糖尿病体験記 2009年8月4日


  20067月退職庁を辞め、フィリピンで新しい事業を開始した。その時の日本人パートナーが月の内3週間くらいフィリピンにいて、毎日の様に食事そしてカラオケに付き合わされた。そして3ヶ月くらい経過して、体重が10kgくらい減ってしまい、体の異常が気になり始めた。後で知ったことだが、尿が異常に増える、喉が渇いて仕方がない、水虫になりやすい、足がつる、疲れやすい、昼間から眠い、目がかすむ、などなど糖尿病の典型的な自覚症状のオンパレードだった。

  翌年の20071月、60歳の誕生日で年金の手続きを行なうために日本に帰ったおり、病院をたずねた。成田空港に到着するやいなや、ペットボトルの飲料水を買い、成田エクスプレスを待ちながら、もう一本、横浜に着いたら、また一本と、ペットボトルを離すことが出来なかった。病院の検査を待っている間も喉の渇きや眠気に襲われ続けた。検査結果は血糖値が375Hb-A1c12.7、合併症がでる寸前で、危ないところだったと脅かされた。早速薬を処方されて、23日で渇きや眠気などの症状はなくなり、体調は回復した。

 早速、糖尿病に関する書物やパンフレットを読み漁ったが、これは直ることがない病気で生涯付き合っていかなければならないが、血糖値のコントロールさえしっかりしていれば合併症など起こすこともなく、生涯を健康に過ごせるものだと知った。しかし、食後の急激な血糖値の上昇を阻害するαグルコシダーゼ阻害剤のベイスンは低血糖を引き起こすことがあるので、常にブドウ糖を持ち歩き、めまいでフラフラするような低血糖の症状が現れたら、服用するようにと強く注意された。低血糖は死に至る怖いものだそうだ。もう一つの薬はスルホルニ尿素剤のソロサという薬だ。これはすい臓からインシュリンの分泌を盛んにする薬らしい。

 2ヵ月後の20073月おふくろがなくなり、その葬式に参加した折、再び病院を訪れたが、血糖値は77Hb-A1c7.4で、血糖値は低めだが、順調に推移しているということで安心した。普段はフィリピンに住んでいるので、日本から持っていった薬だけでは間に合わない。そこで当地の医者にかかって薬を処方してもらったが、その医者はコレステロールも高いので、それを下げる薬、血液をさらさらにするアスピリン、さらに魚の油(DHA)を飲むように指示された。都合5種類の薬を毎日飲むはめになった。

  そして6ヵ月後の9月、所用で日本に出張した際、病院で検査をした。血糖値が70Hb-A1c5.5だった。医師は順調と言ってくれたが、血糖値が 70というの低血糖の寸前ではないか、このまま薬を飲み続けるべきなのか、不安な気持ちになった。その帰りに出会ったのが「糖尿病は薬なしで治せる」(邊昌著、角川書店発行)という本だった。医師が自分の糖尿病を薬なしで直したという経験を紹介した本だ。

 著者の主張は「生活習慣病の治療は生活習慣を改善することにあり、薬にだけ頼っていては、やがて症状が悪化し、ますます薬漬けの生活を送ることになり、数々の副作用に悩むことにもなる」というものだった。ちなみにベイスンは低血糖の危険をはらみ、他にも副作用がある。ソロサは弱ったすい臓を鞭打ってインシュリンを出させ、いずれすい臓が機能しなくなり、インシュリン注射に頼らざるを得なくなる、とのことだ。

 目からうろこに内容に、5種類もの薬を飲んで、いつも低血糖におびえていた私は、この主張に飛びついた。まず、簡易血糖値測定器をフィリピンで買い求めた。日本では保険がきかず数万円の高価なものだがフィリピンでは1万円はしなかったと思う。薬を段階的に減らしながら、血糖値が食後180以下、空腹時120以下におさまっているよう務めた。食事は六分目、油脂類は最小限、野菜を多め、そして食後は30分間の散歩が日課だった。はじめは空腹と物足りなさで情けなかったが、慣れてくると従来の半分くらいの量でも充分満腹感は得られる。それには良く噛んでゆっくり食べるのが秘訣だ。

CIMG1343s-4  そして1年後の20089月、初孫のお宮参りのおり、いつもの病院を訪れた。前回の検査とは時間があいたので初診扱いとなり保険外併用療養費というわけのわからない金を余計に取られた。しかし、なにか道場破りの思いで検査に臨んだ。初診なので、いつもと違う先生で、血糖値135Hb-A1c5.7いう結果を見て「異常ありません、薬ももちろん必要ありません」ということだった。道場破りの成功だ。(左の写真が簡易血糖値測定器)

 あれから、さらに1年近く、医者のお墨付きで慢心してしまい、ついつい甘いものや脂ののった肉に手を出してしまうこともあり、血糖値も200を超えることもしばしばだ。しかし、血糖値を計って異常がある場合は、即散歩に出て、30分も歩いて帰ってくると、50100くらいは血糖値が下がっている。先日、 262という数字に真っ青になり、普段の2倍の1時間の散歩を消化したら、112に下がっていた。なぜ軽い運動で、こんなに劇的に血糖値がさがるのか、よくわからないが、間違いなく下がるのだ。だから薬無しでも食事と運動で血糖値がコントロールできると確信している。

 まだまだ先の長い人生で結論は出せないが、薬無しで生活していて、今のところ糖尿病の自覚症状は全くない。経験済みなので、今度糖尿病になったら見逃さないぞと待ち構えているのだが、日ごろの精進(?)のおかげか健康な毎日を送ることが出来ている。ここで一番大事なことは簡易血糖値測定器で、時々の血糖値、特に夕食後の血糖値を把握することだ。特に食べすぎは即高血糖という結果が出るから、食事の自制がきき、かつ運動で血糖値をコントロールすることができる。昼間は起きて活動しているので問題は少ないが、夕食後高血糖のまま寝てしまうと、睡眠中それが維持されて、糖尿病を引き起こす要因になるそうだ。

 

 日本全国に1千万人を超える糖尿病患者ないし予備軍が要るそうだが、これらの人々の大多数が薬を使わずに健康体を維持できたとしたら、年間数兆円の医療費の削減になるのではないか。製薬会社は猛反発するだろうが、このような医療費の無駄使いはいたるところであるのではないか。破綻がささやかれている健康保険制度を救うためにも、病気にかからないための予防医学を普及させて無駄な薬の処方や治療を無くしたいものだ。

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