パスコの相棒の彼氏(国家警察幹部)が車を買うというのでスズキとホンダのディーラーを訪問した。フィリピンでの車の価格はどの程度なのか興味を持っている方も多いと思うので、詳細を報告したい。現在1万円は5100~5200ペソ程度なのでペソの価格を倍すれば円の価格になる。
ちなみにフィリピンでは雨季に道路冠水が頻発するので車高が高い車を選択するのが賢い。トヨタのランド・クルーザー、フォーチュナー、ラブ4、三菱のパジェロ、イスズのビッグホーン/トゥルーパー、日産のパトロールなども数多く走っているが、ホンダのCRVやスズキのビトラが手ごろ感があって使いやすそうだ。さらにフィリピンではフォードのエクスプローラー、エクスペディションなどのアメリカ製大型SUVも多い。さらにBMW、ボルボ、アウディ、ワーゲン、ベンツなどのSUVも走っているが、これらは500万ペソは優にする超高級車だ。
スズキ、グランドビトラは2WDで、127万ペソ、エンジンは2400cc、なかなか重厚感があるデザインだ。ちなみにスズキの場合は販売数が少ないため、日本で組み立てたものを輸入しているそうだ。その場合の税金はどうなっているのか気になる。従来、完成車の輸入については100%の関税がかかるとされていた。そのためか、最近スバルなどの車も若干ながら走っている。
小型だが使いやすそうなのがスズキのSWIFTだ。エンジンは1500ccだが、BMWミニを思い起こさせるデザインだ。ちなみに値段は765,000ペソ。
フィリピンでは現在最も人気が高いSUVがホンダCRVだ。写真の車は4WD-AT、2400ccエンジンで1515,000ペソ。2WD、2000cc エンジンなら、1295,000ペソ。 CRVとジャズはタイで組み立てている。シビックとシティはフィリピンで組み立てて相互に輸入しているそうだ。その場合、特恵関税で無税だそうだ。そのため新型CRVが発売された2年前は品不足で入手に数ヶ月待ちという状態だった。しかし、現在は待ちに溢れており、ありがたみがうすれている。
一時、日本でもベストセラーカーを誇ったホンダのフィット、当地ではジャズと呼ぶが、1300ccエンジンで772,000ペソ、1500ccエンジンで832,000ペソ。マニラの街をやたら走り回っている人気車だ。
左下がホンダ車の価格表、拡大して見てほしい。アコードV6は2百万ペソもして、フィリピンでは高級車の一角を占める。右下の写真はホンダ・ジャズをローンで買った場合の詳細で、ダウンペイメントは20~50%、割賦期間は12ヶ月~60ヶ月(5年)と長い。ちなみにローンの利率は20%程度とかなりの高利率だ。しかし、これだけの支払いをしてまでも車を買う人が多数いるということは、フィリピンでも中間層が育っているということか。ここ数年でカーローンの普及が目覚しく、どのディーラーでも当たり前のように用意がしてある。一昔前は現金で買うか、自前で銀行ローンを用意しなければならなかったが、中間層の拡大により、ディーラーが直接扱うカーローンが普及したものと思える。(画像をクリックして拡大してみてください)
フィリピンの中古車は高い。5年落ちでも程度のよいものは新車の半分以上する。だから、日本から中古車を輸入してハンドルを右から左へ付け替えて売っても儲けがあるくらいだ(ちなみにフィリピンでは車は右側通行なので、法律によりハンドルは左でなければならない。日本の用に左右どちらのハンドルでも公道を走れるというわけには行かない)。しかもフィリピンの中古車はかなり使い込んであり、当たりはずれが大きい。純正部品も代替品に交換してある場合も多い。メーターのまき戻しも日常茶飯事だ。さらに昨今の洪水で水に使ってしまった車もおおく、外見だけきれいにして中古車として売り出しているかもしれない。だからカーローンも普及した昨今、新車を買うのが有利で安全と考える中間層が多いのだ。