タバコの中心はZiga Avenue(シガ通り)というが、その周辺とマーケットには人があふれていた。この街のこんなに人がいたのかと思うほどだが、正月は帰郷ラッシュで人口は倍ぐらいに増えているのに違いない。市営マーケットビルの前の広場はテント作りの屋台がひしめきあっていた。これは入居金が高すぎてマーケットビルに入れない人たちが自衛手段として建てたものか、あるいは、従来屋台のあった場所に新たにマーケットビルを建設中なので、そこから移動したかだろう。いずれにせよ普段の倍近い店が出て年末商戦を繰り広げていた。
タバコ唯一のデパートのLCCにも人があふれていた。教会前にも花火売りの屋台が並び、1年間でたった数日の商戦にかけていた。これらの花火はおおみそかの1時間くらいの間にすべて消費されるのだ。
市庁前や街の主要な場所にはメイヤーの家族を写した大きなポスターが掲げられていた。年末年始の挨拶ということであろうが、下院議員ラグマンの娘のクリセル市長の自己顕示欲は留まるところを知らないようだ。しかもこれは2010年の統一選挙を見据え公費による選挙活動を行うというしたたかな作戦でもある。
教会のクリスマスの飾りはそのまま残されていた。星型の飾りには名前や写真が張られ、日本のお祭りの寄付の名札に似ている。いくばくかの寄付を教会にした人たちが名前を掲げているのだ。また、市庁舎や広場に飾られたクリスマスツリーもそのままだ。一方、セブパシフィックが発着するターミナル3も大きなクリスマスの飾り付けがなされたままだった。
この日は土砂降りの雨降りで、しばし雨宿りを強いられたが、雨の水を使ってシャワーを浴びている子供を目撃した。スコーター(スラム)の子供は水道もないから、このスコールでシャワーを浴びるのだ。
師走となれば人出が多い。人出が多いとそれを運ぶ手段が必要だ。そういうわけでトライシクルやパジャック(サイドアカーをつけた自転車)が列を成していた。心なしか普段より数が多い気がするが、気のせいだろうか。彼らも年越しの金を稼ごうと必死なのだ。
マニラに戻るとターミナル3にはまだ巨大なクリスマスランタンが飾られてた。また、農場ではこのランタンのような花を見つけた。