雑記帳 フィリピン国家警察は庶民の味方か


フィリピン国家警察、通称PNP(Philippine National Police)は、正義の味方というより、悪の味方あるいはPNPそのものが犯罪組織という印象が持たれている。最近起きた日本人の射殺事件でも警官そのものが容疑者として捕らえられ、その証言者までが殺されるという事件がおきた。日本ではあたりまえの交通マナーにしたがって運転していても、なにかとイチャモンをつけて捕まえようとする。もちろん狙いは500ペソ程度の賄賂だ(フィリピン人なら100ペソ程度が相場のようだが)。一体、フィリピンにおいて警察は庶民の味方なのだろうあるいは敵なのか。

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PNPの総本山、キャンプクラミの入り口、内部は広大な街のようになっている

かつて私は、公然と警察は庶民の敵と言ってきた。ところが最近、PNPのCIDG(Criminal Investigation and Detective Group、警視庁捜査一課のようなもの)の若手エリート刑事に出会って、考え方を一変させた。かれはPNPアカデミー(警察大学大学院)を卒業した後、PNPに入りダバオ警察署長を経て、現在CIDGのSuperintendent (大佐級、カーネル)で、数年の内にはゼネラル(将校)にならんかという人物だ。正義感にあふれ、うそと賄賂が大嫌い、そのため、この地位にありながら、車も家も持っていないという、正義派熱血漢だ。しかしながら、フィリピン人特有のやさしさは並大抵のものではない。

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キャンプクラミに入り口近くにある本庁建物

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ヘッドクオーターという文字が誇らしげに掲げられている

この人とは、ある退職者が被った被害の届け出をCIDGに出したのがきっかけに知り合ったのだが、現在では家族的付き合いをして、私をダダ(おやじさん)と呼んで親しくしてくれている。冒頭のような警察官の不祥事を耳にすると、この人は悔しさに歯を噛み締めている。いつか、この人が全国12万人の警察官の頂点であるPNP長官になって、警官の規律を正し、フィリピンが世界一安全な国と胸を張って言えるようにしてほしいと思っている。

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キャンプクラミの中は普通の街並み

ところでPNPのランクはSPO1、SPO2、SPO3、SPO4、ルーテナント、キャップテン、メジャー、カーネル、ゼネラルというようになっており、ルーテナント以上はオフィサーでPNPアカデミーの卒業生でなければならない。SPO1から4までは1990年以前は大学を出る必要はなかったが、それ以降はすべて大学卒で占められているそうだ。只のビールの飲みすぎで大きなお腹をした警察官を街でよく見かけるが、この人たちは90年以前採用の警察官が大半を占めているようだ。PNPアカデミーはかつて大学院で、大学を卒業した後、難関を突破したエリートが学ぶ警察幹部の養成学校だったが、現在は普通の4年生の大学になっている。ただし、学生である間も給与がもらえるので、年間300人の枠への入学は至難の技とのことだ。

大きな都市の警察署長はメジャーないし、カーネルで、ゼネラルになると、フィリピンにある17の地方(Region)の警察長官になれる。その中の一人がPNP全体の長官になるわけだ。ちなみにPRA(退職庁)元会長のゼネラル・アグリパイは数代前のPNP長官だ。やはりPNP長官ともなると威厳に満ち溢れているが、その気さくさや決断力はさすがと思う。またそれよりも彼の前では、今まで生意気そうに振舞っていたフィリピーノが直立不動になってしまうのが、おかしくてならない。

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マカティ市中央警察署の外観

私の息子カーネルのおかげで、私は今ではPNPを信頼している。もちろん下っ端の警察官にはろくでもないものもいるが、そんな輩はカーネルに一言いえば吹き飛ばしてもらえる。そんな輩がすべて吹き飛ばされて、フィリピンの警察が庶民の味方となる日がいつか来ると期待している。

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私の期待の息子と娘

 

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