間で終えてしまった。感想は、模造品を嫌っているので、ためらいながらも完璧と評していた。 したがって、次回はキャでラックの片割れとジープのミリタリー・シリーズのヘリコプターと戦車を注文した。模造品なので3台でもフィアット一台の3分の2程度の出費だった。 レゴは組み立ててしまえば私には用がないので、キャデラックのピンクのレゴを見て、目を輝かせていたクッキーに進呈することにした。その喜びようはたとえようもないが、2~3日すると、キアンが組み立てた小さなジープを見て、しきりに欲しがっていた。なんとも欲張りな女の子だ。また、ココがレゴの部品を口に入れる恐れがあるので、部屋にレゴを置いてはいけないというオフレがママ・ジェーンから発令されたが、禁止事項を発令するのが趣味のようだ。 思い切って純正品を買って詐欺に出会って、懲りてしまったので、これからは安い模造品で十分と割り切ることにして、懐の心配が和らいだ。一方、レゴはほっておいても手に入るので、買い物好きのキアンは任天堂のゲーム機に狙いを定めており、クリスマスを指折数えて待っているようだ。そういえば10月も末で、あと1ヶ月ちょっとすれば、12月で一気にクリスマスムードになる。しかし、年内に封鎖が解けて、外出可能になってクリスマスギフトを買いに出かけることになる見込みは薄そうだ。そうなると相変わらずオンライン・ショッピングの世話になるしかないので、ちょっと気が重い。

レゴに挑戦 その3 商品が届かない 2020年10月20日


トランプ大統領もコロナに感染して3日で大統領選の戦線に復帰して意気軒昂だとか、ヨーロッパの二次感染が深刻であるとか、Go To TravelやGo To Eatの混乱、休業補償金の不正受給など世の中は相変わらずコロナの話題で持ちきりだ。フィリピンの感染者数も2000~3000人超で相変わらず収まる気配もなく、一次も2次もない連続する高台だ。この調子だと、年内の終息など夢物語で、私の仕事の糧の外国人の入国禁止が解除される見通しは全くたたない。 そうなると、自宅軟禁も年単位の長期戦に備えて、耐え忍ぶ生活ばかりではなくて、それなりの潤いがなくては長続きできない。仕事も学校もない生活では、楽しみは3度の食事だけだ。しかし、軟禁生活が半年も越えると、食事を準備するメイドもマンネリのせいか、手抜きも甚だしい。外食ができない状況で、食事ごとの落胆は辛いものがある。 私の毎朝の精進料理は、納豆と豆乳(自家製ヨーグルト用)、それに卵が日本食材店から姿を消して、モンゴ豆と牛乳、それにローカルの卵で代替しているが、精進とは言いがたく、早く脱却しないと体の変調をきたすのではないかと心配している。さらに醤油と味噌が品切れになった時は、世も末と危機感を持った。 それに、昼夜の食事は、ほとんど、イワシないしサバの缶詰あるいはぶつ切りの魚の煮物か揚げ物の繰り返して、食卓に座るたびに今日もかとため息をつく。子供達の食事についてはほとんど毎回、卵焼きにライス、それにコンビーフがついたら御の字だ。キアンは、私と同じ魚のぶつ切りについては私によこして、ライスに醤油をかけて済ますといった按配だ。 まさに貧困層か難民キャンプの食事でメイドにとってはそれが日常で、食べられるだけで幸せではないか、今は緊急事態なのだ、と思っているのかもしれない。かつては外食という手があって、毎週土曜、テコンドーとピアノのお稽古の後の日本レストランでのランチ他、週2~3回の外食でおいしいものが食べたいと思ったことはなかった。因みにママ・ジェーンは料理が得意で、彼女が用意した食事はなかなかのもので、満足できるのだが、せいぜい月に2~3回気が向いたときしかやってくれない。 そんな子供達の楽しみは、ミロとヤクルトで食事の後では欠かせない。ミロは大匙に数杯、ヤクルトは食事ごとに2本ずつ、楽しそうに食しているのを見て、コメントを挟む気にはならなかった。しかし、ここのところ、キアンの腹の出具合が異常になってきた。初めはライスの摂り過ぎだと思ったが、どうも、このミロとヤクルトに原因があるのではないかとにらんだ。 そしてミロを舐めてみると、やけに甘い。ヤクルトもしっかりと甘い。ミロもヤクルトも健康食品という認識があったが、フィリピン産はフィリピン人の嗜好にあわせて、たっぷりと砂糖を含んでいて、もはや健康食品とはいいがたい。そもそもキアンがデブになることを案じて決してソフトドリンクは飲ませず、当たり前のことではあるが、食事中は水だけだった。 しかし、ヤクルトという落とし穴があった。一日一本くらいならいいだろうが、毎食後、2本となったら話は違う。やけにミロとヤクルトが子供達に人気があると思ったら、これらはオリジナルとは似ても似つかぬ甘味食品となっていたのだ。ママ・ジェーンにそのことを伝えると、デューティー・フリー・ショップに行って砂糖が少ない輸入品を買ってくると豪語していた。もはや子供達にはこの二品は欠かせないというのだが、キアンに言わせるとヤクルトとミロはママ・ジェーンの好物であるとのことで、そこまでこだわることが解せた。 最近、食中毒にやられてしまった。午前中から軽い吐き気を覚えて、横になって、食欲もない。便も水のような下痢で、その夜に思いついて重曹を水に溶かして飲んだら、てきめんで、胃の中のものを全部吐き出した。それですっきりして、翌日はバナナだけで済ませて、夜にはすっかり元気になった。原因は、ローカルの卵を生で食したせいではないかと疑っているが、もともとフィリピン人は卵を生で食する習慣はないので、鶏卵の生産流通において衛生管理が十分ではない。日本食材店の卵であれば、生食を前提としているので、その点はしっかりしているものと期待され、その分、値段も倍はする。 首都圏封鎖がGCQに緩和された6月1日、レストランのテイクアウトやデリバリーが盛んとなった。早速、デリバリーを利用したいとママ・ジェーンに話したが、とんでもない、コロナを出前でとるつもりかと一蹴されてしまった。しかし、ここ最近、日曜ごとにパパ・カーネルがやってきて、子供達を連れ出して、必ず、マクドナルドからフライド・チキン・ライスをテイク・アウトしてくる。決してハンバーガーでないところが味噌だが、フィリピンではさすがのマクドナルドもジョルビーの看板メニューのまねをしているのだ。 マクドナルドからのテイク・アウトが許されて、他のレストランからのテイク・アウトが許されないのか、ふと疑問に思って、近所にある馴染みのとんかつ屋レストランからのデリバリーを提案した。キアンは早速、エビフライと醤油ラーメンとさけび声をあげた。キアンの食いものに対する執着はすさまじいものがあり、特に毎週末の日本料理レストラン巡りはキアンにとっての至福の思い出なのだ。 […]

出前で我が家の食卓に花が咲いた 2020年10月14日



ハーレーダビッドソンの組み立ても一段落して、FJクルーザーの組み立てに取り掛かった。これは模造品なのでキアンが興味を示さない。そのために、かえって私が自由に取り組むことが出来た。事務所はクッキーの邪魔が入るので、自分のベッドルームに舞台を移したのだが、ここもクッキーに占領されることになってしまったのだが、キアンがこなければ、クッキーも現れず、数時間レゴに熱中することが出来る。 ブロックもカチカチとはまって、台車部分はなかなか頑丈に組みあがって、部品の不足にもお目にかからない。しかし、フロント部分の取り付けに模造品であることの馬脚を現した。ある程度組み立てて本体にはめ込むのだが、どこにはめればいいのか良くわからず、適当にはめ込むと、別のブロックがこぼれ落ちるといった具合だ。 ドアの開閉部分の筒状のブロックが一個見当たらない。似たようなものがあったが、筒の端が詰まっていて少し長い。どうしても見つからないので、爪切りのやすりでこすってなんとかはめ込んだ。しかし、ドアを本体に取り付けてみると、斜めになってどうしてもうまくはまらず、ドアもきちっと閉まらない。 仕方がないので、後回しにして、他の部分をを完成させて、キアンに助けを求めた。キアンに説明している最中、キアンが手を触れるとやすりで削ったブロックがこぼれ落ちた。よく探してみると筒の端をふさいでいたブロックは別の小さなブロックがはまっていて、はずすことが出来たのだ。キアンは私のアホさ加減に開いた口がふさがらないという顔をしていた。FJクルーザーも仕上がりで部品がぼろぼろ落ちるという欠陥があって、達成感にしたるには今一だったが、少なくとも認知症予防の訓練効果には十分であるようだ。 続いてとりかかったのが、ムスタングの純正品だ。到着から数日間、コロナ除菌でお預けを食らったが、キアンのノリは半端ではない。オンライン授業で、先生のお小言があって、学校から退学させられかねないとかで、すかさずママ・ジェーンは月曜から木曜日までスマホの使用を禁止されてしまったためで、やることがないのだ。 先生のお小言というのはオンライン授業中にキアンがオンラインゲームをやっているというもので、私にその現場を押さえるように指示がママ・ジェーンから出た。本当だとしたら、キアンに強烈なお仕置きが施されるのは間違いない。 これは一大事と、熟考したのだが、キアンのオンライレッスンを後ろから見ていて現場を押さえるなんてことは、到底やる気はしない。そんなことをしたらキアンの私の信頼と愛着はもろくも崩れ落ちてしまうに違いない。フィリピン人で、私が絶対の信頼を置いて頼りに出来るのはキアンだけであって、私の将来、老後の生活の保障でもあるのだ。 そこで決意したのはキアンに状況を耳打ちすることだ。おかれた状況を知っていれば事の対処も可能だろう。因みにフィリピンでは罪を認めると有罪となって処罰される。「すみません、私がやりました。2度と同じ過ちは繰り返しません」という言動は最悪で、あくまでもシラをきることが大事なのだ。だからこそママ・ジェーンは私に現場を押さえるよう依頼したのに違いない。 キアンの試練に対して、私は友人として情報を提供する選択をしたわけだが、因みにキアンに聞いてみると「休憩時間にオンラインゲームをやっているのであって、授業中は決してやっていない」とシラを切っていた。本当のところはやっていたのかも知れないが、私にとっては、事の真偽はさほどの問題ではなく、子供時代には誰でもやっていた悪さの範疇にすぎないのだ。 キアンはムスタングに熱中して瞬く間に仕上げて、2日(2~3時間/日)で終わってしまった。隙を見て私も挑戦したが、3分の一しかやれなかった。ブロックの不足もなく、エンジンルームや室内も凝ったものでキアンの達成感はかなりのものだった。キアンは、私がやった部分は間違いだらけという馬鹿にするが、私には何がまちがいなのかわらない。一方、当方としては一週間を見込んでいたので、とんだ見込み違いで、次の注文品が届くまで間が空いてしまうことになってしまった。 次に注文したのが、フィアット500の純正品、ブロック数960個、約7000ペソ。多くの純正品は1万ペソを越えるのでなかなか手が出ない。こんなものでも適応年齢が16歳以上で大人用だ。 私の練習用には往年の名車、キャデラックとジープの模造品(それぞれ1300ペソ程度)を注文したが中国から来るので到着するのは2週間先だ。キャデラックは私が中学校の時、大いに夢を掻き立てたアメリカ全盛時代のアメリカンドリームを象徴したものだった。 ジープは、このシリーズの製品がたくさんあるので、試してみて良かったら買い続けようと思っている。模造品だから純正品の三分の一からご5分の一で済むし、キアンが興味を示さないので、あまり邪魔されることもないだろう。

レゴに挑戦、その2 2020年10月9日


10月1日からさらに一ヶ月間の首都圏の封鎖(GCQ)の延長が決定した。3月15日以来、ついに7ヶ月目に突入したわけだ。高齢者と子供の外出禁止も継続していて、私と子供達は自宅軟禁ノイローゼにかかりはじめている。一方、外国人の入国は、日本と同様、若干緩和の方向にあるようで、全容は不明だが、SRRV保持者については、至急に入国の必要性があり、かつDFA(外務省)の推薦があれば、入国可能という通知がPRAから発行された。添付PRA通知参照。PRAに申し込めばDOT(観光省)経由でDFA(外務省)に申し入れてくれるそうだ。この措置は、特にSRRVに限ったことはないようで、緊急な入国のニーズをDFA(外務省)がOKすれば、手持ちのビザないし新規に短期ビザが発行されるようだ。添付比大使館情報参照。 この長期自宅軟禁でもっとも被害を受けているのがクッキーだ。3歳になってやんちゃ盛りになったとたんに外界との接触を絶たれ、幼稚園で友達と遊ぶことも先生からお勉強を教わるなど、社会教育の第一歩を踏み出すことが出来ないでいる。そのため、持ち前のやんちゃのみが先行して、周囲に喧騒と苛立ちの公害を撒き散らしている。その被害をまともに食らっているのがキアン、そして私だ。 キアンのオンラインスクールが始まっのでクッキーの唯一の遊び相手が、平日の午前中はいなくなってしまった。学校なんだから邪魔しちゃ行けないよと言い聞かせても、ママ・ジェーンは、いつもオフィスにいるわけではないし、ヤヤ達もクッキーのお守りをしているわけにはいかない。結局、クッキーは事務所を遊び場にするしかない。私にとっても午前中は書類やブログ作成の大事な仕事時間だ。そうなるとクッキーは三輪車やスクーターで事務所内を走り回ってうるさいことこの上ない。さらに大声で歌を唄ったり、キアンも私も気が狂いそうになる。 おとなしいのはアイ・パッドを使っているときだけなのだが、ママジェーンのしつけの観点から、過度の使用を制限して、しょっちゅう電池が空で使えないように仕組んでいる。充電器を買ってやろうとしても、ママ・ジェーンは自分のアイフォンと共通にして、あえて不自由にしているので、不要だと断られた。口で言ってもきかないので、物理的にコントロールしようという魂胆だ。 三輪車やスクーターは本来、外で使うもののはずなのだが、そとは暑いからと室内で使うよう指導しているらしい。アイ・パッドもスクーターも、我々の騒音被害には目もくれないルールだ。かと言ってクッキーの入室を禁止したりクッキーを叱りつけても、ますます反抗してうるさくなるだけなので、強攻策を取ることもできない。そもそもコロナの外出禁止で一番可哀想なのはクッキーなのだ。そのために編み出したのが、耳栓だ。これさえあれば騒音に耳をふさいで自分の世界にとじこむことが出来る。 午後からは、キアンの算数レッスン、レゴの組み立てなどの時間だ。算数の時間は私が先生で、レゴの時間はキアンが先生だ。クッキーに取っては、私とキアンが親しげにしているので自分も仲間に入りたいので、色々ちょっかいを出してくる。この時は騒音だけではなくて、当方にとっては物理的な邪魔立てになる。いくら注意しても、やることはないから執拗に繰り返して、叱りつけることになるのだが、やはり効果はない。 さらに、キアンの宝物のポケモン・トレッタを買ってやったら、クッキーはわけもわからず、それを欲しがる。キアンが拒否すると目一杯の泣き声で、大騒ぎになって、もはや事務所にいることは不可能になる。一方、クッキーに買い与えられた三輪車やスクーターをキアンが使うと、大声で非難する。仕方なく、キアンに譲るように説得するのだが、キアンとしては、クッキーが憎らしくてしかたがない。しかし、そんな態度をママ・ジェーンの前で見せると、ママ・ジェーンの罵声がキアンに浴びせられ、事務所は騒然となって、私は自分の部屋に逃げ込むしかなくなる。 模造品のレゴにはキアンが目もくれないので、耳栓で周囲を遮断して一人でレゴの組み立てに熱中をしていると、クッキーがちょっかいを出してくる。ほとんど聞こえないので、知らん顔をしていると、スタンドの電気を消したり、テーブルを足で蹴ったり、いかに邪魔をしたら効果的か、良くわかっている。丁度、模造品のレゴが最終段階で組み終わった途端にあちこち壊れて、苛立ちの頂点にあったときで、爆発寸前だった。こうなると私が事務所でレゴをすることは、かえって脳を痛めかねないので、自分の部屋を模様替えして、小さなレゴ専用作業スペースを作ることにした。 しかし、そこで作業を始めると、早速クッキーが目を輝かせて入ってきて、同じことになってしまった。キアンの後をついて回るしかやることがないクッキーだから当然のことではある。ここにはドアがあるので鍵をかければ入ってこれないのだが、まだ3歳のクッキーの立場に立ってみると、それはあまりにも残酷だという気がして実行できない。ママ・ジェーンもそれは止めてくれと言う。子供の頃、近所の家でそれをやられて大いに傷ついたことがあるそうだ。原因は、その家の子もいつも張り倒していたためだそうで、クッキーは自分と瓜二つだから、可哀想だと、勝手なことを言っている。 結局、舞台は事務所から私の部屋に移っただけになってしまった。それで、キアンにレゴを任せて、耳栓をしながらテレビで字幕映画を見ていると、クッキーが耳元で大声で怒鳴った。これにはたまらず堪忍袋の緒が切れて、クッキーの手を引いて、階下のママ・ジェーンの部屋に連れて行った。こんなとき、クッキーは素直についてくるので、確信犯でないのかという気がする。 クッキーの公害は、ますます度を増すばかりだが、クッキー語録ともいえる名言に一同が盛り上がっている。曰く、ヤヤに対して「私のことを愛している?愛しているなら、私をおんぶして、階段を10回上り下りして証明して頂戴」。3歳児の発想というより、思春期の性悪女の言い草だ。さらに「ダダ(私のこと)はBack pain(腰痛)とUTI(Urinal Tracking Infection、尿道炎)だから、家から追い出して介護施設へ送り込んだほうがいいんじゃないの」。人を馬鹿にするのも甚だしいが、因みにUTIは最近自分が患った病気だ。最近、私が煙たがって相手にしないことを大分恨みにに思っているようだ。

クッキーはコロナ公害なのか 2020年10月5日