アンチエイジングの秘訣(赤ちゃんは天才)その2 2013年10月28日


昨夜、NHKで、人類の起源と心臓病についての番組をやっていた。人類は進化と引き代えに心臓病になるリスクを抱え込んだというものだ。数億年前に高性能ポンプ(心臓)を持って俊敏な行動を可能とする哺乳類が誕生し地球を制覇した。そして、700万年前に人類は2足歩行を開始し、両手を自由に使えるようになり、食料の確保が容易になった。血管の総延長は10万km、地球2週半に至るとが、その隅々に血液を絶え間なく送り続けるという至難の役割を担っているが、2足歩行により、重力のために血液が足にたまってしまう一方、脳への血液を送るために大きな負担が心臓に生じたのだ。

 そして270万年前に急速に脳を巨大化させる代償にコレステロールが血管に沈着して心筋梗塞を引き起こすリスクを抱えた。それにはGCという脳の成長を抑制する物質が関与し、人類はこれを失うことにより、脳が急速に発達したのだが、これが1万年前にはじまった農耕牧畜文化により、動物の肉を食することにより大量にGCを体内に取り込む結果となった。このGCを異物と認識し、免疫細胞が攻撃することにより、血管の内壁が損傷され、コレステロールが沈着し、血管を詰まらせ、心筋梗塞にいたるというわけだ。 

CIMG0397s-4姉のKIMと従妹のIAを抱きかかえて微笑むKIAN。ただし二人といえば、KIANに首を強く絞められて悲鳴を上げている

 損傷した心臓は脳に十分な血液を送ることができず、死に至るわけだが、最近、心臓手術のあとのリハビリテーションにジムのトレーニングが取り入れられているそうだ。歩行訓練等により、第2の心臓と呼ばれる足の筋肉を増強し、血液を心臓へ送り返す機能を高め、心臓の負担を軽減しようというのだ。従来は、心臓の術後といえば安静が第一で、歩くことさえはばかれていたが、まさに逆転の発想だ。心臓が弱いからこそ、静かにしていないで、運動しろということなのだ。 

 さらに、先週、NHKの「ためして ガッテン」で、世界の記憶王の脳のトレーニングが、なんとサイクリングだという、意外な事実を紹介していた。心臓のリハビリに運動、記憶力のトレーニングに運動、何か相反するものが意外と連動しているというわけだ。最近は介護施設でも認知症の予防、老化防止に筋力トレーニングが取り入られているそうだが、これも同じ発想だ。

CIMG0431s-4髪をなびかせスケーターで爆走するKIAN

 人類が700万年前に2足歩行を開始し、手を自由に使うことにより、脳を急速に発達させ、他の動物を差別化し食物連鎖の頂点に立った。そして、ついには文明という武器により地球を制覇した。この原点は手を器用に使うことにある。赤ちゃんは6ヶ月もすぎると、身の回りのものすべてを手にとって遊び始める。そして、彼らの日常は遊びに始まって遊びに終わる。おもちゃは彼らの命だ。こうしている間に脳はものすごい勢いで発達しているのだろう。まさに全身を使って遊びまわることが脳の育成と訓練に欠かせないのだ。遊びやスポーツが楽しいのはそれを彼らが必要としているからで、勉強や塾のために彼らの遊びやスポーツの機会を奪ってはいけない。

CIMG0525s-4あちらこちらにガールフレンドがいるKIAN

 机に座ってABCや123を勉強すること、さらには学校の授業や受験勉強が脳を発達させるだろうか。たしかに出来上がった脳に情報を書き込むことはできても、脳そのものを発達させることは無いような気がする。記憶力のトレーニングにサイクリング、認知症の予防に筋力トレーニングというのが、それを物語っている。子供の脳を発達させるには、好きなだけ十分に遊び回らせることだ。そして疲れ切って寝ている間に脳細胞が合成されるのだ。だからこそ、やんちゃな子供ほど将来は大物になれるのだ。静かで、とても良い子なんて赤ちゃんは、とても将来は期待できない。脳に書き込まれた情報量の差異をテストする入学試験が真の能力を測ることができないのは、自明の理だ。

CIMG9958s-4私の執務机の下にもぐりこむのが大好きなKIAN

 私は、 ウォーキングが血糖値を下げるのに劇的な効果があることを体感し、毎日、歩くことを心がけていた。しかし、マニラの環境がゆえにウオーキングの楽しみを味わえず、2年ほど前に中断してしまった。そして、しばらく前にジムに入会したが、機械の上でひたすら足を動かすことに飽きて、数回通っただけでギブアップした。いずれ引退したら、ビコールの農場で野良仕事に明け暮れるのだから、運動は十分と、それだけを頼りにしていた。しかし、引退は何年先の話になるか誰にもわからない。そうこうしているうちに野良仕事もできないへなへなになっても困る。

CIMG9967s-4姉のKIMの体にあわせてポーズをとるKIAN

 そもそも人類が健康のために運動する、という発想はなかったはずだ。人類の活動は猟や農耕であって、食料を得るために不可欠な行動で、無駄なエネルギーを費やす運動などは子供達の遊び以外ではなかったろう。腹が減るから寝ていたほうがましだ、てなところだろう。だから、子供の遊びのように、アンチエイジングの活動も、楽しくなければ長続きはしない。

CIMG9998s-4セロテープに貼り付けた花札を橋に見立てて車を走らせるKIAN

 そこで思いついたのが、仕事とウオーキングの結合だ。客がいなくて、一人でPRAや銀行に行くときは歩いて行くことにした。平日、混んでいるときは、車で行っても歩いて行っても時間的に大差ない。仕事だから、後回しというわけには行かないし、ただ行くための手段を変えるだけだから、抵抗もなさそうだ。以前、事務所が遠くにあるときは事務所まで毎日歩いた。それが住居と事務所が一緒になってしまい、歩く機会がなくなってしまったのだが、その時も歩くこと自体は苦にはならなかった。明日から早速実行しよう。いつも車で走っている同じ道も歩いたら別のものが見えてくるかもしれない。毎日コースを代えて歩くのも面白しろそうだ。思いがけない出会いがあるかもしれない。

 CIMG9999s-4 KIMに第3の目をつけてもらってご機嫌のKIAN

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