統一地方選の幕が切って落とされた 2010年3月27日


 510日の統一選挙に向けて、326日、下院議員、知事、市長、市議会議員などを選ぶ地方選の幕が切って落とされた。29日に解禁された全国選に引き続き、44日間の戦いが繰り広げられる。

  全国選がテレビなどのメディアを中心に行なわれるのとは違って、地方選は、地域に密着した選挙戦が繰り広げられるので、よほど面白い。選挙応援パレード(ラリー)あるいは演説集会(パーティ)が中心となるが、それらはまるでフィエスタ(お祭り)のようで、日当をもらってパレードに参加するものや食事や芸能人によるアトラクションを目当てに集まる人々で街は溢れかえる。

 3年毎の統一選は貧しいものにとって大変ありがたいイベントだ。パレードに参加すると5001000ペソの日当をもらえるし、集会では只でT-シャツや食事にありつける。さらに有名芸能人のショーが入場料無しに見たい放題だ。評論家は富が貧民に還元されるいい機会だと評する。人々は仕事をするよりもパレードや集会に参加したほうがよほど金になるから、この期間は仕事をしないでも済む。

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 投票日の前日になると、アルコール禁止になるが、人々は寝ないで夜の訪問者を待つ。地方で500ペソ、都会では1000ペソの現金を持って、特定の立候補者へ投票するよう運動員が各家庭を回るのだ。彼らにとって青いお札1000ペソ札)を手にするのは3年に一度のこの時だけだ。大統領、上院議員、下院議員、知事そして市長から1000ペソずつもらうとすると一人 5000ペソ程度の収入になる。夫婦で1万ペソは貧困層の2か月分の収入だ。しかも投票日は、投票所に食べきれないほどの食事が用意される。だから選挙には、皆ことの他興味をもって、その日を待ちわびる。ちなみに現マカティ市長のビニャイは3年前の選挙で2000ペソずつ配って市長の座を獲得したそうだ。

 解禁日の26日、私の住むコンドミニアムのすぐ近く、マカティのパソンタモ通りとビトクルス・エクステンション通りの交差点、ショップ・ワイズ(大型スーパー・マーケット)の前で、マカティ市長候補、メルカドの選挙応援演説集会が行なわれた。この付近はマカティ市の中心からはずれ、スコーターなどもあり、多くの庶民が居住する人口密集地帯なので、選挙戦の目玉の地域なのだ。選挙ばかりは金持ちも貧乏人も一人一票の重みは変らない。だから立候補者はちょっとしたことで落ちやすい貧乏人を狙ったほうが対費用効果はずっと大きいのだ。

CIMG0190s-4夜の7時、集会場はすでに数千人の人々で埋め尽くされ、立候補者の顔や名前が印刷されたT-シャツを着、チキンやスパゲッティの軽食を手にして応援演説に耳を傾けていた。

CIMG0188s-4 CIMG0167s-4 CIMG0203as-4 CIMG0163s-4  パソンタモ通りを遮断して作られたステージには候補者やその応援者が並んで座っている。後ろには特大のポスターが貼られ遠くからでもよくわかる。さらにステージの横には特大のスクリーンが設置されステージの演説や催し物が中継されている。演説が終わるたびに、ステージの後ろでは花火が打ち上げられいやが上でもお祭り気分を盛り上げる。ちなみにこれらの特大ポスターは耐候性の布地で作られているので、選挙後はスコーターの家の屋根や壁になるそうだ。

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演説は聴衆をあきさせないよう早めに切り上げショータイムに突入だ。演説の内容はわからないが、主義主張というよりも、ほとんどが掛け声だけのようだ。まずはダンサーによる踊り。中々見ごたえのあるダンスだが、選挙とは何の関係も無く、聴衆を喜ばせるだけが目的だ。

CIMG0185s-4この日のショーの目玉はテレビでおなじみのコメディアンの「バイス・ガンダ」だ。かなり有名なコメディアンだそうで、歌や踊り、そしてトークにやんやの喝采だった。中々面白い話をしているようだが、当方には皆目理解できない。ちなみに彼はバクラ(オカマ)で、名前のバイスは副大統領(バイス・プレジデント)の「副」、あるいは「不道徳」と言う意味。「ガンダ」はタガログ語で「美」という意味で、女性の美しさを表現する。また、「美しい」が「マ・ガンダ」、「すごく美しい」が、「アン・ガンダ」、などと変化する。「バイス・ガンダ」は「準美人」あるいは「不惑の美人」となり、オカマの彼にはふさわしい名前かもしれない。

CIMG0207as-4一方、大統領選の方は、トップを走るビリヤールやアキノ候補はすでにテレビ放映枠(1局あたり120分)の規定を超えてしまったそうで、今後は地方選の自分の陣営の候補者の応援演説などで地方を回り大衆にアピールする選挙戦になるものと予想される。下の写真はアンヘレスで見かけたアキノ候補とエストラーダ候補のポスター。エストラーダは若き日の映画スターの時の写真を掲げ、あくまでもヒーローのイメージを訴えている。アキノは元大統領の母親のシンボルカラーの黄色いポスターだ。

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