防災科研の調査の最終日、アジア開発銀行(ADB、Asian Development Bank)でのヒアリングに参加した。ADBと言えばマニラにある国際機関の本部だ。台風災害のヒアリングというよりもADBという組織に興味があって内部を見せてもらった。
オルティガスのEDSA沿いにあるADBの建物は1980年代に完成し、オルティガス発展の引き金ともなった建物だ。当時はその威容を誇っていたが、1990年代後半の高層ビル建設ラッシュのおかげで、少々一昔前の建築の感が否めない。
ADBの中庭から眺めた最新鋭の高層ビルが良いコントラストになっている。高所恐怖症の私にとっては9階建てのADB位が丁度良いが。
ADBの会議室群は五つ星ホテルも真っ青なくらい豪華でしゃれている。20年以上たってもこれほどの威容を誇っているのだから、その建設費も莫大なものであったろう。韓国系の建設会社が請け負って長いこと係争でもめていたというが、よほどうるさ型の建設コンサルタントが管理を担当したのだろう。業者は大分泣いたに違いない。
職員食堂も立派、スターバックスなどもあって、外へ出る必要がない。至れりつくせりだ。
職員はすべて個室を与えられ、最適な執務環境で仕事が出来る。各国からの一流の専門家を呼び寄せ、アジアの復興に寄与する活動を行なっている。
中庭に当たる部分は図書室となっており、世界各国の職員のたまり場になっている。西洋人と東洋人が熱心に話し合っている姿を見かけた。
大部屋にいるのはADBが抱える秘書や事務職員の一般職。ここには専門家はいない。入り口での入出門管理も厳重で写真付のIDをその場で作り、つけさせられた。
ところでADBは海外ジョブを担当するコンサルタントが目指す最終ゴールといわれている。アジアの復興事業について色々調査検討し、お金をつけて実行にこぎつけ、アジアの人に貢献するという、とても有意義な仕事ができるところだ。