各種栄養素が豊富なばかりではなく、多くの抗酸化、抗炎症物質を含み、糖尿や高血圧、メタボや性欲減退等々、熟年世代のあらゆる悩みに効き、免疫機能の改善や体力増強、老化防止に効果があるという、奇跡の野菜と注目されているのがマロンガイだ。お茶やカプセルとして大々的に売り出されており、日本にも輸出されている。先週、マニラ新聞でも1週間くらい連続して紙面半分を使って広告されていた。
そもそもマロンガイは珍しくもなんともない庶民の野菜で、田舎に行けば各家庭の庭に植えられ、その小さな葉が食用とされている。モンゴという緑色の小豆のような豆と一緒に煮てスープにして食べるのが一般的だ(ギネサン・モンゴ)。残念ながらレストランでは食べられないが、お世辞にもおいしいとはいえない料理だ。しかし、健康的であろうことは実感できる。良薬は口に苦しと云う例えの通りだ。
2~3年前から話題になっているので、農場で散歩するたびに庭に生えているマロンガイの葉をそのまま食してみるが、独特な苦味があり、決しておいしいものではない。野菜なんて生で食べておいしいはずもないが、フィリピンでは古い時代からの知恵で、家庭の常備薬として庭に植えて食してきたのだろう。
糖尿の気のある私もアンパラヤ(ニガウリ)のカプセルと共に常用しているが、その効果を実感するには至っていない。しかし、薬無しで血糖値はコントロールできているし(空腹時で100~120、食後で160~200程度)、ほとんど疲れも感じないし、風や下痢、腹痛などにも滅多にかからない。もしかしたらアンパラヤとマロンガイの相乗効果なのかもしれない。今度農場に帰ったら、マロンガイを菜園の周りに大量に植えようと思う。フィリピンの植物は挿し木で簡単にいくらでも増えるから楽勝だ。そしてお客さんにはマロンガイとモンゴのスープを薬用食として提供しようと思う。ほっておけば勝手に育ってくれて、奇跡の良薬が只同様に手に入るのだから、利用しない手はない。
マロンガイは枝ごと収穫して、枝から葉っぱを取り除く。小さな葉なので中々手間がかかるが、子供でも出来るので、小さい女の子の役割だ。
フィリピンで一般的に食用に供される野菜の中で健康に良いとされているのが、アンパラヤ(ニガウリあるいはゴーヤ)、アルバティ(つる紫)、サルヨット (モロヘイヤ)、オクラなどだ。アンパラヤを除いて、いずれも粘り気のある野菜だが、強い日差しを浴びてフィリピンではいくらでも育つ。特にオクラはシネガンスープなど日常的に食され、日本にも大量に輸出されている。