アンタイ・パイラシーの手入れに遭遇 2010年4月11日


  47日、旅行から戻って、マカティ・スクエアに両替に行った時のことだ。地下の海賊版DVDの売り場場付近で悲鳴と銃声のようなパンパンと言う音が聞こえた。逃げ惑う人や警官のような人影が走り回っている。流れ弾にでもあたったらやばいと恐る恐る様子を見ていたら、DVDの詰まった箱を持って逃げる人がいて、それを警官が制して床にDVDが散らばったりして、パンパンという音がしているのだ。

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 さらに警官がDVDの店の商品を床にばら撒いているの見て、段々状況がわかってきた。警官が海賊版のDVDを押収しているのだ。息子はチャンスとばかりにカメラを持って地下に飛んでいった。野次馬根性はオヤジと変らないようだ。

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 しばらくして興奮した面持ちで戻ってきた息子が報告してくれた。チーフらしき男が中々のハンサムで(写真の右)、2階から発せられる黄色い声に手を挙げて答えたり、女の子がそばに来て記念撮影が始まってしまったとのことだ。警察の手入れにイケメン警官との撮影会なんて、フィリピンらしくて面白いものだと思った。

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警官とその手下の私服の人たちが大量の海賊版DVDを袋に詰めて意気揚々と引き上げていく。それを撮影するテレビ局のカメラマンとおぼしき人たち。息子は良い経験をしたと満足げだった。

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 この話をお産直後の相棒のジェーンに話をしたら、ことの真相を話してくれた。彼女いわく、「海賊版DVDは100ペソ以下で1030本くらいの映画が見れるので、映画館では閑古鳥がなき、どんどん閉鎖されている。これでは映画俳優や映画関係者が食いっぱぐれると、政府組織として、Video Regulatoryが組織されAnti Piracy(海賊版撲滅)の活動をPNP(国家警察)やNBI(国家調査局)の力を借りてやっている。この組織の前の会長は、今Vice Presidentに立候補しているエド・マンサノ(大統領候補ギボ・テオドロの相棒)。この日イケメン警官と思ったのは、今の会長で同じく映画俳優のロニー・リケだから、女の子がキャーキャーと騒ぐのは当たり前なのだ。また、明日になれば、また何も無かったように海賊版のDVDがならんでいるわよ」

 たしかに、これだけ全国津々浦々に広まった海賊版DVDの販売網を簡単なことではつぶせないだろう。それに貧しい人々が多いフィリピンで格安で楽しめる海賊版DVDを取り上げてしまういかにも可哀想だ。映画関係の方々には申し訳ないが、海賊版DVDを庶民から奪い取ることには私は反対だ。

 

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