敬虔なクリスチャンのフィリピーノにとってクリスマスは1年のもっとも重要なイベントだ。10月ともなると、街には早々とクリスマスソングが響き渡り、クリスマスの飾りつけが始まる。そして、もういくつ寝ると・・・・・とばかり、指折り数えてクリスマスを待つのだ。
SMモールオブエイシアの巨大なクリスマスツリー
SMモールオブエイシアの木々を飾る電飾
SMモールオブエイシアの玄関内のかざりつけ
中庭のかざりつけ
クリスマスを無事に過ごすために必要なものは、まずお金。そのため、法律ですべての従業員に13ヶ月目の給与を支払うことが義務付けられています。クリスマスの準備のために1か月分の給与が12月に余分に支払われるのだ。通常ボーナスは会社の業績によって支払われたり支払われなかったりするのだが、これは給与の一部として、業績にかかわらず支払わなければならないのだ。
12月 なると街はクリスマスの買い物でどこのデパートも人であふれかえる。日本のクリスマス商戦などの比ではない。このお金を貯めておこうなどという 不届きなことを考えるフィリピーノは、勿論一人もいない。宵越しの金は持たないというのがフィリピーノ心情なのだ。ありったけのお金を使ってしまうので、 来年の生活費はどうするのだろうか、などと考えるのは外国人だけだ。
ささやかながら事務所で行われたクリスマスパーティ、朝の6時までカラオケで盛り上がった
12月も半ばを過ぎると、クリスマスパーティで街はにぎわう。それぞれの会社、グループは盛大にクリスマスパーティを楽しむ。12月早々からはじめたクリスマスプレゼントの交換も佳境を向かえ、ラッフル(くじ引き)で当選した、持ちきれないくらいたくさんのプレゼントを抱え、人々は家路をいそぐ。
クリスマスの飾りつけの最重要アイテムはランタン、年末の道路にはランタン売りの屋台が並ぶ
クリスマスイブともなると、多くの会社は年明けまで休みとなる。たとえ事務所を開いても社員が歯抜けなので効率が落ち、いっそ全休にしてしまうのだ。特に役所は、お偉いさんが来年まで長期休暇をとってしまうので、半月くらいは機能停止となってしまう。そして24日は家族でクリスマス、25日は教会へ行き、1年の無事を祈るのだ。
ゲームとくじ引きそして食事、その後は時間無制限のダンスとカラオケタイムで底なしに楽しむのがフィリピン流
ところで、クリスマスイブは携帯のメッセージの交換がピークを迎える。親しい人にクリスマスカードないし年賀状の代わりにメールを送るのだ。内容はキ リストの教えに沿った「あなたに神の加護が与えられ、すばらしい年がくることを祈ります」といったものだが、キリスト教に疎い私にとっては理解できない ことも多々あり、返事に困ることが多い。それでも一句ひねるように何とかそれらしきものを作って送ったところ、今年受け取った中で一番すばらしいと おほめの言葉をいただいた。きっと神という言葉が出てこないのが新鮮に写ったのだろう。
主要なビルの入り口には聖書の一場面が再現される
クリスマスパーティの準備は家族総出
料理の準備が整った、レチョンは欠かせない
パーティはまず食べることで始まる
最近のパーティにカラオケは欠かせない
とんだ珍客にパーティは華やいだ
もらってうれしいクリスマスギフト
ギフトを手にうれしそうな子供たち
遅れてパーティの開かれたこの日は大晦日、続いて大晦日の行事が始まった。やかんやなべをたたいて家中を歩き回る
クリスマスに引き続き正月の深夜の食事が始まった。