農場は毎日が雨だった 2009年1月5日


 ビコール地方の12月、1月は雨季の真っ只中だ。おまけに今年は気温が日中でも25度以下となり、まさに寒波の襲来だった。我が家のメイドはこれを Super Coldと称していたが、まだ半袖に半ズボンで居られるくらいだからいささか大げさだ。でも彼らは本気でそう思っているのだ。

 昨年は年末年始に10日ほど滞在して一度もマヨン火山の勇姿を拝むことはできなかった。今年もどうせ無理だろうと思っていたが、退職者二人を迎えた1229の午後、雲間に浮かぶマヨン火山を垣間見ることができた。実にこの日だけがチャンスで、あとは間欠的に雨が降り続け、マヨンはまったく姿を隠し、退職者にとってはまことにラッキーな瞬間だった。

CIMG8549s-4

 退職者の一人は最近バードウオッチングに凝っており、農場に飛来する野鳥を解説してくれた。カラバオ(水牛)にまとわりついてえさを探すサギや日本から飛来してくるというもずなど、いながらにして色々な野鳥を観察することができた。農場に植えた木々が成長して林になればさぞ色々な野鳥が飛来するものと今から期待される。この5年間、数百本の各種苗木をせっせと植え続けた効果が出るのもさほど遠くないはずだ。

CIMG8578s-4 CIMG8576s-4

CIMG8567s-4  雨季のため花は比較的少ないが、それでも25度前後の気温はあるから、そこそこ花を咲かせていた。日本にはちょっと見られないめずらしいサボテン系のユーロ・ホビア、可憐なカディナ・デ・アモール、それに定番のブーゲンビリアなどだ。一方、田植えを終えたばかりの水田は豊富な雨のために青々と茂っていた。

CIMG8619s-4 CIMG8616s-4 CIMG8469s-4 近所を散歩している時、20cm前後の大きさに育った柑橘系のロクバンというホメロに似た実をつけた木を見つけた。ミンダナオ名物のホメロはおいしい大きな実をつける上、大変香りが良いそうなので、農場にも56本植えてある。ビコールでもうまく育つか心配だったが、近所で類似した木が立派に育っているので、何とかなりそうだ。このほか、農場ではランブータン、ランツォーネス、マンゴ、ランカ、カラマンシー、グアバ、アボカドなど熱帯特産の果物を植えてある。また、ビコール特産のピリやカカオなどのナッツの木もある。もちろんおなじみのバナナ、パパイヤ、パイナップル、ココナッツもいっぱい植えてあり、いつか農場が果物やナッツであふれる日を夢見ている。

CIMG8604s-4 話は変わるが、フィリピンでは住所を示す丁目のことをプロックという。農場の住所は689Purok6Barangay San Antonio、すなわちアルバイ県タバコ市サンアントニオ町6丁目689番地となる。サンアントニオは籐家具をはじめとする伝統家具の産地で、いたるところに小さな家具の工場がある。マニラの半値程度で家具が買えるが、運搬が大変だ。また、タバコではアバカ(マニラ麻)で作ったハンドバッグなどの手工芸品もしゃれたものが安く買える。これは持ち運びも簡単だからお土産に重宝だ。その他の名産は刃物(タバック)でタバコ市の名前もここから来ている。手軽なお土産はビコール特産のピリ・ナッツだが、どういうわけかマニラではほとんど見かけない。

CIMG8608s-4 CIMG8605s-4

 雨降りのため子供たちはベランダの手すりに座って遊んでいた。この手すりは座れるように幅が20cm程度あり子供たちの格好の遊び場となっている。まだまだ子供だと思っていた相棒の甥姪だが、一番上の子は13(右から2番目)、ハイスクール1年生となり、もう少女といえる年頃になっている。

CIMG8545s-4

Leave a comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *