5月10日、統一選挙 2010年5月11日


   510日、統一選挙がついに幕を閉じた。大統領選はアキノ上院議員の圧倒的な勝利に終わったが、毛並みと誠実さだけでは政治はできない、という落胆の声も聞かれる。エストラーダは貧困層の根強い支持で2位につけた。当初優位にいたビリヤールは子供にお金を渡しているところをスクープされたりして3位に失速。知識層が期待するテオドロ・ギボやゴードンは下位に甘んじた。副大統領はアキノ陣営のロハスとエストラーダの相棒であるマカティ市長のビナイの接戦だ。マカティ市長にはビナイの息子ジュンジュン・ビナイが当選した。

 大統領選は210日、地方選は326日に選挙運動が開始されたが、その間、街はポスターであふれ、選挙の応援カーが走り回っていた。選挙運動は前々日の58日で終了し、9日は、選挙戦の加熱を防ぐために、アルコール類の販売や提供は例年通り禁止された。

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58日、マニラの南のバタンガスに行ったおり、地元の市長候補を応援するパレードが大量の人を動員して行なわれていた。もちろんお金で雇われた人たちだろうが子供までが混ざって候補者のシンボルカラーのT-シャツを着てトラックやトライシクルに乗って行列をなしていた。おかげこちらは渋滞に往生した。

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選挙当日、我が家のあるバランガイ・サン・アントニオに投票場に出かけてみた。そこには日本の投票場では信じられないような人ごみが出来ていた。私なら、この人ごみを見ただけで投票場をあとにするだろう。有権者リストに自分の名前を見つけて、それが自分であることの証明としてIDを見せ、そして初めて投票を許されるというなんともいえない稚拙なシステムに原因があるようだ。ちなみに有権者数は5千万に超え、投票率は75%だから4千万に近い人が投票したことになる。投票場は約37000箇所だから、一箇所あたり、千人だ。しかし、ここのような人口密集地帯では10倍の1万人くらいになるのではないか。

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投票場ではGMAテレビの取材が行なわれていた。投票日の寸前まで不具合が報告されていた電子投票システムが本番でどうなるのか極めて興味深いところだったが、順調に機能していたようだ。 

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人が集まるところには必ず食べ物の屋台が出るのはどこの国でも同じだ。投票を終えるまでに23時間は優にかかるだろうから、喉が渇いたり、お腹がすくのは当然だが、日本の投票場では決してこんな光景は見られないだろう。こんな状態では投票する人はいなくなってしまうだろう。

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投票場の近くには今回の選挙で副大統領に立候補しているビニャイ市長の自宅がある。この付近ではちょっと見られない豪邸だ。家の前では冷たいジュースを無料で配っている。当方も少々の喉が渇いたのでご相伴に預かったが、さらにテントの中では只で食事が取れるそうだ。だから選挙期間中は貧しい人も食には事欠かなかったそうだ。ビニャイの自宅の前は粗末な家で、子供達が選挙の様子を伺っていた。また、ちょっと年寄りの人に声を掛けられたが、彼らは票を買う仕掛け人だそうだ。投票権があれば1000ペソほどの臨時収入になるところだった。

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 ビニャイ市長の自宅の前には別の投票場(サン・アントニオ・ハイスクール)があり、ここにも多くに人が群れていた。赤いTシャツを着ている人はビニャイ市長の運動員だ。この人たちが何を待って行列をつくっているのか皆目わからないが、皆はただひたすらに順番を待っている。皆、中々忍耐強い。ここでもカメラマンが準備をしているが、きっとビニャイ市長が投票場へあらわれるのを待っていたのだろう。

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 通りには警察官と兵士が銃を持って控えている。全国で37000ヶ所もある投票場に、これだけの人が待機しているとなると、全国で20万人以上の人が動員されていることになる。カメラをかまえると、是非プリントしてプレゼントしてくれとせがまれた。日本では執務中の警官は、写真を撮ることさえ許されないというのに、むこうから写真を撮ってくれと目で合図してきたのだ。

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れは投票用紙のサンプル。大統領、副大統領、上院議員のすべての名前が記載され、その横のを塗りつぶすようになっている。これはエストラーダ/ビニャイ陣営が作成して配ったものだから、彼らの名前と陣営の候補者の名前だけが、黒い文字で浮き出ている。確かにわかりやすいやり方だ。

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