台風22号(ルビー)が首都圏を直撃 2014年12月13日


先週、再び、昨年の台風ヨランダ(台風30号)に匹敵する猛烈な台風がやってくるというニュースが流れた。週末にヨランダと同じサマール・レイテ地方に上陸し、そのままビサヤ地方を横断、あるいは首都圏に向かうと予測された。昨年、ヨランダの甚大な被害を経験した大統領は、今度こそはと、広範な避難を呼びかけ、数十万人の人を避難させ、万全を期した。

台風ルビーは、6日(土)、7日(日)には首都圏を通過し、週明けには、平常になるものと予測された。当方としては、週明けに退職者のビザの発行を予定しており、自然災害とはいえ、切羽詰まるものがあった。この退職者のチケットの予約変更のためにフィリピン航空とすったもんだした挙句の果てに、ようやく10日(水)に席がとれてほっとしたという、いきさつがある。

台風ルビーは、上陸寸前に速度を落とし、6日(土)にサマール・ビコールに上陸した。コースが北にずれたために、ビコールの農場も暴風雨圏に入り、停電のため、連絡がとれなかった(ちなみに、強い台風が近づくと電力会社は、あらかじめ、電源を切って停電にしてしまう。台風が過ぎてから、送電・配電設備の無事を確かめながら送電を開始していくのだ)。その日の夕方連絡がとれたが、かなり強い風が吹いたものの、農場の被害はわずかだったと聞いて安心した。

サマール・ビコールを横切ってから、台風ルビーはさらに速度と勢いを落とし、まさによちよち台風となった。そのため、首都圏接近は2日ずれて、8日(月)の夜と予測された。8日の新聞では、ヨランダのトラウマから、政府が住民の避難に躍起になっている報道がなされてた。そして、もっとも恐れいてた学校の一斉休校が報道されており、この日、官庁も全部休みになる公算が大きい。退職者には、10日(水)に予定を変更する際、いつ雨が降るとといって官庁が休みになるかもしれないからと、一日の余裕をみることをアドバイスしたのだが、まさにそれが現実になってしまった。

CIMG7112s-1CIMG7114s-1

それでも念のためと8日の朝、PRAに行って見ると、ドアはむなしくも硬く閉ざされたままだった(右)。ドアの前では日本から着いたばかりの退職者が、ため息をつき、ビルの警備員は、PRAは休みであることを必死にPRA訪問者に伝えていた。新聞は、大被害を予告するニュースを載せている(左)

さらに、よちよち台風は、10日(水)まで居座る公算が強く、9日(火)も官庁は休みになり、10日(水)のフライトも危ぶまれるという。そのため、件の退職者と連絡を取って、フライトを台風が来る前、今日(8日)の午後に変更してはどうかと提案した。この方は、仕事の都合上、どうしても10日までには帰らなければならないというのだ。

フィリピン航空のチケットオフィスに行って相談したが、フライトの変更は可能だが、誰も10日のフライトの状況は予測できない。しかし、ここで気がついた問題は、パスポートがPRAに預けてあって、それがなければ飛行機にも乗れないことだ。しかし、PRAの事務所には誰もいないので、パスポートの入手は至難の業だ。結局、この案もリスクが大きいということで、静観して天に祈るしかないという結論になった。

CIMG7119s-1CIMG7117s-1

官庁が休みになっていつもの交通渋滞がないため、退職者をボニファシオ・グローバル・シティのアメリカン・セメタリーに案内した。まさに都会のど真ん中に位置するここは、ほとんど人もおらず、静かにたたずんでいた。

一方、相棒のジェーンは、こともあろうに、息子KIANを連れてMall of Asiaにスケートに行ったという。こんな時に不謹慎と思ったが、「全国の聖職者が神に祈りをささげて、台風ルビーがよちよちになったのだ」とうそぶいている。たしかに夜半になっても、一向に風も雨も強まる気配はなく、ジェーンは、KIANはスケートの才能があると、喜んでいたが、当方は、台風の動向に気が気ではない。

結局、官庁は、8日(月)何の意味もない臨時の休日を行ったのだが、翌日、9日(火)の朝、運転手のボボイは、今日も官庁は休みだという。ジェーンに聞いても、前日やケーブルTVの故障で情報はないという。しかし、一縷の望みを持ってPRAに行ったら、そこはいつもの通り営業中だった。そうなると今度は、この日の内にビザを発行して、退職者が晴れて、当初の目的を達成し、予定通り、日本に帰れるようにするのが当方の役割だ。相棒のジェーンの大車輪の活躍で、なんとかやり遂げることができ、退職者には大いに喜んでいただいたが、当方の面目躍如といったところだった。

CIMG7113s-1台風の記事に気を取られたが、同じ紙面には、もっと影響の大きい情報がのっていた

結局、首都圏には、何の影響も与えることなく過ぎ去った台風ルビーだが、台風ヨランダのトラウマにおびえる政府は大げさな避難活動を行い、官庁を休みにして、右往左往させられたのは我々外国人だった。しかし、特に在留邦人にとってもっと衝撃的だったのは、この時、1万円が3660ペソという、7年ぶりの安値をつけたことだ。ここ数年、5200~ 300ペソを推移していたので、30%以上の収入の目減りで、実に収入が3分の二になってしまったのだ。

Leave a comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *