ジャパユキさんの試練 2010年7月7日


 タレントあるいはジャパユキさんの日本行きのビザの発給がストップして以来、若いフィリピーナにとって唯一の日本行きの方策は日本人との結婚しかなくなった。すでに結婚をして日本に在住して、アルバイトでフィリピンパブで働くフィリピーナも多くはいるが、若いフィリピーナにとって夢の日本行きは結婚によってのみ実現されると言っても過言ではない。とはいいつつもフィリピンにいて日本人の配偶者を見つけるのは至難の技だ。そのため、プロモーターの斡旋で見ず知らずの日本人と形だけ結婚して、日本行きを目指す、すなわち、イミテーション(偽装)結婚だ。
 日本の入管もこの偽装結婚を厳しく監視していて、本当に結婚生活をしているか、自宅訪問をしたりするそうだ。この偽装結婚の謝礼に日本人男性には月々数万円を払うそうで、プロモーターへの支払いなど、ジャパユキさんにとってほとんど収入が見込めないこともある。そうなると、もっと稼ごうと体を売るなどという、かわいそうなはめになっているジャパユキさんも多いようだ。

CIMG7649s-1この子達の日本行きは遠い夢か

晴れて日本行きの目的も達して、それなりの収入も得て、フィリピンにもどり、元の生活に戻る。もちろん結婚という話も出てくるだろう。しかし、日本で離婚手続きをしたとしても、フィリピンでもちゃんと手続きをしないと、結婚の経歴はそのまま残ってしまう。プロモーターに在日フィリピン大使館に届けたから大丈夫だよと言われ安心していても、いざ結婚しようとすると、フィリピンに婚姻の記録が残っていて、婚姻の資格証明書が出ないということが多発する。

 従来は、離婚の事実が記載されている戸籍謄本を在比日本大使館に提出して離婚証明をもらい、それをCity Civil Registryに提出し、証明書を最寄の市役所に提出すればよかった。市役所からNSO(国家統計局)に書類が送られ、婚姻の資格証明書が発行された。さほどの手間ではなかったが、ジャパユキさんにとっては必ずしも簡単とも言えない手続きで、これを怠って結婚できないはめになっているフィリピーナも多い。しかし、昨年法律が改正され、こんな簡単な手続きで離婚することが出来なくなってしまったのだ。 

 ご承知の通り、カソリックの国、フィリピンには離婚という制度がない。一旦結婚したら、それは生涯有効なのだ。しかし、裁判に訴えて、この婚姻が無効であるという判決を裁判官が出したら、その婚姻は初めからなかったことになり、晴れて独身に戻れる(アナルメント)。このようなお国柄だから、日本に行くために結婚して、フィリピンに戻ったら離婚、などという神を冒涜するような行為が許されるはずがない。

 そのためか、日本で行なった離婚をフィリピンにおいても有効にするために、裁判所に届けて離婚が正当であるという判決をもらわなければならなくなったのだ。そのためには10万ペソ程度の弁護士費用と半年~1.5年の月日が必要とされるそうだ。ジャパユキさんにとっては気の遠くなるような話だ。念願の日本行きを果たしたとしても、本命の彼との結婚も当分お預けとなってしまう。また、日本人との結婚・離婚を繰り返し、日本行きの手段にしてきたベテランジャパユキさんにとっても頭の痛い話だ。

CIMG0300s-1カラオケはジャパユキ予備軍のたまり場だ 

 次に結婚だが、かつては出生証明をもっていけば、市役所から比較的簡単に婚姻許可をもらえたものが、現在はNSOからシノマ(Certificate of No MarriageCENOMA)という婚姻資格証明をもらわなければならなくなった。戸籍という制度がないから、出生証明と婚姻証明がすべてだったフィリピーノには頭の痛い問題だ。同姓同名の人間が結婚しているとすると、その人とは他人であることを証明しないと、シノマが出ない。もちろん過去に婚姻歴があるとそれを正式に抹消していない限りシノマは出ない。

 これらの措置は、偽装結婚や重婚による日本行きのビザ取得が日常化ないし商業化しているという状況に政治家が業を煮やしたものと思われる。たしかに神聖な結婚をビザ取得の手段にするなどということは許されるべきものではない。しかも、それをえさにジャパユキ志望の若いフィリピーナの体をもてあそんだり、月々の謝礼を当てにしたり、日本男児の名折れともいえる輩もいるのも腹が立つ。しかし、可哀想なのはかのジャパユキさんだ。こんな手段までとって念願の日本行きを果たし、故郷に錦を飾ったまではいいが、その偽装結婚に生涯縛られるはめになってしまうかもしれないのだ。したがって、政府の狙い通り偽装結婚による日本行きも下火になることは間違いないだろう。

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