コロナ封鎖下、苦節一年、キアンの快挙 2021年3月10日 1


東日本大震災から明日で10年を経ようとして、日本のTVは、その話題で持ちきりだ。一方、マニラ・コロナ封鎖は15日で一年を迎えようとしている。この封鎖で開店休業となって時間をもてあまし、キアンの算数の家庭教師をかって出た。あれから一年近い歳月、ほとんど毎日一時間ほどのレッスンで、ようやくキアンがオンラインテストで満点を取って結果を出してくれたのだ。キアンの喜びようは尋常ではなかったが、それよりも、私自身、よくここまで我慢してやってきたものだと、自分を褒めてやりたくなるほどの感激だった。今年に入ってから、コロナ/PRA/SRRV関連以外にブログのトピックになるような話題はなくて、すっかりご無沙汰していたのだが、ようやく筆を執る気になるニュースだった。参照ブログ「封鎖中はキアンの家庭教師に再就職 2020年4月25日」

昨日の算数(小数点の計算)の結果を見てご満悦のキアン。間違いは赤で示され、緑だけの円は間違いは無し、満点ということだ。私がこの緑だけの円を見るのは初めてのことだ。

昨年、キアンの算数レッスンを開始した当初、九九が完璧でないこと、一桁の+-に指を使うことなど、小学校低学年での算数学習の基礎がなっていないことに気がついた。これは、3年前に私自身が教えることをギブアップしてしまって、家庭教師に任せてしまったのが原因だ。今更、後悔しても始まらないし、もはや手遅れだが、いまや四則演算は計算機がやってくれる時代なのでおおきなハンディになることもないだろう。

日曜のミサもオンライン、キアンも眠たげだ。

4年生の教科書が学校においてあって、封鎖で取りに行けないので、Beastというオンライン算数問題集でレッスンをはじめた。4年生の復習を主に行なったのだが、オンラインなのと、式や計算を紙に書いてやる習慣が不十分なので、暗算で出来ないと、すぐにギブアップして、思いつくままに適当に回答してしまう。キアンは、学校の試験は四択(a,b,c,d)だから、でたらめに選んでも25%は正解となることを知っているのだ。

そこでしつこくしつけたのが、まずは式を紙に書け、そして計算の手順を書いて、回答を導け、決して暗算を頼りにするな、である。一桁の四則演算も暗算でろくすっぽ出来ないくせに、文章問題を暗算でこなすなんて10年早い。また3桁以上の計算になると、きちんと紙に書いて計算できないので、位取りが混乱してしまって、正解を導くことができない。

日本から送ってきた私の妻の手製のアマビエ、なかなかのできと評判で、引っ張りだこで100個近く作ったそうだ。

ここ数ヶ月はキアンが大きらいという分数に挑戦した。足し算引き算に必要な通分や計算結果の約分、私自身、算数に関わる英語がわからないので、その概念を教えるのに苦労した。教科書には詳しく概念を教えてあるのだろうが、その教科書がないので、どうにもならない。

そして分数の掛け算・割り算に進むと、何故、割り算は分母と分子をひっくり返して掛け算をすれば良いのか、なかなか覚えてくれない。その時はテクニックとして覚えても、次の問題に移ると、掛け算も割り算も同じになってしまう。私としても、これは繰り返して叩き込まなければならないと覚悟して臨むのだが、つい、アホかと声を荒げてしまう。

タガイタイでクッキーのスクーターを借りて得意そうなココ。

そうなるとキアンは萎縮してしまって、ちんぷんかんぷんになってしまう。これを脳みそという言葉の連想からみそスープと名づけ、脳みそがみそスープになると、キアンは思考が停止してしまうだ。

バレンタインディのパパ・カーネルからの大量の花束、クッキーだけは横目でにらんで浮かぬ顔だ。

キアンの勉強の敵はクッキーだ。遠慮という言葉を知らないクッキーは算数レッスン中でも平気で、キアンの邪魔をする。時には、私がキアンが算数のレッスンを行なうことを拒否する。強引にやったとしても周囲で大騒ぎするのでキアンの脳はみそスープになって意味がない。

私のメガネをかけて得意顔のココ、やることなすこと何でもうれしいのがこのころだ。

ママ・ジェーンは「クッキーがいたくらいで気が散って勉強ができないなんてことは許されない」と精神論を唱えて、クッキーの邪魔立てを放任した。最近は、さすがにクッキーの邪魔立てがどんなものか、身を持って知ることになり、キアンがオンラインスクールや算数レッスンでしているときは邪魔をしないようにクッキーを注意するが、それにさえ歯向かうクッキーなのだ。

洗濯籠におさまって、これまた、ご満悦のココ、そういえば、キアンも全く同じことをやっていた。

そんなわけで、家庭内で孤立気味のクッキーはパパカーネルが帰宅してハグをしようとすると、「ウイルスがいるから、まずはシャワーを浴びて来い」と怒鳴る。さすがカーネルは冷静にクッキーに従うが、私ならはったおしているところだ。

ちょっとしゃがんでポーズをとるココ。親指をたたんでこぶしを握るのが本来の握りこぶしなのだろうか。

一方、1歳と4ヶ月目を迎えたココは、部屋をヨチヨチと走り回って、周囲の喝采を浴びる人気者だ。私の部屋を訪れるのが大好きで、ひとしきり私の周りのものを投げ散らかして遊んでゆく。しかし、それにクッキーが加わると、わざと叫び声を挙げたり、他人が嫌がることをやる、典型的な嫌われ者役で、私の顔はしかめっ面のままだ。それに対して、クッキーは”I don’t like your face” と怒鳴り、腹が立つこと仕切りだ。それでわたしも、日本語で ”うるさいガキめ”とか ”I don’t like your face also”などとやり返す。

キアンとは区別がつかないほどのそっくりさんのハンサムボーイだ。

話を戻すと、この日キアンは、今日はレッスンを休みにしようという私の提案を拒否して、勉強したいと主張したのだ。いつも逃げ回っているくせに、やれば出来るということを実感して、やる気満々というわけだ。これで、キアンの学業に対する姿勢が確立して将来も安泰というもので、コロナも悪いことばかりではないようだ。


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One thought on “コロナ封鎖下、苦節一年、キアンの快挙 2021年3月10日

  • Mitsumasa Fuji

    フィリピン人の算数苦手なのは昔からのアルアルですね。それゆえ論理的な思考が身に付かずともすれば感情的な言動に走りがちですね。もしキアン君に最低限の計算能力を身につけたいなら公文は如何ですか?もちろんご存じだとは思いますが、費用対効果は期待できるのではないでしょうか。