買い物所


先日、ショッピーのオンライン・ショッピング・サイトで発注したキャデラックとジープのレゴは、模造品なので中国から発送され、時間がかかる。待ち蹴れないので、フィアット500の純正品を大枚7000ペソをクレジットカードで支払って購入した。純正品ならマニラにストックされているので、数日で届くはずだ。しかし、どういうわけかキャデラックとジープが届いてもフィアットが一向に届かない。キャデラックとジープの組み立ても終わって、発注から10日ほどしてやっと届いたのが、なんと黒い袋にピンクの小さなゴムのバネが一個だけだった。しかし、伝票はしっかりついていて、ショッピーのサイトのお知らせを見ても配達済みとなっておりその確認を求めてきている。 荷物を受け取ったヤヤも何がなんだか訳がわからないで、そのまま受け取って天日干しにしてあった。私が、それを見てキアンと事の次第をきいて、やっと詐欺にあったのだと認識できた。そこで、ショッピーのサイトを良く見ると到着確認の他に返却ないし返金のアイコンがあって、さらに理由は「商品が届かない」として空の袋の写真とピンクのバネの写真を送った。他に商品が気に入らないとか、壊れているとか、部品が不足しているかなどあるが、この場合、あきらかに意図的な詐欺行為であるので、売り手との議論の余地はない。こういう事態にどうショッピーが対応するか、この辺がオンライン・ショッピング・運営サイトの腕の見せ所と、ちょっと楽しくなってきた。 息子の話によると、ショッピーは個人の売り手も商品を掲載することができて、この手の詐欺が横行しているらしい。したがって、商品を購入する時は売り手を吟味して評判の良いところから買わなければならないとのこと。さらにCOD (キャッシュ・オン・デリバリー)が原則とのことだが、当方は現金がなく、ATMで引き出しにいくことも出来ず、さらに配達員からお釣りをもらうのはコロナ感染防止の観点から望ましくないということで、クレジットカードを使って前払いせざるをえなかったのだ。 その日の内にE-メールで返答が来て2日間売り手から反応がなければ自動的に返金を承認するとのこと。文面からショッピーの売り手への支払は、商品の到着と受取を買い手に確認してから行なう仕組みになっているようだ。私の商品が届かないというクレームに対しては何のコメントもないので、コンピューターでの自動返信のような気がする。 空の袋だけでは売り手も議論の余地もなかろうと思うが、案の定、何も連絡も無しに2日間は瞬く間にすぎた。3日目の夜中に、返金を決定してすでに私のクレジットカードに返金したというお知らせがオンライン・サイトに来ていた。夜の12時過ぎだから、どうもこれもコンピューターの仕業らしくて何のお詫びもない。しかし、ここまでは順調に推移したのだが、最後の詰めとして本当に返金が実行されるかどうかだ。 よく月曜日、早速クレジットカードを発行しているバンク・オブ・コマースの馴染みの支店長にお金が戻ったかどうか問い合わせたが、支店ではクレジット・カードの記録にアクセスできないので、カスタマー・サービスに連絡を取って欲しいとの返事。私の苦手な電話での問い合わせなのだが、やるしかない。 携帯では音声が途切れるのでランドラインを使って、キアンのオンライン授業が終わった午後から意を決して問い合わせに挑戦した。案の定、自動音声でこの場合は1番、あの場合は2番、と私の苦手なアメリカン英語で流暢に早口でまくし立てる。何回かかけてようやく生の声にたどり着いて、長々と状況を説明して、記録を調べてくれたが、まだ返金の記録はないと言う。たしかに日曜の早朝にショッピーから返金の通知が来て、まだ月曜だから無理かもしれない。しかし、この電話での問い合わせを繰り返さなければならないというのはなんとも苦痛だ。 一方、ショッピーのオンラインサイトを眺めてみると、件の詐欺士の出展が相変わらず掲載されている。ショッピーとしてこのようなけしからぬ輩を排除するという姿勢はないようで、マニュアルにしたがってこのようなクレームを処理するだけらしい。その後、サイトを覗いてみると本件に関して新たな通知が来ていて、返金には7~14営業日が必要とのこと。最初の通知ではすでに実行済みとあったが、とんでもない実行済みだ。これでしばし憂鬱な電話をしないでも良いのでほっとした。 11月13日追記:そして14営業日が経過して、いよいよサービスセンターに電話した。あそこまで返金するとアナウンスしているのだから、すでに返金されているのであろうが、それでもまさかの時に、返金されていないとしたら、支払をストップするなどの対抗手段がとれない。その後、それを取り返す努力は多大なものになって泣き寝入りということもあるだろう。そうなるとたかが7000ペソとはいえ一生の不覚として一生忘れられないメモリーになる。ということで、電話をしたら、前回の翌日には返金されてたとのこと。案ずるより生むが安し、ということわざのとおりだった。 ところで、レゴの組み立てについては、キャデラックとジープに取りかかったが、両方とも純正品に引けをとらない、部品は完璧であり、出来上がりも部品がぽろぽろ落ちてしまうこともなく完成した。模造品であるので、キアンはキャデラックの組み立てには全く興味を示さず、私だけがじっくり取り組んで完成することができた。ジープは平日は携帯の使用を禁止されたキアンが暇をこいて、取り組んでたったの2時間で終えてしまった。感想は、模造品を嫌っているので、ためらいながらも完璧と評していた。 したがって、次回はキャでラックの片割れとジープのミリタリー・シリーズのヘリコプターと戦車を注文した。模造品なので3台でもフィアット一台の3分の2程度の出費だった。 レゴは組み立ててしまえば私には用がないので、キャデラックのピンクのレゴを見て、目を輝かせていたクッキーに進呈することにした。その喜びようはたとえようもないが、2~3日すると、キアンが組み立てた小さなジープを見て、しきりに欲しがっていた。なんとも欲張りな女の子だ。また、ココがレゴの部品を口に入れる恐れがあるので、部屋にレゴを置いてはいけないというオフレがママ・ジェーンから発令されたが、禁止事項を発令するのが趣味のようだ。 思い切って純正品を買って詐欺に出会って、懲りてしまったので、これからは安い模造品で十分と割り切ることにして、懐の心配が和らいだ。一方、レゴはほっておいても手に入るので、買い物好きのキアンは任天堂のゲーム機に狙いを定めており、クリスマスを指折数えて待っているようだ。そういえば10月も末で、あと1ヶ月ちょっとすれば、12月で一気にクリスマスムードになる。しかし、年内に封鎖が解けて、外出可能になってクリスマスギフトを買いに出かけることになる見込みは薄そうだ。そうなると相変わらずオンライン・ショッピングの世話になるしかないので、ちょっと気が重い。

レゴに挑戦 その3 商品が届かない 2020年10月20日


最近はリトル東京という名前の方が通りがよいが、その隣のマカティ・(シネマ)・スクエアは空手などのスポーツ教室や音楽教室、それに沢山の携帯ショップがあって、私にとってはなじみの深い庶民的モールだ。週三回のキアンの出迎えで、午後、ドンボスコ・スクールに車で向かうのだが、最近、ウオーター・マートの駐車場がいつも満車で、しかもクリーク・サイドの駐車場が閉鎖されて使えない。仕方なく、はじめてマカティ・スクエアの地下駐車場を利用した。地下3階の駐車場から上がっていくと、地下2階のショッピングモールが大変興味深いものであることを再認識した。一方、ここの半分くらいのスペースを占めていた超庶民的デパートが、ここ一年ほど閉鎖されていたが、現在改装中で再開されることが期待される。 まずは地下2階、ここは射撃場があるせいか、その階には本物の銃を売っている店が軒を連ねる。また、その関連グッズを売る店が並んで、バッグ、衣類、ナイフ、などすべてミリタリーないしポリス仕立てだ。さらに、車や真空管のアンプやレコードプレーヤーなど愛好家にはよだれの的だろう。 なんといってもこんな街中に射撃場があるというのが驚きだ。 射撃場の反対側にはアーチェリーの練習場まである ショーウインドーにそれとなく並べられているピストルはすべて本物だ ミリタリー/ポリス・グッズが豊富に陳列されている ナイフ等のサバイバルグッズも豊富だ  マニア向けの人形たち  車やバイクの模型もマニャックだ 最近日本でもブームとなっている、なつかしのレコードプレーヤー 真空管アンプも健在だ 地下一階は、一般庶民むけの品揃えで、おもちゃ、アクションカメラ、古着(Ukai Ukai)、スナック屋台、古風なレストランなどが並んでいる。かつて軒を並べていた海賊版のDVDを売る店は、ほとんど姿を消した。しかし、日本人と見ると、あちらこちらから、DVD、DVDと声をかけてくる。興味を示すと店の奥から出してくるのだが、どうも表向きには販売できないらしい。ちなみに大分前に買い求めたアダルトビデオは、すべてぼかしの入っていない無修正版だった。 ちょっとマニャックなおもちゃ屋さん たこ焼きがたくやきになっている […]

マカティ・スクエアはマニアと庶民の買い物どころ 2017年10月16日



リトル東京からパソンタモ通りを通りひとつ、北に向かったマービン・プラザの一階にあるのが樹海とテッペンだ。ここが刺身や寿司を提供する和食レストラン、並列するテッペンは韓国と日本の食材を提供する食材店だ。ためしにKIANを土曜のピアノのレッスンの後、午前11時ごろに樹海に連れて行ったら、大のお気に入りとなってしまった。一方、水曜のピアノのレッスンの後、午後4時ごろ行ったら、開店は5時なのであきらめようとしたら、KIANは一時間でも待つと言い張るくらいのものだった。しかし、一時間は辛いので、他を探しても、この近辺で開いている和食レストランはほとんどない。仕方無しに新宿ラーメンで食事をしたが、私のお目当ての刺身が貧弱で、しかも高い。しかし、KIANはエビフライさえあればいいので、それなりに満足していた。この時間に開いている店は、あとは、日本食材店と併設されている山崎くらいなものだ。ここはどう見ても一杯めしやで、定食とどんぶりもの、それにラーメンが中心で、安いのでかなりはやっているものの、刺身や寿司のメニューが無いのが、私にとっては致命的だ。 ビルは老朽化が進んでおり今一だ ちょっと奇妙な名前で、初めは足を踏み入れる気にはならなかった マービン・プラザと言えば、1989年、私がフィリピンに乗り込んで子会社運営を乗り出したときに入居したビルだ。当時からすでに老朽化していたビルだから、現在は相当なものだが、マカティスクエアの賑わいの拡大のおかげで、一階はかなりの店が入居している。当時、賃料は平米70ペソ/月、約900平米をかりて、総額63000ペソと、広めのコンドミニアム一ユニット分にしかならず、隔世の感がある。一年足らずで出て、近くの新築のクイーンズ・コートに移ったが、当時はこの界隈の和食レストランと言えば、新宿ラーメンともう一軒くらいしかなくて、4年間、毎日新宿ラーメンで昼食をとったいた。そんな新宿ラーメンも20軒近い和食レストランに押されてローカル客主体の和食もどきレストランに成り下がってしまったのがさびしい限りだ。 開店直後で客はまだいない店内。平凡だが落ち着いた店内 そんな中で、現在、ひときわ光っているのが樹海だ。平凡な店作りだが、刺身と寿司のメニューが豊富で昼食、夕食時はいつも満員だ。比較的安いので、ローカルの客も多い。大分前に、選挙の前日、ここだけはアルコールを提供していたので、行ってみたら、ローカル客であふれかえっていたことがある。ちなみに選挙前日は、アルコール類の販売は禁止となっている。 KIANはこの座敷がお気に入りだ  掘りごたつの中で携帯で遊ぶのがKIANの癒しのときだ KIANの注文するものと言えば、どこへ行ってもエビフライ定食だ(260ペソ)。そして私は、刺身の5点盛(430ペソ)と決まっている。それにビール2本(60ペソx2)で、それにシニアシチズンの割引があってで、700ペソ程度と、極めて安く済むのがありがたい。 私の定番は刺身の5点盛、ライス無し KIANの定番、エビフライ定食 食事の後は、テッペンで韓国製のアイスクリームを買うのがKIANの楽しみだ。テッペンは新鮮野菜や、乾燥わかめ、お茶、削り節など業務用の大袋入り食材もおいてあり、他の日本食材店とは一線を画している。 毎日新鮮野菜が入荷する 広々とした店内には韓国と日本の食品が並ぶ 品定めをするKIANだが、買うのはいつもアイスクリームだけだ […]

和食レストラン樹海と日本食材店テッペンの紹介2017年10月8日


KIANはアイスクリームに目がなくて、100ペソあるいは200ペソもするカップ状のアイスクリームを一人で平らげてしまう。ブランドはクッキーandクリームに限定される。したがって私は近所のコンビニ、セブンイレブンかミニストップに頻繁にアイスクリームを買いに行く羽目になる。そのため、最近は、そこかしこのコンビニに詳しくなった。その中でもセブンイレブンは出店の数で圧倒している。我が家から、マカティスクエアさらにドンボスコまでのパソンタモ通り、たった1kmの間に5店のセブンイレブン、そのほかにローソンが2軒、ミニストップ、ファイミリーマートが一店づつある。まさに、日本の一昔前のコンビニの出店ラッシュのようだ。 我が家の至近距離にあるセブンイレブン、ここでは毎日のようにお世話になっている マカティスクエアのセブンイレブン、ピアノのレッスンの帰りにはご褒美としてアイスクリームを買う 同じく、我が家の近傍のミニストップだが、品揃えはセブンイレブンにかなわない 新規に出店したローソン、中は、日本資本を思わせるしゃれた感じだ ドンボスコの前にあるファミリーマートはKIANの水泳教室の帰りの定番になったが客足は今一だ  セブンイレブンやミニストップはマカティ中心地、サルセドビレッジなどにも出店を続けており、公文のある場所からPRAまでの間、5分ほど歩く間に2店のセブンイレブンと1店のミニストップがある。おかげでKAINはアイスクリームを買うのに事欠かない。 セブンイレブンの攻勢は地方で顕著だ。先日、2週間ほど滞在したタバコ市ではセブンイレブンが2店出店しており、毎日アイスクリームを買いに行った。KIANの好みのアイスクリームはセブンイレブンにしかおいていないのだ。驚いたことは、近くのバカカイ・ビーチに行ったおり、こんな田舎の街にもセブンイレブンがあったのだ。品揃えはマニラの店と一緒で、昔ながらのマーケットの横にマニラと同じ立派な店構えの店が出現していた。 KIANは右手のカップ状のアイスクリームを一人でたいらげるせいか、最近は少々太り気味だ。そこでママジェーンから禁止令が下った KIANの糖尿病の恐れから、最近はコーンのアイス一個に制限している  マニラ新聞の記事によると、セブンイレブンは店舗数は全国で2000店に達しており、ミニストップの493店、ファミリーマートの81店、ローソンの30店を圧倒している。店舗数のシェアは63%に達しており、売り上げは317億円、ミニストップは85億円とこれも圧倒している。セブンイレブンは1984年に一号店を開業して以来、2010年に500店、2013年に1000店の大台に達し、そして2017年には2000店目をオープンした。しかも、2017年度は410店の出店を計画しており、まさに、日本の一昔前のコンビニの出店ラッシュのようだ。 セブンイレブンはフィリピンセブン社(PSC)が運営し、日本の資本は入っていないようだが、この10年で株価は0.67ペソから169.9ペソの300倍に跳ね上がり、かつてのジョルビーのように、フィリピンにはまだまだ投資チャンスがあるようだ。 従来、フィリピンのコンビニといえば、スナック菓子と飲み物だけとうイメージで日本のコンビニとは比較しようがなかったが、最近はサンドイッチやホットドッグ、チキンのから揚げなど、簡単な昼食も取ることが出来る。店にはテーブルが並べられて、コンビニで簡単な食事を取ることが若者のトレンドにもなっているそうだ。 スナックがコンビニの定番だったが最近は品揃えが豊富になった 飲み物もコンビニの定番、酒も売っている […]

セブンイレブンの隆盛 2017年4月30日



今年に入ってから、ジェーン夫妻一家がサンタロサのアウトレットに行くといって家を空けることが多くなった。ラグナのサンタロサといえばタガイタイの入り口、かつての工業団地ブーム、最近の住宅ブームで大きななモールもできているのは知っていたが、わざわざマニラから出かけていくほどのところではない、というのが私の認識だった。彼らは、昼ごろ出かけると、夜の8時過ぎまで出かけっぱなしなのだが、アウトレットでブランド物を安く買えるとしても丸一日過ごすにはかったるいはずだ。 ある日、私も重い腰を上げて同行することになった。マカティの南、約30km、高速道路で30分走るとサンタロサに到着する。ここは、メトロマニラの南のラグナ州にある高級ベッドタウンだが、大規模モールが続々と営業を開始していた。目当てはアヤラモール、そこには高級ブランド品のディスカウントショップが多く、ルスタンデパート系のRED-TAGなどでは70~80%引きという掘り出しものまであるそうだ。広大な駐車場は無数の車であふれ、ほとんどの客はメトロマニラからやってくる中産階級以上の人々で、日本から進出している山頭火ラーメンやかつ空などで高価な食事を楽しんでいる。ユニクロなども出店しているが、メトロマニラ周辺の庶民はモール・オブ・エイシアなど行き、マニラッ子は新鮮な空気と高級かつ格安なショッピングと食事を楽しみにサンタロサへ行くのが最近のトレンドなのだそうだ。 確かにモールを散策する人々は豊かそうでモール・オブ・エイシアを歩いている人々とは一線を画するものがある。そういえば、ジープニーなどの公共交通機関は皆無で、すべて自家用車で家族連れでやってきている。ジェーン一家も紛れも無く高級マニラッ子一家なのだ。そして、これらのマニラッ子はSMモールに足を運ぶことは少ないようだ。 広大な駐車場は高級車で朝から満杯だ スペイン系財閥アヤラの名を誇らしげに掲げるモール 建物は2~3階の低層で、ゆったりとした緑の空間を確保して、都会の高層ビルの圧迫感はない さらに子供が走れ回れる遊び場も確保している KIANも等身大のチェスに夢中だ モールの奥には子供の遊技場やショーの施設もあり、一日中遊ぶこともできる 夜になれば、若者たちでにぎわうに違いない アディダスなどのブランド店が軒を連ねる ナイキのアウトレット 品定めに夢中のアティ・キム ここはなんと言ってもディスカウントが売りだ ルスタン系のディスカウントショップ、red.tag(赤札堂) […]

サンタロサはマニラッ子の買い物のメッカ 2016年12月7日


当たり前のところには、自分たちで行くから、自分たちだけでは行けないようなところに案内して欲しいというちょっと変わった案内を頼まれた。すなわち、フィリピン人でも憚れるようなスコーター(スラム)、下町などにいたく興味があるというご夫婦だ。 そこで、ジェーンの兄、アランに案内を依頼して、彼の知り合いが住んでいるというパサイ市のマリバイ、トラモ地区のスコーターエリアに向かった。フィリピン人にとっても、つてなしでスコーターに入るのは危険きわまりない行為なのだ。 普 通の通りから一歩はいると、川沿いにスコーターは広がっていた。海岸や河岸は防災の関係で、一定の範囲は国有地となっている。そこを違法に占拠(スクワッ ト)しているのがスコーターだ。国有地は誰のものでもないから、危険な思いをしてあるいは非情に追い出しに躍起となる役人はいない。 スコーターだからと言って、皆が皆、悪い人ばかりとは思えないが、行くところがなくなってたどり着いた人も多いから、そこの住人以外にとっては、危険人物が多いのだ。特に、日本人がつてもなくて入り込んで行ったら、そのまま出てくるのは至難の技だろう。 中に入ってみると外見とは裏腹に部屋の中は意外とこぎれいにしている。また、洗濯物がやたらと干してあり、フィリピン人の清潔好きは、ここでも感じられる。同行した、奥さんは、慣れればここでも暮らして行けそうと感想を漏らしていた。皆、なつっこそうに、ものめずらしげに、こちらを眺めている。なかなかかわいらしい少女もいて、ジャパ行きさんの故郷を見る思いだった。 ジャパ行きさんと親しくなって、結婚の申し入れに実家を訪ねると、そこはスコーターでショックを覚え、別のところに二人の家を構えると、家族一同が移り住んできてしまった、などという話が現実味を帯びてくる。 消防車などは、中に入れるはずもないので、一旦、火事が発生したら、自然に鎮火するまで手の施しようがないと思う。特に、この辺は、上へ上へと積み木のように部屋が伸びているので、上階の人は逃げようがないだろう。どういうわけか、ここのところスコーターの火事が目立つ。 ちなみに、案内をしてくれたアランの知り合いは、本当の話かどうか知らないが、ヒットマン(殺し屋)で、警察でも一目を置いている悪だという。しかし、我々の足元を気にしたり、気のよさそうなおじさんだった。 バクララン スコーターはバクラランに近いので、その後、バクラランの商店街に向かった。ここは、南のカビテ県の玄関口で、人々でにぎわう。ここにあるのが南のあめや横丁の商店街だ。無数の一坪ショップが軒を並べ、衣料品、靴、バッグなどを売っている。入り口には、北のキアポ教会の向こうを張って多くの信者を集めるバクララン教会があり、奥手はLRT(高架鉄道)の終点だ。 トンド 次の向かったのが、東洋一といわれるスラム街のトンドだ。ここも無数のバラックが立ち並び、一種異様な雰囲気をかもし出している。もともとここは、港の荷物、あるいはマニラ首都圏のゴミ捨て場、スモーキーマウンテンがあったところで、そのゴミを糧に生きている人々がスラムを形成しているのだ。 キアポ […]

スコーター潜入 2015年4月7日



 こちらで子供の教育のために母子で暮らしている方のご両親が孫の顔を見にやってきた。観光には興味がないというので、ボニファシオ・グローバル・シティとアメリカン・セメタリーで近代フィリピンの勃興を視察、そして、ショッピングをエンジョイしてもらおうと掘り出し物のメッカ、グリーンヒルを案内した。 日本料理の老舗、きんぷらで食事をした後、ちょっと先の入り口から入り、早速値段交渉の決戦に臨んだ。プラダのバッグ、4個、コーチのバッグ5個など、威勢の良い買いっぷりだ。大体、言い値の半分で交渉すればよいと指導しているが、敵も限界に近づくとてこでも値段を下げないので、その辺が折り合いとなる。 先日、私が衝動的に買った5.11ブランドの時計が再びテーブルの上に置かれていた。確か1200ペソで買ったはずだが、値段を聞くと大柄のオカマがなんと4500ペソだという。とんでもないと反応すると瞬く間に値段が下がって、1100ペソ、2個で2200ペソで買うことができた。 そして、一番奥の突き当りを右に折れて、しばらく真珠の装飾品の店を眺め、突き当りを右に折れると再びバッグやかばんの店が並んでいる。そこにはかなりの数の時計屋があり、ショーケースにはいかにも高そうな時計が収まっている。 ブランド名はオーディマ・ピゲとパティック・フィリップ、スイスの最高級腕時計のブランドだが、それに比べるとロレックスやカルティエはただの普及品で、ショーケースに束になって並べられている。ここに陳列されているのは従来のクラシックなものではなくて、いかにも現代的で重厚なデザインだ。         まず、右側のショーケースのHUBLOTという、あまりなじみのないブランドの価格を聞いてみた。そうしたら、2万ペソ(45000円)という答えが返ってきた。45000円といえば、普通に買っても高級腕時計だ。それで、本物かと聞いたら、レプリカ(復刻版)だという。 普通、ショーケースに並んでいるのが、Aクラス呼ばれ、500-1000ペソ程度だ。最近は流行の大型の時計がロレックスやカルティエをしのいでいる。こちらが本気と見て取ると、店の中からケースも持ち出して、AAA(トリプルA)と呼ばれる品物を出してくる。これが2000-3000ペソくらいで、本物と見分けがつかない。だから、このレプリカと呼ばれる品物の2万ペソがいかに破格かわかる。 そして、左のショーケースのオーディマ・ピゲやパティック・フィリップの値段を聞いて、開いた口がふさがらなかった。なんと45000ペソだというのだ。約10万円、私が生涯購入したことのない値段の腕時計だ。これこそ本物かと聞いたら、当然のことではあるが、レプリカという答えが返ってきた。本物なら、300万ペソ(約700万円)だそうだ。700万円といえば、高級車一台分だが、そのレプリカが10万円したとしても不思議ではない。しかし、そんなもの作る人が世界のどこかにいるというのが不思議でならない。たぶん、中の器械まで本物と寸分違わないのだろう。ひょっとしたら本物の横流し品ではないだろうかとさえ思う。 ところで最近、私が成田の空港のガチャガチャ(100円入れてレバーを引くとカプセルに入ったおもちゃが出てくる器械で、数十年前に私の子供たちが夢中になっていたやつ)で買ってきたおもちゃの時計をKIANがうれしそうにしてる。そこで、ショーケースの外に並んだ安物の時計に目をつけた。値段は、最低100ペソから。KIANにおもちゃのような時計はにあわないからカシオのGショックを450ペソにまけてもらって買った。家に持って帰ってきて良く見たら、本物と見分けがつかない精巧な出来だ。アナログとデジタルの両方がちゃんと機能して、ストップウオッチも使える。これまた、本物の横流しではないかと疑いたくなる。

10万円の高級レプリカ腕時計 2014年1月26日


カラバオはフィリピンの国の動物に指定されており、フィリピンの農村に欠かせない光景だ。実際、現在も、地方では水田耕作の主役である。水さえあれば、草だけを食べて、経費のかからない効率的な労働力で、糞は肥料にもなるから、究極のエコ・マシンだ。ちなみに一頭の子供が1万ペソくらいで買えるが、あとは一切の経費はかからない。おまけに、子供を生んで増えてくれるから、こんな重宝な家畜はいない。 農場の主だったカラバオ(水牛)。赤ちゃんを作ると期待されたが、意外と高齢だったようで、昨年死んでしまった  農場にも一頭のカラバオがいて、田んぼの耕作に従事していたが、昨年死んでしまった。それではフィリピンの農場らしくないと、今年、あらたに一頭の子供のカラバオを買い求めた。なんとか、子供を増やして、一頭から4頭にまで増えた牛のように農場の名物にしたいと思っている。カラバオは使役に使う有用な動物なので、カラバオの肉というものは市場には出回っていない。しかし、田舎で一度、カラバオの乳あるいはヨーグルトとというものを耳にして、なんとか試してみたいと思っていた。 カラバオは力持ちで、よく働く、農家には欠かせない存在だ   先日、マム・ジェーンがうれしそうな顔をしながら、明日はインドカレーを作ってご馳走すると、近くのインディアン食材店でカレーの材料を買ってきた。また、さらにカラバオ・ヨーグルトをカレーに混ぜると、おいしいと、5cmほどのカップ一つを25ペソで買ってきた。そして、ついにカラバオ・ヨーグルトを食する機会に恵まれたのだ。カレーの味も良かったが、カラバオ・ヨーグルトは、まさにあの、プレインヨーグルトの雄、明治ブルガリア・ヨーグルトそのものだったのだ。フィリピンのスーパーで売っているヨーグルトはすべて、何らかの味がついていて、しかもご多分にもれず甘くて大人が食することができる代物ではない。  最近購入したカラバオちゃん。大人のメスはおばあちゃんと区別がつかないから、子供なら間違いないというわけだ  大分前の話になるが、私がPRAで働いている当時、Uさんという目が不自由な申請者の面倒を見た。その方を農場に招待したのだが、Uさんはプレインヨーグルトに果物の刻んだのを混ぜて毎朝食べたいので、なんとかプレインヨウーグルトを手に入れるよう頼まれた。それでヨーグルと探しが始まったのだが、ようやく発見したのが、日本食材店のはっちんで、あの明治ブルガリアヨーグルトを発見したときは、感激ものだった。  はっちんのヨーグルトの棚、この日は、プレインヨーグルトは品切れだった  そのほかにも、我が家にしばらく逗留した山本のぶ子さんもプレインヨーグルトが安くて、効果的な美白剤としてつかえると強調していた。先日はっちんで買ったときは270ペソ。600円もしたので、そうは浪費するわけにはいかないし、品切れが多くて、常食には難しい。しかし、小さなカップ一つで25ペソならば、少しづつ買って毎朝の食卓に利用できる。 パソンタモとバグチカンの角から50mほど東に行ったところにインド食材店TAJがある  そういうわけで早速、試し買いにいったのだが、パソンタモとバグチカンの角から、東に向かって、50mくらい、我が家からは至近距離にTAJというインド食材店はあった。店は雑然としていて、スパイスの匂いが充満している、いかにもインドというたたずまいだった。 品物の並べ方は、日本の食材店に比べて、いかにも貧相だ  冷蔵庫にはナンの生地が並んでいたが、ヨーグルトらしきものはどうしても見当たらない。店の人にに聴いてみたら、冷蔵庫の中から鍋状のいれものを出してきて、そのなかに作りたてのカラバオ・ヨーグルトが入っていた。これをプラステックの容器に4杯分(100ペソ)を移し変えてもらったが、必ずしも安い食品ではない、というか、貴重品なのだからしかたがないかもしれない。 冷蔵庫も今一だ   ヨーグルトといえば長寿国として知られるコーカサスなど牧畜を営む地域のの主要な食物だったと思うが、日本の納豆や漬物など、これら発酵食品はすこぶる健康に良く、メタボに悩む現代人類の味方だ。糖尿病予備軍の私の食卓は、毎食、納豆と味噌汁と、ご飯が少々、おかずは適宜だ。毎食、これでは、少々寂しいので、2~3日に一回はサイカに行って、ちらし寿司を食べる。おかげで、体重は70Kgとコンスタントで、血糖値も120前後と正常だ。 […]

カラバオ・ヨーグルトと地鶏の卵 2013年6月11日



あのワタミとユニクロがいよいよフィリピンに上陸した。ユニクロや有名レストランチェーンが海外に活路を求めて世界へ進出しているというニュースは大分前から耳にしていたが、フィリピンにもようやく目が向きはじめたようだ。先日報告した、ラーメン屋の山東火もその一環だ。  この日はH夫妻をマニラ案内し、是非モール・オブ・エイシアにも連れて行って欲しいと仰るので、当方としてはワタミとユニクロを見つけることを課題とした。世界第3位のの規模を誇るモール・オブ・エイシアの巨大さをいまさら語ることはないが、その広さゆえに、その辺の店員や案内所で聞いても、誰も知らないのに往生した。  何とかワタミを探し当てたが、そこはマニラ湾に面する一等地で、毎週、金曜と土曜、7時から行われる花火の見物には絶好だ。 中は、広々清潔で、高級感があふれる。時間が早いせいか、空席が目立つが、花火がはじまる7時ごろは満席となった。客層はいろいろで、特に日本人が目立つこともない、ターゲットはちょっと高級志向のフィリピン人のようだ。 ワタミとはご承知の通り和民と書くが、これは私の本名だ。なんの断りも無しに他人の名前を使ってけしからんと思っていたが、名前は登録標章でもないので、文句をつけるわけにも行かなかった。私は、この名前を60年以上背負って生きてきているので、元祖であることには間違いないのだが。しかし、このワタミが私のしょばであるフィリピンにまでやってきたのだから、一言挨拶があっても良かろうかと思う。後の祭りだが、いっそ、パスコではなくて、会社名をワタミとしておけば、フィリピンでこの名前は使えなかったはずだ。しかし、フィリピン人をこの店に案内して、冗談で「私の店です」なんて紹介するのも面白そうだ。 なかなか美人ぞろいのウエイトレスは、とても気がきいて、てきぱきと動いている。可愛いと思って、ちょっと見つめたりすると、すぐに寄ってきて、「何か御用ですか」と聞かれて、照れてしまう。さぞかし厳しいトレーニングが行われたもの推察されるが、出てきた料理はしっかりと日本の味を維持している。他のフィリピン人向け和食レストランの日本食もどきとは一線を画している。 7時になったので、食事を中断してとりあえず花火見物。下の写真は決して線香花火をさかさまに掲載したものではない。  メニューは日本人にはちょっと平凡で、ただの刺身やてんぷら、焼き鳥などが並んでいる。日本の居酒屋では目を見張るような創作料理が並んでいるが、そんなものを並べてもフィリピン人には猫に小判だろう。価格はモール・オブ・エイシアの一等地にある割には安い。 食後、ユニクロを探したが、こっちは簡単に見つかった。かなり広い売り場面積で、こんなスペースが、まだ空いていたのかと思うくらいだ。 女物が多くて、ちょっと日本との比較がしにくかったが、商品価格は日本と同等だと、同行した奥さんが教えてくれた。そうなると日本とくらべて物価が4分の一程度(昨今の円安で、もはや5分の一とはいえなくなった)のフィリピンとしては、かなりの高級品と言える。ちなみに、790ペソや990ペソのポロシャツは、フィリピンではかなり高いと感じる。

ワタミとユニクロのフィリピン進出 2013年4月14日


  浅田さんのコンドテルの視察の招待で、久しぶりにバギオを訪問した。前回の訪問は2009年の台風ぺペンの被害調査に同行した時なので、実に3年ぶりだ。 まず、驚いたのがNLEX(北ルソン高速道路)沿いの休憩所のレストランの充実ぶりだ。SLEX(南ルソン高速道路)に比べて、大分出遅れていたが、今ではそん色がない。      バギオの滞在は、たったの1日なので、観光地の訪問はできなかったが、マーケットの訪問は必須だ。ここはいつでも人であふれ、お土産屋がしのぎを削っている。 狙い目はイチゴジャムなどの瓶詰め、そして生のイチゴだ。イチゴはちょっと高めだが、上段に飾られている大粒のものが良い。マニラではちょっと手に入らない逸品だ。家に持ち帰って洗うと、まさに新鮮で輝いてさえいる。 以下は、2月にのぶ子さんをバギオに送った際のもので、この時はカーネルのしぶしぶの許可を得て、のぶ子さんお気に入りのキムが同行した。帰り道、ケノンロードの入り口にある展望台で。運転役のボボイも初めての経験だ。 帰り道のパンガシナンの名物はバゴオン、ニンニク、玉ねぎ、そして干し魚だ。とても安いので、大量に買い込んだ。ちなみにここの赤い玉ねぎはニンニク程度の大きさだが、フィリピンでは調味料に使うので、大きな白い玉ねぎよりも高価なのだ。

久しぶりのバギオ訪問 2013年3月29日