雑記帳 日本人は、なぜだまされる?


フィリピン人にだまされて家をとられた、あるいはフィリピン在住の日本人にだまされて店をとられた、とかいう話しを良く耳にする。なぜ日本人は簡単にだまされるのだろうか。それは、フィリピンでは外国人は土地を買えない、小売や飲食店等の諸々のビジネスがフィリピン人に限定されている、というフィリピン人を保護する法律があり、そこで、簡単に他人名義で土地を買ったり、ビジネスをする、といった安易な方向に動いてしまうからなのだ。

また、フィリピン人と親しくなると、あれが儲かる、これが儲かると盛んにビジネスを勧める。日本人は何しろ金を持っているから、それを当てにして一山当てようと一所懸命勧める。もちろん、その時点ではだまそうなどとは思っていないから、なかなか説得力がある。確かに儲かりそうで、相手もとても信用できそうだ、そこで、だめもと、賭けと思って金を出す事になる。この位なら、例えなくなっても首を吊ることもなさそうだと。

実を言うと、そのフィリピーノもほとんどがビジネスをするのは初めてで、はじめてみると思いもよらぬ費用がかかる。そのため、さらに追加の費用がかかることになる。それがないとビジネスが前に進まないので、投資額が嵩んでいく。初めの予定の2倍にも3倍にもなっていく。

そこで、ビジネスが頓挫してしまう事が多いのだが、それでも何とかうまく行ったとする。そこでフィリピーノは一生懸命やって儲かったのだから、当然、自分もその利益を受け取る権利があると考え、バンバン金を使い始めるので、投資したあなたにはいつまでも儲けが回ってこない。回ってきたとしてもまったく投資金額に見合うものではないだろう。結局やめたという事になって、だまされたとなるのだ。その時はもうフィリピーノとの仲は冷え切っているので、事業を解散して投資金を回収することなどできるはずもない。法的には、発足と同時にすべてが名義を貸したフィリピーノのものとなっているのだ。

さて、土地と家だが、やはり、フィリピーノの友達や彼女は、いとも簡単に名義を貸すという。色々な約束や契約もしてくれる。最初は慎重だったのだが、相手が熱心に進めるので、つい踏み切ってしまうことになる。相手のねらいは多分コミッションだろう、特に彼女のおじさんや友人に頼んで家を建てたりすると、建築費の半分は軽く抜かれてしまう。それがフィリピーナの奥さんであるとすると、きっと別れたときの慰謝料の確保ということだろう。

しかし、時がたって、あなたとの関係が冷たくなってくると、簡単に言葉を異にする。特に相手が死んでしまったりすると、相続人が出てきて、家から出て行けとか言いはじめる。いくら頭にきても、法律上完璧に相手のものだから、手の打ちようがない。約束や契約を盾にしても、その契約そのものが法律違反だから何の役にもたたない。結局、騙されて家を取られたということになる。

ある退職者の一件で、当地の裁判官に相談をしたことがある。回答は“There is no medicine for stupidness.(バカにつける薬はない)”の一言だった。フィリピン人にとって、何でこんな状況で金を出すのか、とても信じられないことを日本人はいとも簡単にやってのけるのだ。すべてが終わった後では、裁判官といえども手の施しようがないのだ。

このように他人名義の家やビジネスはご法度だ。コンドミニアムの購入やリースで済ますべきなのだ。ビジネスをやるなら、面倒くさくても会社を設立して権利を守るべきだ。しかし、そんな手続きをすることなど、英語も苦手な日本人には至難の技だ。適切なアドバイスをしてくれる人もなかなか見当たらない。アドバイスすべき人が騙す側に回ってしまう事が日常茶飯事で、弁護士さえももっとも信用できない人種の一つであるという世の中なのだから。

決して周囲の甘い言葉に迷わされる事なく、これといった確信ができるまで、あるいは絶対に信用のおけるアドバイザーやパートナーが現れるまで、是非大事なお金は銀行にしまっておいてほしい。

日本人が日本人を騙すという事が、とり沙汰されているが、これはフィリピンやフィリピン人の特殊性あるいは日本との法制度の相違を巧みに利用したとんでもない行為と憤りを感じる。フィリピン通の日本人に対してはさらに兜の緒を締めて気をつけることだ。

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