入管にとって外国人は、頭痛の種かそれとも飯の種か?2012年2月11日


 マニラ唯一の観光のメッカともいえる歴史地区イントラムロスに鎮座するのが出入国管理局、いわゆる入管あるいはBIBureau of Immigration)だ。観光、投資、就労、就学あるいは退職後の人生をフィリピンで過ごそうとする外国人にとって短期あるいは長期のビザを取得することは必須なことだ。観光省や投資庁などの政府機関も外国人誘致に躍起になっている。しかし、そこで立ちはだかるのがこの入管だ。国の発展のために外国人を受け入れる一方、国に害をなす不良外国人を締め出すのが入管の役割だが、我々善良な外国人にはむやみに意地悪をしているとしか受け取れない事象が頻繁に起こっている。退職ビザの売りが「退職庁が窓口で、入管と直接コンタクトをする必要がない」というのも皮肉な話だ。

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イントラムロスにある入管の本部、内部は混沌としている

その1 ACRの更新期限

最近、下記のような趣旨のメールがインターネットをにぎわせた。

{私がビザの代行をお願いした旅行社からのメールに、ACR-Iカードの更新に関する情報がありましたのでアップします。
  2006年にACR-I カードが導入され、カード保有者はすべて、空港で税金を支払い出国できるようになったのです。非常に便利になりました。発行された当初、発行年月日の記載はあったのですが、有効期限には何の記載もありませんでした。永住ビザだけに永久的なカードだと喜んでいたら、入管がその後、有効期間は5年に限ると発表したのです。その5年が2011年なので、そのことを知らない永住ビザ保有者が出国のために空港に行き、出国審査を受ける段になって、「期限が切れているので出国できません、ACR-Iカードを更新してきてください。」といわれるのだそうです。「私は、そんなことは聞いていない、緊急事態で帰国するので、そんな時間もない。」と答えると、「それでは、出国を認めますが、再入国する際に、あなたのビザは失効し、観光ビザでしか入国できませんよ。」ということになるらしい。}
 
 なんともはや融通の利かないやり取りで、入管の外国人永住者いじめとしかとれない。1年間くらいの猶予期間を設けるとか、帰国してから更新するとか、なんとでもなるではないかと誰しも思うところだ。ちなみに退職庁(PRA)が発行する退職ビザ(SRRV)保有者はこの ACRが免除されている。その代わりにPRAIDカードを発行するのだが、これは有効期間が1年ないし3年で、更新が義務付けられている。したがって、退職ビザ保有者はPRA IDをきちんと更新している限りは何の憂いもない。しかも、このIDの更新についても融通が利くし、ACR保持者のように出国時に再入国許可を取得するためにお金を払うなどのわずらわしさもない。

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イントラムロスにある世界遺産サン・アガスティン教会でミリタリー関係の人の結婚式が行われていた


その2 9gビザの取消
(Down Grading)

 9gビザとはいわゆるワーキングビザでフィリピンで就労するために取得するビザだ。原則としてフィリピン人では互換できない技術を保有していることなどの条件があり、かつ期限も3年間などと限定されている。ビザ申請に先立ち、労働局より就労許可証(AEP Alien Employment Permit)を取得することが義務付けられている。クオータビザと同じようにこのビザを不正に取得したものが多くいるとのうわさがあり、9gから退職ビザに乗り換える場合、下記の書類をそろえることというお達しが入管よりPRAにあった。

1.9gビザの発行指示書
2
.9gビザ取消の指示書
3
ACRIカード
4
CQSS(Centerized Query Support System)の証明書
5
SECSecurity & Exchange Commision)の会社登録証明と会社定款
6
DOLEDepartment of Labor & Employment)の証明書

 さらに、この取消手続き(Down Grading)がなかなか厄介で、ビザ取得の根拠となった就労、就労先の会社の存続、AEPの有効性、ビザ取得時の手続きなどさかのぼって、とんでもない手間暇が必要となる。いっそ、そんな手続きを取らないで、再入国手続きを経ないで出国して、再入国の時は観光ビザ(9aビザ)で入国してしまえば、それで済まないものかと思うのだが、入管のことだから、色々イチャモンをつけてくるだろう。最近の話では、PRAはもと9gビザ保有者による退職ビザ申請の受付を停止したそうだ、理由は、退職ビザの発行を保証出来ないためだそうだ。

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本文とは全く関係ないが、エルミタのロビンソンプレイスでオープンしたサイゼン(日本の100円ショップダイソーのフィリピン子会社)

その3 13a(婚姻ビザ)の手続き

フィリピン人配偶者を持つ外国人は13aと呼ぶビザの発給を受けることができる。通常の書類のほかにフィリピンでの婚姻証明や資産証明、さらに夫婦での面接がある。これが従来からなかなか厄介で、少なくとも3~4ヶ月の時間と数回の入管への出頭が必要となる。最初にもらえるの1年有効な暫定的なビザであり、さらにビザ取得から1年後に本チャンの永住ビザの申請をしなければならない。従来から、これらのわずらわしさをさけるためにフィリピン人の奥さんがありながら、退職ビザを取る方が多くいた位だ。それが最近ますます難しくなって、申請をあきらめたほうがよいとビザ関係の弁護士が嘆くほどだ。これについては、裏で不正にビザを取得する輩が多くいたのだろう。

その4 SSP(特別就学許可証)

  2011年の外国人留学生は6万人もいたそうだが、そのうち小学校やハイスクールあるいは1年未満の語学学習など短期留学でフィリピンに滞在する場合に必要なSSP(特別就学許可証)取得者が4万人を占める。これらはほとんどが韓国からの短期英会話留学生だ。通常、入国短期ビザ(9a)の延長で済ませて、あえてSSPを取らないで就学している場合が、多いようで、昨年、ダバオの学校に就学していた2名の日本人男性が、韓国人学生らとともに入管のブラックリストに登録されてしまったそうだ。フィリピンで英語を勉強するために来比している方はくれぐれも注意してほしい。

その5 クオータビザ

 年齢制限がないので、最近は35歳未満のフィリピン永住希望者のねらい目となっていた。毎年国ごとに50人にしか発行できないので、プレミアがついてその年の初めから時間がたつと値段があがるという奇怪なビザだった。7~8年前は10万ペソといわれていたものが、段々値上がって20~30万ペソになり、2~3年前から、サイトで150万円払えば3日でとれる、などと大々的に宣伝されはじめた。しかも要件とされる4万ドルの銀行証明が不要であるなど、よほどの裏工作が行われたらしい。そのため昨年は発行がストップされ、入管内部の査察が行われたらしい。現在でも、クオータビザの手続きをとっても間違いなく発行されるという確証はないようだ。

 これら一連の事項は入管内部のの綱紀粛正のあおりを外国人が受けているという感じがしてならない。不正に滞在している外国人(といってもルールを知らない善意の人々)だけをきびしく取り締まることが、入管のやるべきことなのだろうか。もっと他にやるべきことがあると思うのだが。

 

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