バギオからイロコスのビガンまでは約150km、3時間の道のりだ。昼近くにバス・ステーションに行って見ると3時までバスはないという。仕方がないので、相乗りのミニバンで行くことにした。料金はバスとほとんど変らず一人130ペソ程度だ。途中退屈な景色が続くが、見慣れない植物が延々と栽培されていた。聞いてみると煙草で、この地方の名産だそうだ。
イロコス地方は東側に深い山々を控えているせいか、大きな河が多い。この河を渡るともうすぐ古都ビガンだ。
まずはホテル探しだが、ブルゴス広場の裏に由緒あるホテルが数件ある。一軒は満員だったが、もう一軒で空きがあった。料金は朝食付で1700ペソでまあまあだ。
アニセトマンションというホテルだが建物は1800年代に建てられたようで、なかなか趣のあるホテルだ。隣はこれまた由緒のありそうな教会で重厚な壁が続く。
ホテルの前で馬車を頼むと名所を案内してくれる。しかし名所といっても、要はホテルの左に続く通りだけで、他にあまり見るものはなさそうだ。しかし、その通りがなかなかすばらしい。ホテルからその通りに行く途中にCafe Leonaの前、通路に広げられたテーブルで食事をとっていると脇を馬車が通リ抜けて行く。まるで200~300年前の中世にタイムスリップしたようだ。ちなみに馬車は1時間150ペソで、マニラのように後で、一人につき150 ペソだとか、150ドルだなどと、ぼられることも無くて気分がよい。
古都ビガンとして有名なだけに通りはホリーウイークを利用した観光客で埋まっていた。しかし、なぜか道行く人々はスペイン風の美女が多い。地元の人なのか、ホリーウイークに旅行をしているスペイン系の良家の子女なのかさだかではない。
昼間は比較的静かだが、中世の雰囲気がそのまま残っている。しかし、ほとんどの家は土産物屋で、もう少し、色々な店があっても良いような気がする。ただ、一角に現代的なディスコがあり、若者でにぎわっていた。
街の主要な交通手段はトライシクルだが、馬車(カレッサ)も充分交通手段としての役割を果たしている。ブルゴス広場を県庁舎(プロビンシャル・キャピタル)に向うと、衣類や雑貨の屋台が続いている。フィリピンの問屋街、デビソリア並みの価格だ。
県庁舎を過ぎたところに博物館がある。ブルゴスの住んだ家だそうだが、かなり荒れている。しかし昔の上流階級が済んだ家を垣間見ることができる。(マニラのイントラムロスにもCasa Manilaがあるがここは再建ではなくてもそのまま残っているらしい)。ところでブルゴスはマカティのブルゴス通りがゴーゴーバーのメッカとして有名だが、著名なヒーローの名前だっとは知らなかった。