Yearly Archives: 2015


最近、ビジネスチャンスをうかがってフィリピンに滞在される若い方が増えてきた。不動産取引、英会話学校、コールセンター、日本語学校、人材派遣など、日本の会社あるいは個人との取引を仲介したり、サービスを提供する業種だ。ビジネスに当たって、会社を設立したり、個人的に活動したり、その形態は様々だ。 フィリピンでは、外国人の活動が制限され、ほとんどのビジネスでは、会社の60%の株式(マジョリティ)がフィリピン人に保有されていなければならない(土地の保有もこのようなフィリピンマジョリティの会社に限られる)。ちなみに小売業/レストランの場合は100%がフィリピン資本でなければならず、したがってすべからくフィリピン人の名前を借りて営業をしなければならない。当然のことながら、両者も代表者(社長)等は、フィリピン人となり、このことが多くのトラブルを生む原因になっている。 そうなると、日本人は、会社の代表として、あるいは、小売営業などでは経営者として表に出ることができない。会社組織の場合は、少なくとも役員として経営者の一角と占めることはできるが、小売業では、被雇用者として参画するのがせいぜいだ。そんな法的制限により、日本人が、裏でビジネスを切り盛りするという違法まがいの状況が発生してしまう。 また、一方、会社あるいは個人として政府に登録しないとビジネス行為を行うこと禁止されているので、不動産仲介などにおいて、個人的な活動でに利潤を得ることはできない(フィリピン人の間では、かなり一般的に行われているようではあるが)。ただし、個人の所有するコンドミニアムなどを賃貸する場合は、特に登録しなくても大目に見られているようだ。ただし、最悪、賃貸料にVAT(付加価値税)を課せられる可能性はある。 フィリピンで仕事をする場合、6ヶ月以内であれば、入管からSpecail Work Permit(SWP、特別労働許可証)を取って就労することができる(3ヶ月有効、一回に限り延長可能)。それを超える場合は、労働雇用省(DOLE)からAEP(Alien Employment Permit 外国人就労許可証)を取得する必要がある。さらに、AEPを取得して9gビザの申請中はProvational Work Permit(PWP 暫定就労許可証)が発行されるが、3ヶ月有効で延長は不可)。これは、フィリピンの会社に雇用される場合であるが、会社の経営に参画する場合も原則同じことだ。 これらは、フィリピンに滞在するためのビザ(査証)とは別物で、SWPの場合は、9a(入国ビザ/ツーリストビザ)でOKだが、AEPを取得して長期に就労する場合は、9g(Pre-Arranged Employee Visa 就労ビザ)などの長期ビザの取得が前提だ。ただし、この場合のAEP-9gは、フィリピン人では代替できない高度な技術、日本人でなければできない仕事(日本語の教師、和食の板前など)に限られ、誰でも取得できるわけではない。要は、フィリピン人の仕事を奪うような単純労働者の受け入れを防ごうという狙いだ。 […]

不法就労の落とし穴 2014年7月19日


子供のころ、車(初代トヨタ・コロナ)を父が購入し、家に新車がやってくる日、家の前の道路で心待ちにしていた。やがて、向こうの角から新車が曲がってくるのが見え、一同歓声をあげて新しい家族の一員を迎えたことを、今でも鮮明に覚えている。 KIANも新しい車がやってくるということは十分認識しており、当日は、親子でトヨタの販売店に車を引き取りに行った。うわさは耳にしていたものの、ある日、突然、7月中にトヨタFJクルーザーがデリバーされるとジェーンから聞かされた時はびっくりした。お金の相談は、全く無かったので、彼ら夫婦の勝手だが、どこからそんな金をやりくりしたのか見当が付かない。      車両価格は180万ペソ、優に500万円を超えるので、頭金だけでも100万~150万円はかかっただろう。それに月賦が4~5年間、4~5万ペソをはらい続けなければならない。給与レベルが日本の10分の一といわれるフィリピンでは、まさに家を買うほどの覚悟が必要なのだが、かれらの車に対する執着は並大抵ではない。 頭金の資金調達のためか、翌日、カーネルの友人が訪ねてきて、三菱のモンテーロを引き取っていった。5年乗って、73万ペソで売ったそうだが、新車価格は120万ペソくらいだったと思うので、いい値段だ売れた。翌日、彼らの部屋には無造作に73万ペソの現金が袋に入れておいたあった。 最近、ビザを取りに来る退職者が、はじめてフィリピンを訪問したが、街を走っている車が、きれいで高級なのでびっくりしたと感想をもらいしていた。まるで、どこか、アフリカか中南米の国のようにポンコツ車が排煙を上げて闊歩しているのではないかと思っていたが、BMW、ベンツ、ポルシェ、レクサスなどの高級車がそこかしこにあり、日本よりはるかに高級車が多いと。フィリピンと言えば、スコーター(スラム街)とスモーキーマウンテン、それに睡眠薬強盗と保険金殺人くらいのニュースしかないから、そう思っても無理はないかもしれない。 ちなみにFJクルーザーとは、4輪駆動でエンジンはガソリン4リッター、5速オートマティック、ミリタリー調の本格的SUVで、フィリピンで今、一番人気といえる、急増中の車だ。4ドアだが後ろのドアは外に取っ手はなく、中から開く観音ドアーというユニークなものだ。前のドアが開いていないと開くことができず、後ろのドアが真ん中のポストの役割を果たしており、意外とゆったり乗降ができる。 ちなみに街を走っている車は、三菱モンテーロ、トヨタフォーチュナー、ホンダCRV、それに欧米メーカー(BMW、ボルボ、フォード、クライスラーなど)や韓国(現代や起亜)のSUVないしFamily Carと呼ばれる3列シートの車が、半数を占めていると言っても過言ではない。道路冠水が頻発し、大家族のフィリピン人にとっては、これが重宝なのだ。 カーネルは職業柄か、ミリタリー調の車が好きで、できれば、ハマー、Jeep、ランドローバーあるいはランドクルーザーなどを欲しかったらしい。しかし、これらは一千万円を優に越え、さすがに逆立ちしても手がとどかない。そこで妥協したのがトヨタのFJクルーザーだったようだ。 KIANにとっては、派手な黄色のボディカラーが気に入ったらしい。子供達のアイドル、トランスフォーマーのバンブルビィーをイメージさせるからだとジェーンが説明する。翌日、KIANは、幼稚園にFJクルーザーで通園し、先生や園児に「My New Car」と得意になってお披露目したそうだ。私としては、日本からの退職者を乗せるにはちょっと気が引けるところだが。

新車が家にやってきた 2015年7月18日



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最近、食の常識が覆され、今まで見向きもされなかった当たり前の食品が見直されている。カカオ(チョコレート)、コーヒー、バナナ、パパイヤ、ナッツ類などなど、そして、その際たるものがココナッツ・オイルだ。日本でも、今やブームとなっており、その効用が、Yahooのサイトでも頻繁に取り上げられている。 一方、コレステロールや血圧の上限値が上げられ、しかも脂肪の摂取や塩分の摂取と関係がないという考えが主流になっている。このため、数百万の人々が高脂血症や高血圧から解放された。そのため、悪玉の塩や脂肪が無罪となるなど、今まで唱えられきた食の常識が見直されている。そんなときに注目を浴びたのがココナッツ・オイルだ。        先日、日本に帰った折、家族に持って帰ったのが、バージン・ココナッツ・オイルだ。一リットル380ペソ(約1000円)は安くはないが。日本では格安だ。さらに、そのココナッツオイルで作った石鹸は透明でいかにも自然の手作り石鹸だが、肌に優しいと評判の石鹸だ。 10年ほど前、アメリカではバージン・ココナッツ・オイルが高値で取引されており、フィリピンで小さな工場を立ち上げたいとアメリカ人の退職者が話をしていた。その時は、半信半疑で聞いていたが、従来、アメリカでは大豆やコーンの植物油を売り込むために、ココナッツオイルのパッシングが行われ、ココナッツ・オイルは毒物扱いをされていたそうだ。その結果、植物油で揚げられたフレンチフライやポテトチップの食べすぎで、肥満や糖尿病がアメリカそして全世界に蔓延した。ところが、その後、ココナッツオイルの有用性が見直され、逆にブームとなっていたらしい。ちなみにバージン・ココナッツ・オイルとはバージン・オリーブ・オイルと同様、実を絞っただけのもっとも自然な製法によるオイルだ。 フィリピンでは、米を栽培できない斜面など、国土の大半がココナッツの木で覆われていると言っても過言ではない。ご多分にもれず、我が農場でもココナッツの木が100本ほど植えられている。ココナッツの木は、肥料もやらずにほったらかしにしておいても、数十年間、一年中、実をつけ、捨てるところがないというすぐれものの木だ。しかも、強烈な台風がきても、実と葉を落とすだけで、幹は折れず、たくましく生き続ける頼もしい存在だ。 ジェーンの保有するレガスピ市の丘の上の土地から後ろを眺めると延々とココナツ林が続く。農園のココナッツの木は、10年目を迎え、たわわに実をつけている。 ココナッツの若い実は、ブコ・ジュースと呼ばれる透明の液体で、そのまま飲むことができる。ポカリスエットをあっさりさせたようで、まさに天然のスポーツ飲料といったところだ。さらに実を割ると、内側に柔らかなゼリーのような白い実がついており、スプーンですくって食すことができ、ほの甘く子供達のおやつの定番だった。しかし、最近は、ご多分にもれず子供達はポテトチップなどのジャンクフードを好んで食べている。 ブコ・ジュースを売る屋台は街のいたるところで見かける。1個25ペソ、20年前は2ペソだったがずいぶんと値上がりしている。田舎ではこのブコ・ジュースがソフトドリンクのかわりにのどをいやしてくれる。 ココナッツは十分熟すと茶色になり、中は白い硬い実が1cmほどの厚さになる。これを細かく砕いて、そまま料理に使ったり、あるいは、水を加えて絞ってミルク状(ココナッツ・ミルク)にして料理の味付けに使う。また、ココナッツ・オイルもこの実から取れる。南の国の料理と言えば、このココナッツ・ミルクで味付けるのが定番だ。 ココナッツの実は熟すると茶色になり、料理用のココナッツ・ミルクやココナッツ・オイルの原料となる。左の写真は熟して、芽を出しているココナッツの実、右は、マーケットでココナッツ・オイルを絞っている職人さん。 農場の面倒を見てもらっているマミー(ジェーンの母親)にバージン・ココナッツ・オイルが日本で脚光を浴びている話をした。身近にあり、日常、食しているココナッツが、奇跡の食品と聞いて、マミーはご機嫌だった。 その効能と言えば、心臓病、脳溢血、認知症、糖尿病、癌などありとあらゆる生活習慣病に有効で、おまけにインフルエンザやエイズ/肝炎などのウイルス感染、さらにはアレルギー疾患にも効果があるそうだ。さらに、ダイエットばかりでなく、にきびや老人斑などの肌の手入れいにも有効だそうで、特に石鹸やシャンプーなどの薬用品の影響で潤いや感染防止力を失った肌に塗ると若々しい素肌を取り戻せるという。まさに、健康の秘訣、アンチエイジングの秘薬というものだ。 ココナッツ・オイルは中鎖飽和脂肪酸とかいうもので、酸化しにくく、高熱にさらされても変質せず、体の老化を防ぐ抗酸化作用があり、揚げ物に使っても、その効能はかわらないそうだ。価格は一般の植物油と同じ1リットルあたり100ペソ少々だが、バージン・ココナッツ・オイルとなると400ペソ程度にはねあがる。 そのため、我が家からは、大豆油やコーン油は姿を消し、料理用には無味無臭のココナッツ・オイルを使い、ドレッシングや食用にはバージン・ココナッツ・オイルを定番とした。また、以前から、ブコ・ジュースは毎日買い求め常飲することにしており、砂糖たっぷりのソフト・ドリンクは子供達を含めてご法度だ。また、私自身、毎晩、バージン・ココナッツ・オイルを体中に塗って床についている。 […]

奇跡の食用油、ココナッツオイル2015年7月13日


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先日、事務所で、双子の片割れアリア(10歳)がKIANをひっぱだいた。勉強しているところを邪魔をされ腹を立てたらしい。KIANはアリアにスパンクされたと、丁度通りかかったアリアの母親(Mae)に訴えた。Maeはけんかしちゃだめよと軽くたしなめただけだったが、アリアは、一言、”I have reason” とつぶやいた。 ちなみにMaeは海外出稼ぎの募集に応募するために、たまたま我が家に逗留しているのだが、元彼のボボイ(ジェーンの弟)は口もきかず、顔も合わせないようにしている。詳しい事情はわからないが、ジェーンはボボイとMaeの間にできた子供を4人とも預かり、双子はマニラ、下の男の子二人は農場に住まわせ面倒を見ている。なんのことはない、ジェーンと私が4人の子供の面倒を見ていることになる。ジェーンの私への言い訳は、双子はKIANの遊び相手になって面倒見てもらえるから、農場にいる二人の男の子は、将来、農場のCare Taker(管理人)として役に立つから、住まわしてやりたいというものだ。 したがって、私のアリアのつぶやきに対する反応は、”You have reason to spank Kian,but you have no […]

マミーの怒りが爆発した2015年6月14日



5月26日はキアンの姉のアテ・キムの19回目の誕生日だった。昨年は、18歳の誕生日(デブー、女としてのデビュー、あるいは成人式)ということもあってルートン・マカオで誕生会を執り行ったが、今回は、家で質素に済ませた。 昨年の18歳の誕生日と、ヤヤの作ったケーキで誕生日の予行演習をするKIANとキム。 この日の夕方、2階のダイニングに見知らぬ若者が座っていた。不審な顔をすると、向こうは親しげに話かけてきた。キムの友人だというが、そのアクセントから韓国人であることがわかった。そういえば、2~3度、家にやってきたことがある、マプア工科大学のキムの友人であることを思い出した。 内輪のささやかな誕生会ながらも意外ともりあがっている 彼は、キムの誕生祝に駆けつけたのだ。特につきあっているわけでもなさそうだが、思い出したようにたずねてくるのだ。キムに気があるのは明らかだが、フィリピーノのアタックに比べて実に遠慮深い。ジェーンも女子を口説こうと思ったら、彼のようにまずは家族と仲良くなるのが、先決だと、まんざらでもないようだ。 恒例のHappy Birthday to youの歌のあとは、KIANはキムと一緒にロウソクを吹き消す キムには、なにやらハングル文字で書かれたケーキ、それに大きな誕生日プレゼントを持って来ていた。そのプレゼントを開けてみると、大きなリモコン式のヘリコプターだった。これは、どう見てもきKIAN用で、まさに、将を射んとせば、馬を射よ、の諺を地で行っている。スペインの文化を引き継ぐフィリピンでは、家の外でギターを奏でたり、まさに女心をくすぐる作戦に出るところだが、中国文化の影響を受ける日本そして韓国は、ちょっと異なるアプローチをとる。 誕生ケーキにはKIANの名前もしっかりと書かれている。ヘリコプターはダイニングテーブルいっぱいの大きなものだ ヘリコプターについては、コンド街の中ではちょっともてあそぶので、広い農場で存分遊んでもらうことにして、KIANには当分お預けとなった。パーティは、夜中まで続いたようだが、翌朝、KIANは彼を探していた。ヘリコプターの効果は絶大だったようだが、キムの心の琴線に響いたかどうかは、定かではない。

アテ・キムの19回目の誕生日 2015年6月7日


年をとると自然に記憶力が落ちて、物忘れが頻発する。その対処法として、普段、持ち歩く現金、ATMカード、パスポート、携帯、カメラなどなど、すべてポシェットに入れて、これ一つさえあれば生活に困らないようにしている。しかも、それぞれの持ち物は入れ場所が決まっていて、どこかへ置き忘れたなどということがおきないシステムを守っている。さらにまた私が使っているポシェットはPACSAFEというブランドで、ファスナーには留め具がついていて他人が簡単に開ける事ができない、すなわち、スリも手が出せないようなっている優れものだ。バンドの止め具にも別途のフックがついていて、例えは止め具がはずれてもも腰から離れないようになっている。だから、ここ数年、物がなくなったり、置き忘れるということは一切ない(ただし充電中の携帯やカメラを置き忘れることはままあるが)。   パパ・カーネルにガンのおもちゃを買ってもらって、ガンマンを気取っているKIANはもう赤ちゃんとはいえない正真正銘のガキだ それが、最近、日本行きのチケットを購入するのにアテ・キムにパスポート番号を聞かれ、ポシェットを開けてパスポートは出そうとしたら、あるべき場所にパスポートがないのだ。周囲は、どこかへ置き忘れたのか、と聞くが、そこに無ければもはや手の届くところにはないということになる。私にとっては、こんなことは10年に一度あるかないかのことなので、パニックに陥ってしまった。パスポート番号は、コピーを持っていたので、事なきを得たが、パスポートがないとなると、チケットの予約をしても、日本に行くこともできない。だから、再発行や、ビザのリ・スタンプなど、ややこしい仕事が待っていると思うと憂鬱になった。 そこで、どこに忘れたのか、必死に記憶を呼び起こした。普段、パスポートを提出するのは大使館、それに銀行だ。早速、大使館と先日訪問したチャイナ・バンクにメールを入れた。しかし、両方とも「ない」とつれない返事が戻って来た。さらに日誌を見ると、先週、メトロバンクからちょっとまとまったお金を下ろしたので、パスポートを窓口に提出したことを思い出した。早速、出かけていって、調べてもらったが、30分探してもでてこない。そのときの担当者に電話で聞いてもらうと、たしかにパスポートは私にもどして、しかも私がポシェットにしまったのを覚えていると、もっともらしいことを言う。仕方がないので、再度探して欲しいと頼んで銀行を出た。 毎晩、私の部屋で時間を過ごすKIANは夜食に味噌汁にご飯、あるいは塩ラーメンなどをたらふく食べる ところで、ちょっと前に、私の日本行きを、ママ・ジェーンがKIANに告げたところ、KIANが涙ぐんで、私のところにとんできた。そして、日本へ行くなとしがみついて、なんと、私に噛みつ付いてきたのだ。顔を起こして噛みつかれないようにしたものの、攻撃は執拗に続けられ、周囲もびっくりした。そして、その後、私の顔を見るたびに、日本へ行くなと説得を試みている。私としては、日本の家族や兄弟の集まりに参加するのだが、周囲も、KIANがかわいそうだから、日本行きをやめるよう説得を始めた。しかし、いったん交わした約束をそう簡単に反故にするわけにもいかない。そこで、日本に行くのはKIANのお土産を買いに行くのだから、と日本に行くことがKIANにもメリットがあるのだと、フィリピン流説得術を使って納得させようと試みていた。 そんな矢先に、パスポートの紛失事件が起こった。ママ・ジェーンがKIANを問い詰めると、KIANは、「ダダ(私)が日本へ行けないようにパスポートを隠した、しかし、隠し場所は教えない」というニュアンスの話をしたそうで、ジェーンはKIANが100%犯人であると確信した。しかし、パスポートは、ポシェットの一番奥にしまってあるし、そう簡単にわかるはずがない、しかも5歳の子供にそんな知恵があろうはずはないと、私は半信半疑だった。きっとKIANは周囲が大騒ぎをするので、大人をからかっているのだろう。しかし、いずれにせよ、知らぬ間にこんな知恵がついたものだとびっくりした。 毎週、月水金は英語の家庭教師、火木は公文、土曜はピアノ、そして日曜は空手とお稽古事に忙しいKIAN、この日は双子の片割れのアレクサに英語のレッスンを受けていた。アレクサはピアノや空手でもKIANのレッスンの相棒で、ベストフレンドだ その後、スマートフォンのスケジュールを見ていたら、一昨日、マカティ・スクエアのWestern Union(銀行口座無しで海外送金ができるジャパ行きさん御用達の送金システム)で退職者からの送金を受け取った記録が載っていた。これに間違いないと、早速、行って聞いてみたら、あっという間に引き出しからパスポートを出してくれた。これで一件落着だが、KIANには内緒にしておいて、パスポートはどこにあるかと聞くと、相変わらず、おもちゃ箱にしまってあるなどと嘘をついている。

パスポートがなくなった 2015年6月6日



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バイアグラ(成分名:シルデナフィル)のジェネリックが発売され、世の熟年男性に福音となったことは、以前、報告した。バイアグラと同様の薬効を持っているシアリスに関して貴重な情報を得た。それは、シアリスの主成分は、タダラフィルであり、これは、血管壁の弾力性を回復し血管を若返らせるアンチエイジングの特効薬/秘薬であるというのだ。 糖尿病による主要な問題は血流の障害で、糖を過剰に含んだ血液が血管を傷つけ、さらに血液がよどんでいるために体中に血液を循環させることができず、脳溢血、心筋梗塞、壊疽、視覚障害、認知症、前立腺肥大症、などなど、感染によらない疾患、すなわち成人病(生活習慣病)を呼び起こすというものだ。もちろん、食生活の注意は必須であろうが、シアリスを若干(5mgを一錠)、毎日服用することにより、全身の血管がよみがえるという。このことは、全身に十分な栄養、酸素、そして免疫細胞などを送り込むことができて、肉体を正常に機能させることができるということだ。 まさに血の巡りがよくなるということで、不治の病の糖尿病ばかりか、サイレントキラーといわれる高血圧、そしてほとんどすべての成人病(生活習慣病)を克服できるというすぐれものだ。その副作用が、男性であれば、ちょっとした刺激で容易に勃起してしまうという、まさに青春がよみがえるというものだ。こんな副作用は大歓迎だが、一説によると、セックスを頻繁に行う熟年夫婦は、若々しくて肌の色艶もよく、健康長寿を楽しんでいるという。前立腺肥大、癌に罹病する確率もセックスを頻繁に行う熟年男性はそうでない男性に比べて低いという。まさにセックスはアンチエイジングの秘訣だそうだ。秘薬で秘訣、なんとも頼もしい限りだ。 問題は、コストだ。従来のように一錠、1400円もするのでは、とても毎日、服用するのも難しい。しかし、フィリピンではシアリスのジェネリックが販売されているそうなのだ。20mg一錠入が、約800ペソ、5mgなら、約220ペソで済む。これなら十分まかなえる。そこで、ジェネリックの薬屋を数件回ったが、どこも品切れで手に入れることができない。さらにマーキュリードラッグストアに行ったら、同じ値段で、シアリスを売っていた。しかし、こちらは、処方箋がないと売れないと硬いことを言っている。 まさに健康に対する投資だが、近い将来、ややこしい病気にかかって薬漬けの生活が待っていることを考えると、大いなる投資効果が見込めるといえる。ただし、シアリスを飲んだからといって、暴飲暴食に明け暮れたので元も子もない。糖尿病の経験で培った食生活の知恵を今後も生かし続けることは言うまでもない。 人生、死ぬまで健康でいたいというのは誰しもの願いだ。感染症はいろいろな薬が開発されて治る時代になったが、薬ではどうしようもない成人病(生活習慣病)が血のめぐりを良くするシアリスで克服できるというのは、福音以外の何ものでもない。 下の写真はバイアグラ(成分名:シルデナフィル)のジェネリック、これはいくらでも手に入る

シアリスはアンチ・エイジングの特効薬2015年5月26日


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イタリアネスといえば、大きなモールでは必ず見かける本格的イタリア料理のチェーン店だ。値段もなかなかなので、あまり入ったことはないが、ここ、グリーンベルト・ワンの端、パセオデロハス通りのマクドナルドの近くにあるイタリアネスはいつも繁盛している。 この日、ジェーンの招待で、皆で、イタリアネスへ出かけて行った。9人もで食べたら、相当な金額になるのではないかと思ったが、ディスカウント・カードがあるから大丈夫だという。 まず出てくるのは無料のパン。一流ホテルのロビーの食事と同じだが、まずは、これであらかた腹ごしらえができてしまう。もちろん、子供達にはドリンクはなし、アイスウオーターだけだ。KIANにとってはいつもと同じだから不満はない。ただし、私だけはビールを注文する。       ランチタイムならば、スパゲッティとピザのセット(895ペソ)ですんでしまうところだが、夜は、普通のメニューから選ばなければならない。それでもちょっと大き目のものを注文しても倍程度の値段ですむ。16インチ程度のピザとスパゲッティはなかなか食べごたえがあって、9人のお腹を十分くちくしてくれた。したがって、9人でディスカウントもあって1500ペソ程度の出費で済んだ。なんと、一人当たり200ペソにも届かない。 ディスカウント・カードは、2500ペソを支払って買うそうだが、すべての系列店(Bistro Group)で通用し、20~30%の割引が受けられる。ちなみに和民(ワタミ)も系列店の一つだ。さらに只のアペタイザー、コーヒー、なども付いてくるし、いたれりつくせりだ。 イタリアネスの隣にはとんかつ店が開業していたが、これもBistro系列だそうだ。次回、試してみたいと思う。そのあと、しばらくグリーンベルトを歩いてみたが、夜のグリーンベルトは外国人でいっぱいで、ここが一体どこの国なのかわからない。その、真ん中には教会があって、人々が熱心に祈りをささげている。KIANといえば、水牛(カラバオ)の背中に乗ってご機嫌だ。もちろん、このカラバオは本物ではない。

イタリア料理イタリアネスで食事2015年5月24日



Working Visa(9g)あるいはPeza Visa(47(a)2 )などで、フィリピンで働いていて、その後、退職ビザ(SRRV)を申請する場合は、これらのビザは、前もってダウングレーディングと呼ばれる短期ビザ(9a)への切り替えが必要となる。もし、それが終了している場合は、それらの手続きの書類をPRAに提出すればよい。 SRRV申請にあたって、PRAが要求する書類は下記なので、元の雇用会社に依頼して事前に準備しておく必要がある。 ① 9g等のビザの発行の入管の決定書(Order) ② 9g等のビザの切り替え(取消し)の入管の決定書(Order) ③ 所得税の納税申告書(Income Tax Return) 通常、このダウングレーディングは前の雇用主の責任で行われるのだが、雇用契約終了後、ほったらかにされてしまうこともしばしばだ。そのため、ある退職者のたっての依頼で、当方が面倒見ることになった。しかし、それは、退職ビザの取得以上、予想を上回る難敵だった。とにかく、相手が入管であるということがことを面倒にしている。その手順は下記だ。その時々に色々な用紙に本人の署名を求められるので、それぞれのステップの申請ごとに本人同行が必要となる。 ① ACR (Alien Certificate of […]

SRRVの申請準備-難敵ダウン・グレーディング2015年5月24日


現在、SRRV取得のためのPRAへの預託金はDBPのPRA口座に送金するのが一般的だ。現在、申請中の方は、Working Visa(9g)でフィリピンに滞在していたので、そのダウングレーディング(短期ビザへの変更)というややこしい事前手続きを完了して、ようやくSRRV申請にこぎつけた。 預託金の着金の確認や無犯罪証明書の認証などはとっくに済んでおり、ようやく申請書一式を提出したら、PRAの担当が、DBPの預金証明と日本のゆうちょ銀行からの送金票を見比べながら難しい顔をしている。そして口にしたのが、DBPの預金証明には、送金はLand Bank(フィリピンの国営銀行)からされており、それが日本のゆうちょ銀行から送金されたという記載がない。預託金は国外から送金されなければならないので、その証明をLand Bankからもらって来いというのである。 そんなことを言われても、送金は退職者の友人が行い、受け取りはPRAとなっており、私ないし退職者がLand Bankにかけあっても相手にされるはずがない。なにかの間違いではないのか、あるいは、PRAからDBPに掛け合って必要な書類を受け取って欲しいと依頼した。一方、退職者に対しては、ゆうちょ銀行が、一体どこを経由して送金したのか、問い合わせて欲しいと依頼した。 PRAのDBPへの問い合わせによると、間違いなくLand Bankからお金は送られてきており、それ以上の情報は得られないという。一方、ゆうちょ銀行は、間違いなくPRAにお金は届いており、それ以上の情報は提供できないとのことだった。 間違いなく、退職者の名前で預託金は入金しているものの、その経由がわからないので、このままではビザの申請は受け付けられないという。銀行間の手続きの問題で、申請ができないという、とんでもない事態になってしまったのだが、要は、預託金の送金経路が、途中でつながらないのという摩訶不思議な状況(ミッシングリング)に陥ってしまったのだ。 こんな時、PRAの担当者のアドバイスは、PRAの財務部門のトップであるフィリップ部長に相談しろというのだ。幸い、フィリップさんと当方は、大変親しい間柄にあるので、相談を持ちかけると、快く応じてくれた。しかし、フィリップさんの尽力にも関わらず、DBPからは情報が得られない。しかし、彼は、Land Bankの担当者に連絡をとり、たしかにLand Bankはゆうちょ銀行と提携しており、ゆうちょ銀行からの送金をLand Bankが中継してDBPへ振り込むことはあるとの情報をうることができた。 さらにフィリップさんは、ビザ発行部門のハビタン部長と掛け合って、フィリップさんのメモを海外からの送金の証拠として、ビザの申請を受け付けてくれることになった。まさに迷宮入り寸前でフィリップ部長の尽力により解決にこぎつけたのだ。 これで、なんとか申請にこぎつけることができたのだが、ゆうちょ銀行からの送金について、今後とも同じ問題がおきかねない。フィリップさんは、Land BankからDBPへ再送金するとき、送金元の銀行を明記する、あるいはLand Bankから海外送金の証明書を発行させるとか、なんらかの仕組みを作らねばならないと話していた。 […]

PRA預託金送金の怪(ゆうちょ銀行使用の注意) 2015年5月24日