豆辞典 バプティスマル(洗礼式)は人生のスタート


        キ リスト教徒が大半を占めるフィリピンでは、人生の最初のビッグイベントはバプティスマル(洗礼式)だ。世間への紹介を兼ねたバプティスマルでは両親の親 戚、友人、等が集まり、両親の資金力に応じて盛大なパーティが行われる。バプティスマルの儀式により、クリスチャンとして認められる一方、不病息災と幸 せな生涯を送ることができると信じられている。バプティスマルは原則として生後1年未満に行われるが、両親のパーティ資金の都合により、1歳を過 ぎてから行われることもある。通常は節約のため、1歳の誕生日を兼ねて行われることが多いようだ。

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洗礼式の名の通り、頭に水をかける

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どこでもやり方は同じ(フィリピン人夫婦の次男の洗礼式)

 フィリピン人は見栄っ張りで外国人が好きだから、あなたの知り合いに子供が生まれたとしたら、まずニノン・ニナン(God Farther・Mother) になってほしいと頼まれるだろう。これを決して断ってはいけない。友人であるフィリピーノと家族としての絆を築くチャンスでなのだ。ニノン・ニナン になると生涯、後見人として誕生日やクリスマスにはギフトをやり、そして就職の世話など、何かと面倒を見てやらなければならない。一方、その子供はあな たをファミリーの一員として一生忠誠を誓うのだ。したがって、両親は、出来るだけ力のある人、地元の有力者やお金のある外国人を依頼しようとする。ち なみに、かのマルコスは10万人の子供のニノンになったそうだ。

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バプティスマルを無事に終えて喜びのご両親(日本人とフィリピン人のカップル)

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 ご両親(中央の二人)とニノン、ニナン(両側)に囲まれて記念撮影

ニノン・ニナンを頼まれたら、必ずしもバプティスマルに出席しなくてもいいのだが、最低500ペソ程度のお金を渡す必要がある。親しさの度合いにもよるが、日本人なら、最低1000ペソを渡す必要があるだろう。両親にとっては、これがパーティの費用をまかなう貴重な収入源にもなっているそうだ。このパーティ費用が賄えない貧困層の両親はマス・バプティスマルといって、教会で子供たちを集めてまとめてやってしまうこともある。

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この日は10人くらいの子供が一緒に洗礼式を受けた

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子供の儀式にはやはりケーキがつき物

こうして、フィリピーノはたくさんのニノン・ニナンに見守られて人生の第一歩を踏み出すのだ。

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パーティでは列席者にご馳走が振舞われるが、なぜか式よりも沢山の人がいる

CIMG3110sまさに「ひなびた町の教会の...」の風情を漂わせる

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