退職ビザ取得のための外貨送金とジョイント・アカウントについて 2011年6月18日


55日より退職ビザのルールが変更されたことはすでに報告したが、それに伴い、退職ビザ取得に必要なドル定期預金の預け入れ銀行が DBP(Development Bnak of the Philippines)に一本化された。68日にPRADBPの合意書が締結され、今後、新規申請者はDBPに必要なドルを預け入れなければならない(ただし既存のビザ保有者は従来の認定銀行にそのまま預け続けることができる)。しかしながら、今までのように各人がDBPに口座を開設する必要はなくて、DBPに開かれたPRAの口座に預け入れることになる。いわば、PRAに預けるという形になる。

送金方法としては左の用紙に必要事項を記入して、最寄の銀行に持っていって送金すればよい(左の写真をクリックして拡大して見てください、様式はPRAホームページよりダウンロード可能)。

1. 日本からの送金
送金は下記の二つの方法があり、どちらか便利な方法によればよい。

日本の銀行から直接、DBPに振り込む。
 この場合、ビザ申請の際、PRAには日本からの振り込み用紙を提出するだけで、従来のように定期預金証書の写しを提出する必要はない。DBPがチャージする受け取り手数料(最大で20ドル)を余分に送金する必要がある。この手数料で必要な金額に満たない場合は申請時にPRAに支払えばよいとのこと。余分には送金した分の引き出しには、PRA にその旨、文書で申し入れて、引き出し許可証を発行してもらわなければならないので、かなり面倒だ(2週間程度かかる)。入金確認は渡比してから海外送金依頼書などの送金の証拠書類をPRAに提出して確認してもらう。なお、日本から入金を確認するには、誰かマーケッター等に送金書類を送付して確認してもらわなければならない。

日本の銀行からフィリピンの銀行へ送金して、そこからDBPに振り込む
 この場合はPRAにフィリピンの銀行が発行する振込用紙と日本から送金する時に使った海外送金依頼書の両方を提出する必要がある。とりあえず従来のPRA 認定銀行に振り込んで、渡比後、DBPに必要なドルを移動することにより、従来どおり、生活費や申請料を余分に送金して、そのまま普通ドル預金口座として使用することができる。

 が簡単のようだが、今のところDBPへの入金を事前に(出発前に)確認することが面倒という難点がある。余分のドルを送った場合、引き出しも簡単ではない。また、日本の銀行が送金者の個人口座ではなく、PRAの口座に多額のドルを振り込むことに難色を示す可能性もある。

 フィリピンの銀行経由の場合は、事前に個人口座を開設しなければならないので面倒だが、申請料や生活費を余分に送金したり、訪比前に入金を確認することも簡単だ。なお、フィリピンの銀行からDBPへの送金は1日で可能なので工程的には問題とならない(若干の送金手数料はかかるが)。ただし、これらのアレンジはBDOなどの銀行では行わないとのことなので注意が必要だ(私が使っているBank of CommerceではOKであることを確認済み)。以上から、DBPへの送金が軌道に乗るまで、当面の間はの方法によったほうが無難なようだ。

 



929日追記 なお、DBPへの入金後、預金証書の発行に3日~1週間程度の時間を必要としている。したがって、渡比前に海外送金依頼書をPRAに提出して(マーケッターなどに依頼して)、DBPからの預金証書の入手を先行しておかないと、思わぬところで時間を食ってしまう恐れがある。また、ドル送金も渡比の2週間前には済ましておくのが無難だ。

2. 定期預金証書
 PRAからは定期預金証書の代わりとして預金証書(Certificate of Account)がPRAより発行される 

3. 移行期間
 現在は移行時期であるので、下記の処置がとられている。

①55日以前に送金した場合
旧ルールが適用されるので、従来の銀行で発行された定期預金証書を提出することでOK

②68日以前に送金された場合
DBP
が機能していなかったので、従来の認定銀行で発行された定期預金証書を提出し、別途、RPAが定期預金をDBPに移すことを許可する書類に署名して提出する。

③7月某日(現状では未定)以前に送金された場合
DBP
に直接送金する場合と、従来の認定銀行の定期預金証書を提出する場合とが並行して行われる。

④7月某日以降に送金された場合
 従来の認定銀行の定期預金証書は一切受け付けられない。従来の認定銀行に送金した場合は事前にDBPに預金を移し変えなければならない。BDO等はこの処置を行わず、日本へドルを送り返してしまうそうなので要注意だ。また、フィリピンでドルの現金でおろしてしまうと外国送金であることがトレースできなくなってしまうので、DBPへは必ず電信送金をすること。

4. 利子の受け取り
 利子の受け取りについての詳細は未定。 

5. ビザの取り消し等による預金の引き出し
  ビザを取り消した場合あるいは投資により預金を引き出す場合、従来どおりPRAに申し入れて、承認されるとPRAから引き出し許可証Withdrawal Clearance)が発行され、銀行に持っていって本人確認の書類(パスポート)を提示して引き出す。代理人による引き出し手続きも従来と同様。

6. 病気入院あるいは死亡等の緊急時の引き出し
  妻などの肉親等がPRAに申し入れることにより、PRAが妥当と認めた場合は、退職者本人以外でも引き出しを許可するとのこと。しかし、退職者本人の意思に反して、引き出しが行われる恐れもあり、両刃のやいばとなりかねない。また、死亡した場合は原則として相続手続きを経なければ引き出しはできないが、PRAの裁量によりフレキシブルに対応する用意があるとの事。

 そもそも、スマイルプログラムでロックされた2万ドルは退職者の終末に使用されることなっているが、実際問題、どのような形で引き出すことができるのか、その運用が大いに注目されている。引き出しの承認基準を緩めすぎれば、退職者の預金が誰かに騙し取られることになりかねないし、きつくしすぎたら、全く使えないで、最終的に政府が没収することになってしまうかもしれない。この辺は英知を集めて退職者の利便にかなう基準を設定してほしいと期待するが、その解決策の一つが、下記のジョイントアカウントという制度だ。

7. 共同名義(ジョイント・アカウント)の取り扱いと死亡時の有効性、
  預金は従来とことなりPRA口座に預け入れるために、いわゆるジョイント・アカウントという概念は当てはまらない。しかしながら、預金者名が複数(ジョイントアカウント)となっていた場合、退職者が自らの意志のもとに、それらのものが引き出すことを許可しているということであり、6.の両刃のやいばから退職者の利益を守ることができる。引き出す相手をPRAに勝手に決められたのではたまらない。

 なお、法的にジョイント・アカウントの口座においては、一方が死亡した場合、口座の残金は自動的にもう一方の財産になるので(一般的に、預金者の一方が死亡すると銀行は口座を凍結して相続手続きを要求するが、事前に双方の合意書があれば、簡単に引き出すことができる。)、その法律を適用すれば、退職者の死後においても煩雑な相続手続きを回避できるはずである。本件はPRAにて検討することのこと。

76日追記:本日のマーケッターとPRAのミーティングにおいて、上記についてGMからBIR(税務署)との確認が必要としながらも基本的にOKとの回答をいただいた。

 退職ビザ取得のための定期預金においてはジョイント・アカウントの範囲は、フィリピン人の配偶者および退職ビザを保有している配偶者(外国人)に限定されている。しかし、これに当てはまるのは全体の半分以下で半数以上の退職ビザ保有者は独身か単身だ。したがって、ジョイント・アカウントの範囲を法定相続人に広げれば、これら預金の返還が容易で確実となり、退職者の不安を大いに取り除くことができる。これは旧ルールに基づいて行われたPRA認定銀行に預けてある定期預金にも当てはまり、私が「退職者の死の教訓」で報告してきた、相続手続きの難しさにに対する答えとなる。これについては今後PRAにアピールしていきたいと思っている。

76日追記:これについても基本的にOKの回答をもらった。 GMは単にアカウントを連名するだけではなくて、簡単な退職者とPRAとの合意書のような形にして両者が保持するような形にしたいとのこと。また、認定銀行にある既存のビザ保有者の定期預金についてもジョイントアカウントの範囲を広げる方向で考えてくれるとのこと。

 PRA 定期預金以外の預金については誰とでもジョイント・アカウントとすることができるが、これは両刃のやいばなので、妻や子など絶対的に信頼できる人間以外は行うべきではない(時には妻や子も信用できないかもしれないが)。ただ、相続のことを考えた場合は、面倒な相続手続きなしに、速やかに引き出すことができるので、是非やっておくべきである。ただし、引き出しの時に気をつけなければならないことは、一方の預金者が死亡したということを決して銀行に話さないことだ。銀行は、何かとイチャモンをつけて引き出しを妨害するだろう。また、預金の半分には相続税がかかるそうだ。

 

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