SRRV預託金を使ったコンド購入の事例 2014年3月1日


SRRVクラシック・プログラムで退職ビザを取得し、いざ、その預託金を使用してコンドミニアムを購入して、預託金を引き出す段になって、コンドミニアムの開発業者がPRAの要求する書類を用意できないで、預託金の引き出しができないという事態が発生している。

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完成間近のSMDC開発のJAZZ、マカティのサルセドビレッジの間近の好立地に開発された巨大プロジェクトだ

PRAは退職者の保護のために下記の条件を開発業者に課しているが、この条件を開発業者がクリアーできないのだ。参考ブログ「コンドミニアムの所有期限が50年?2013年11月11日」参照。

 売り手の名義で個々のコンドミニアムユニットのタイトルCCT)が存在すること

 180日以内にタイトル(CCT)を買い手名義に変更するとともに、PRAの許可なしに勝手に売買できないという趣旨の裏書をすること

PRAは購入対象のコンドミニアムは価格が5万ドル以上、かつ居住可能であることという条件を課している。この居住可能ということは物理的にコンドミニアムが完成しているとともにタイトル(CCT)が売り手の名義で存在しているということである。

新規開発のコンドミニアムは、それが完成してからCCT発行の手続きが開始される。したがって、コンドミニアムを見に行って、例えそれが出来上がっていても、PRAの定義する居住可能だとみなすことはできない。さらにPRAはユニットのタイトルを180日以内に退職者名義に書き換えるという覚書(Undertaking)の提出を求めているが、種々の事情により、開発業者は、それに対応することができない場合がある。

一方、未完成のコンドミニアム(Pre-Selling)を購入する場合、タイトル(CCT)が存在していなくても、そのプロジェクトがPRAに認定(Accredit)されている場合に限って購入することができる。PRAは、開発業者から履行保証書(Performance Bond)などの提出を求め、退職者が安全に購入することを確認したうえで認定している。

したがって、退職者が、預託金を使用してコンドミニアムを購入する場合、事前にPRAに相談して、この物件を購入可能かどうか(タイトルの存在しているか、あるいは認定されているかどうかなど)確認してから購入を決定する必要がある。開発業者あるいはエージェントはタイトルの不在やその他の不利な条件を明らかにせず、売らんかなの姿勢でせまる。契約後、いざPRAに書類を提出する段になって、開発業者は、いつまでたっても書類をそろえず、いたずらに時間を浪費することになる。挙句の果てには支払い済みの予約金や契約金の一部が宙に浮いてしまうことになることさえある。

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コンドミニアムはいまだ建設中だが、一階にはすでにSMのハイパーマーケットなどが開業していた

事例1」 退職者のさんはマカティの一等地に建設された財閥系の開発業者から約600万ペソで60平米のユニットを購入することにした。ユニットは完成しており、いわゆる居住可能なユニットだ(と思った)。支払い条件は100万ペソを6回、最後の2回分の支払いにPRA預託金(5万ドル)を使用するつもりだった。予約金は即刻支払った。

エージェントには当初からPRA預託金利用の旨を伝え、PRAの要求する書類を用意するよう指示した。しかし、エージェントからは何のコメントもなかったが、書類の提出は一向に進まなかった。そうこうしているうちに2ヶ月が経過し、2回分の支払いを行った。

そして、PRAに提出する書類の発行を強く迫ったところ、その時になって初めて、PRAの要求する書類、すなわちタイトルやその移動(180日以内)の覚書を発行できないと言い出したのだ。しかし、このときはすでに売買契約書の署名を行い、2回分、200万ペソの支払いも終わっており、後の祭りだ。開発業者/エージェントはさんから支払いが行われるまでこの事実をひた隠ししていたに違いない。

さんは、しかたなく、そのまま支払いを続け、ユニットの引渡しも完了した。そして、すでに全額を支払い、ユニットも引き渡したということで、PRAに5万ドルの引き出し許可を要求しているが、PRAとしても規則から外れた状況での5万ドルの引き出し許可の発行に頭を痛めている。

開発業者がPRAに要求に添えないのは、コンドミニアムは完成しているものの土地の名義が関連会社のもので、その移動に難航しているためだ。税金の問題も絡んでいるかもしれない。要は、開発業者は他人の土地に建てたコンドミニアムを売却したもので、厳密には違法行為ともいえるかもしれない。PRAは、そんなことがないようにいろいろ規則を設けているのだから、是非、事前に相談してほしいと強調している。

事例2」 退職者のさんは、やはり居住可能なユニットを大手開発業者から購入を決めてエージェントにあとの手続きを依頼して帰国した。PRAとも事前に相談し、予約金を支払う前にPRAの要求する書類の提出を求めた。2~3日もあれば書類は準備できると開発業者は豪語していた、それが1ヶ月たっても音沙汰がない。挙句のはてに、件のユニットは他に売却したので、別のユニットを購入してほしいと通知してきた。確かに予約金を支払っていないので、強く文句も言えない。

しばらくして、今度は、書類の準備は正式に予約が行われてからでないと、実行できない。まずは、予約金を支払え、と言ってきた。確かに道理なので、予約金を支払った。そうしたら、要求した書類のほとんどはPRAに提出済みだからと、Pre-Selling(未完成物件)用の書類にさんのサインをもらうよう求めてきた。PRAのそのことを確認に行くと、確かにその開発業者の物件で認定されているプロジェクトはあるが、この物件は認定の対象外とのこと。PRAからそのことを伝えてもらうと、開発業者は前の書類は撤回して新規の書類を送付すると伝えてきた。

そして次に開発業者が言ってきたことは、PRAへの書類の提出は、開発業者がやるから、PRAへの申請書だけにさんの署名をもらってこいという。どうも何かPRAが要求する書類をそろえられない事情があるようだが、さんが物件の購入を決意してから、すでに半年近く経過してしまい、さんもいい加減うんざりしている。挙句の果てに開発業者からは、書類の準備の遅れを棚に上げて、契約金の支払いが遅れていると文句を言ってきて、踏んだりけったりだ。

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ハイパーマーケットの周囲には多数の店も開いているが、人影はまばらだ。外は建設中の防御ネットが張ってある

新規物件を購入する場合は、居住可能という言葉に惑わされず、タイトルを即刻提示できるか、あるいはPRA認定の新規物件を購入すべきだ。あるいは、中古物件で、すでにタイトルが存在する物件が間違いがない。ただし、中古物件の場合、タイトルの移動の手続きや売買/登記に伴う税金の支払いを買い手が行って、タイトル移動のトラブルを避けるという注意が肝心だ。

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