ドテルテ大統領の麻薬撲滅作戦も一段落したのか、かつては連日一面を飾っていた麻薬関連の記事が最近はめっきり影を潜めている。一方、麻薬密売人や中毒患者を刑務所に閉じ込めておくだけでは、留置場は横になるスペースも無いという状況で、先の見通しが無い。そのため、ヌエバエシア州のマグサイサイ陸軍基地内、10ヘクタール(10万平米)の敷地にゆくゆく一万人を収容する更正施設の開所式がドテルテ大統領を迎えて行われた。すでに80万人の中毒患者が自首しているそうだが、ドテルテ大統領にとっては麻薬撲滅作戦の集大成だ。中国、ロシアに近づいて親交を深め、超法規殺人とドテルテ大統領を批判するアメリカ大統領もトランプ政権に移行するとあって、まさにドテルテ大統領に追い風が吹いている。どこかの財閥との癒着で政権の座を追われようとしている大統領とは大違いだ。
私のベッドの上で四六時中携帯にいそしむKIAN
一方、我が家でも中毒患者に手を焼いている。KIANがまさに携帯(スマートフォン)中毒(Celphon Addic)なのだ。学校と塾に行っている時と寝ている時以外は、片時も私の携帯を手放さず、夢中になって、U-チュウブやゲームに一喜一憂している。食事中や車に乗っているときはさすがに止めるが、おかげで私は、常にバッテリーをチャージして、学校や塾の出迎えに携帯がいつでも使えるようにしておくのが重要任務となってしまった。しかし、携帯を与えてさえおけば、ご機嫌なので、こんな手のかからないことは無い。
はつはな亭で食事の前後も携帯を離せない。この日は雨でKIANはレインコートを着ていた
空き時間のほとんどを携帯に費やしているために、とんだ波及効果が出始めた。その1.宿題をやらずに、後で後でを繰り返すばかり、 その2.学校に行っても授業が身に入らず、先生からも小言があった、その3.学校の宿題の紙を隠して、あたかも宿題が無いと両親をだます、その4.両親の風当たりが強いので夜は寝るまで私の部屋で携帯にいそしんでいる。そして私が教えた言葉「I can not survive without Celphon」を繰り返して、その正当性を主張している。
KIANは家ではいつも裸だ、携帯さえあればそれで良いのだ
そんな状況に、育休中で家にいるパパ・カーネルの堪忍袋の緒が切れ、宿題をいやがって親に抵抗するKIANの腕を縛り上げて、パパ・カーネルの机の横に立たせた。そのうえで、「デラ・ロサ国家警察長官に連絡を取ったから、逮捕にやってくる」とKIANを脅したが、長官はパパ・カーネルの同僚でもあるわけで、KIANにとっては想像を絶する恐怖であったに違いない。静かに立っているから、手だけは解いてくれと懇願して、泣きながら机の横に立ち続けた。「立たされる」とい言葉は、私の子供のころの懐かしい言葉で、先生に叱られて、廊下に立たされた悪がき達を思い出した。
パパ・カーネルに逮捕されたときは、こんな顔をして泣きじゃくりながら突っ立っていた
その時たまたま、私が立たされているKIANを目撃したのだが、パパ・カーネルのお仕置きと察して、救いの手を差し伸べることは控えた。しばらくして事務所に行ってみると、鼻水をすすりながら、アティ・キムの横で宿題をやっていたので、パパ・カーネルの許しを得たらしい。「二度と繰り返しません、携帯は宿題を終えてからやります」などと侘びを入れたそうだ。しかし、事件からしばらくして、KIANは、なんと私を悪者に仕立てて、私がそそのかして携帯をやらしていると両親に言い訳したのだ。そのため、ママ・ジェーンから、私に「是が非でも協力して欲しい、このままではKIANがだめ人間になってしまう」と訴えてきたのだ。
こんな顔をされると全く抵抗力を失ってしまう私だ
とんでもない濡れ衣で、たしかに放任していたことは認めるが、その辺をコントロールするのは親の責任のはずだ。そこで私は、もっぱら携帯をスケジュール管理とインターネット閲覧に使っていたのだが、その両方が不調になってしまったので、ママ・ジェーンに携帯を渡して、携帯の保有をギブアップした。これで、とやかく言われることはあるまいが、夜、KIANが私の部屋に寄り付かなくなってしまったのは、さびしい限りだ。しかし、パパ・カーネルが育休(なんと2ヶ月)を終えて、勤務地のイザベル州に戻るまで、KIANとの時間を彼にたっぷり楽しんでもらうためには丁度良いだろう。これでKIANの携帯中毒事件は一段落だが、ママ・ジェーンは子供だからとて容赦しないので、私の後ろ盾を失ったKIANに抵抗する術はない。
しかし、KIANのこだわりの生活は、果てしない。以下、KIANの日常だが、いたるところに中毒症状が見られる。
ペトロン・ガソリン・スタンドでガソリンを満タンにすると250ペソの追加でスーパーカーのおもちゃがもらえる。KIANの至福の瞬間だ
学校で行われたポケモン仮装大会に出席するKIAN
ポケモンはフィリピンでも社会現象になっている
ドンボスコスクールの下校風景、KIANの出迎えが私の日課だが、ここのところ育休中のパパ・カーネルの役割となっている
スクーターの練習でバランスをおぼえたKIANは、自転車の補助輪をはずしたら直ちに自転車を乗りこなすことができた、そろそろ自転車を買い換えるころかも
KIANはフレンチフライと日本のせんべえ菓子(柿の種など)に目が無い
月水金の4時過ぎから喫茶店で行っている英語の家庭教師のメイ先生の前でもベーコンに食らいつくKIAN。そのため夕食を食べられなくなるので禁止措置がとられた
日清のシーフード・カップヌードルはフィリピンへのお土産の定番だが、健康によくないとせいぜい週一回程度に制限している
食べ放題のトンヤン(焼肉とシャブシャブ料理)では、KIANはここぞとばかり何杯もアイスクリームをおかわりした
英語の歌を器用にこなすKIAN。当方としてはピアノの演奏に早く夢中になって欲しいのだが
妹クッキーの一ヶ月の誕生日。KIANは意外と甘いケーキには興味を示さない
チョコレート・カフェの帰り、100ペソの新札10枚を与えたら、心の底から喜びをあらわにしたKIAN。どもうKIANは金銭中毒でもあるようだ。この後、KIANは二人のヤヤに100ペソずつ与えたそうだが、丁度、携帯のロードが無くなったヤヤ達は大喜びだったそうだ
もう少し、躾をしっかりしたほうが良い・・・
習い事には熱心なようだけど、基本は家庭だと思います。
私立小学校でしょ、そんなんじゃバカにされるよ!
メイド付きだから、ますます甘える。※母親の背中も、家事をしていない。
途上国だと、子どもだけでの外遊びが難しいですね。