ACR(Alien Certificate of Registration=外国人登録証)の怪 2018年7月1日 1


ブログを前のように月に10編くらいは載せようと張り切っていたものの、土日も含めて全く時間がとれない。今日の話題は専門的過ぎるきらいはあるが、フィリピンに滞在する方に共通の話題なのであえて掲載することにした。

ACRとはAlien Certificate Registrationの略で日本語なら外国人登録証にあたり入管(Immigration)で発行される。9g(通称ワークビザ)、9d(通称投資ビザ)、13a(通称配偶者ビザ)あるいはクオータビザなどの長期ビザを持っている場合、保有することが義務付けられている。入出国に際して提出を求められ、再入国許可証の取得にも必要である。銀行で口座を開こうとするとパスポートの他にこのACRの提示を求められ、それが無いと相手にされない。だからフィリピンに来て即口座を開こうとしても不可能なのだ。

今回のブログの主人公のACR

しかしながらSRRV(Special Resident Retiree’s Visa)あるいはSIRV(Special Investor’s Resident Visa)などではこのACRの取得は免除され、代わりにそれらのビザ発行の窓口となっているPRA(Philippine Retirement Authority)あるいはBOI(Board of Investment)が独自にIDカードを発行している。したがって、これらのビザを所有している場合、ACRといわれたら、PRAないしBOIのIDカードを出せばよいのだが、地方の銀行などでは馴染みが無いのでACRを出せと執拗に迫られる場面がある。

9a(ツーリストビザ、あるいは入国ビザなどと呼ばれる短期ビザ)でも2回目の延長(入国の際30日の滞在許可が与えられ、それが一回目の延長で入国から59日、その後2ヵ月後との延長で、最長3年まで滞在できる)の際に数年前よりACRの取得が義務付けられた。

一見面倒なだけなのだが、とんだメリットが隠されており、ツーリストビザで滞在していても2回の延長でACRをとれば銀行口座が開設できるということになるのだ。一回目の延長(59日)は入国直後でも可能であるが、2回目の延長(+1ヶ月ないし2ヶ月)は入国から少なくとも3週間程度の滞在は必要とされている。

さて本題にはいるが、SIRVを申請中の方がDBP(Development Bank of the Philippines)本店に送金のための口座開設に出向いた。BOIからはEndorsement Letter(紹介状)を発行してもらっており、SRRVと同様パスポートさえあれば簡単に送金用口座が開けると思っていた。しかしながら開口一番ACRを出せと迫ってくる。当方としてはこれからビザを取ろうとしているものがACRがあるはずがなかろうと食い下がるが、誰が出てきてもACRの一点張りで埒があかない。

DBP本店の外観、SRRVの預託金の送金先としてもおなじみの銀行だ

きびすを翻してBOIに戻って担当にことの経緯を話すと初耳だという。内部的に調査して、DBPと話をつけるからしばし待って欲しい、という頼りない話。

そこでなんとか直ちにACRを取る手立てはないものかと調べたが、最近、Voluntary Registrantというものがあって59日以下の滞在でもACRを受け付けているという情報にたどり着いた。この制度はSRRVやSIRVなど、ACRの取得が義務付けられていなくても申し込むことによってACRがもらえるというものでなんとも今の状況に即した制度だ。

ボランタリーということでSRRV保持者でも取得が可能となっている

(出典:http://www.immigration.gov.ph/faqs/acr-i-cardより)

ならばBOIの話を待っている間に同時並行的にACRの取得をトライすることにした。まずは入国ビザを59日に延長して、同時にACRを申請した。要した費用は約7000ペソ。しかしながらその受領には2~3週間かかるという。その間、何もしないでただひたすら待つのも辛いし、申請者は予定があったので一旦帰国することにした。しかし、一旦出国してしまって、そのACRを受け取れるものなのか、甚だ疑問がある。しかし、直感で受け取れると判断して出国することにした。なお、申請者の話では、出国の際、「ビザ延長を行って、何故直ちに出国するのか」と入管に質問されたそうだが、母親の急病ということで切り抜けたそうだ。

イントラムロスの入管の本庁はいつも外国人でにぎわっている

そして再入国してACRを何事もなかったように受け取って、鼻高々にDBPに提出した。そして送金の要領ももらって無事にオンラインで送金を行い、預金証明を発行してもらってSIRV(暫定)の申請にこぎつけることができた。

その際、BOIにACRの件は、かたがついたかと質問すると、まだ話し合い中だという。そのため、この1ヶ月SIRVの申請者は皆無だったそうだ。DBPは中央銀行(BSP)のお達しだというが、BOIが確認したらBSPはそんなお達しは出していないとのこと。

SRRVでもっぱらお世話になっているBOC(Bank of Commerce)の支店長に聞いても、そんな馬鹿な話はないという。もしもSRRVの申請に於いても送金用の口座を開くためにACRが必要などということを銀行が言い出したら、その銀行を使う人はいなくなるだろう。SRRVに於いては件のDBPのPRA口座に送金するという手があるから申請する退職者にとっては選択肢というものがある。BOIとDBPは同じ政府機関で親戚のようなものだと思うのだが、なんとか協力してもらえないものだろうか。そうでなければせっかくのSIRVも実質的に機能しないことになる。

ちなみにVoluntary Registrantに発行されるACRは赤色で、DBPはACRでさえあれば、黄色でも白でも赤でもなんでもかまわないようだ。ちなみに通常のACRは黄色だ。後日、証券会社で住所証明として期限切れのACRを提出してOKとなったが、確かにACRは役にたちそうだ。

ACRは10種類あってビザごとに色が違っていて一見してその外国人の滞在ステータスがわかるようになっている

(出典:http://www.immigration.gov.ph/faqs/acr-i-cardより)

 

 


Leave a comment

Your email address will not be published.

One thought on “ACR(Alien Certificate of Registration=外国人登録証)の怪 2018年7月1日

  • kujira

    本題がSIRV申請者の銀行口座開設の段取りのようですが、BOI やPRAのIDカードを取得後も新たな口座開設にはACRは必要なのでしょうか?
    別の銀行にドル口座を開きたいと考えているのですが・・銀行によるのでしょうか?
    またACRの代わりにAEP(ALIEN EMPLOYMENT PERMIT, tin#の記載あり)は使えるのでしょうか?