巨星逝く コーリー・アキノの死 2009年8月3日


 81日未明、かねてから結腸癌を患い闘病生活を続けていた元フィリピン大統領コラソン・アキノが亡くなった。76歳だった。夫の暗殺を契機に政治家へ の道を歩んだ彼女は、1986年大統領選の不正を訴え、エドサ革命で独裁者マルコスを国外に追放し大統領の座についた、というフィリピン近代史の立役者 だ。 CIMG0117  長年マルコスの政敵として活躍した夫、ベニグノ・アキノを暗殺され、悲劇のヒロインから大統領へと転じたコーリーはコファンコ・ファミリーという大富豪の出 でありながら、生来の清廉潔白な性格で多くの支持を集めた。マルコスの負の遺産を一掃し、経済を立て直すほどの政治手腕はもっていなかったが、素人だから こそ出来たという、フィリピンの将来を見据えての数々の法案を制定した。

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  現在でも、政治的な影響力は絶大なものがあり、エドサ革命2でエストラーダを大統領の座から引きずり下ろし、憲法改正によるアロヨ政権延命の画策を防止することに一役買い、死ぬ間際まで国を憂えるフィリピンの指導者だった。 

  1日から2日にかけてグリーンヒルで行なわれた通夜に参加した人は、炎天下あるいは雨の中を長蛇の列を作り、夜を徹してコーリーとの別れを惜しんだ。テレ ビのニュースは通夜の模様一辺倒で他のニュースは全く放映されず、通夜の実況中継(写真の男性はエストラーダ元大統領)やコーリーの写真の映像を流し続け ていた。3日朝、遺体はイントラムロスのマニラ・カテデラルに移され葬儀が行なわれる。そして、5(水)は埋葬で、祝日となる。

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  テレビ放映の中でも延々と出演し続け、母との思い出を涙ながらに語っていたのがクリス・アキノ、コーリー・アキノの4番目の娘だ。クリス・アキノはフィリ ピンNo1の女優として人気を誇っているが、自らが司会を務めるバラエティ番組の「ショー・ビズ」の特別番組に出演し、相棒の男性司会者相手に数時間語 り続けた。 

 普段の毒々しい化粧とは打って変わって通夜に見合う薄化粧で現れたクリス・アキノを人々は母親に重ね合わせて見つめた。彼女は政治家になることは興味がな いとしながらも「母は私を彼女の声と言っていた」あるいは「母は私がシンプルな女になったら、政治家になってもいいと言っていた」と、なにやら政界入りを におわすようなこと喋っていた。

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マニラ国際空港(NAIA, Ninoy Akino International Airport)の名前にまでなっている英雄を父に持ち、元大統領で富豪出身の母を持ち、そして知名度はNo.1女優という彼女、近い将来、大統領になる ことは必然と思える。そして今回のテレビ報道で彼女は反マルコスに命を捧げたベニグノ・アキノ、そして正義の味方として国民の胸に活き続けるコーリー・ア キノ、その二人の遺志の正当な継承者であることを印象付けた。

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