京都大学 東南アジア研究所の清水教授を案内して、介護施設、アモーレの里を訪問した。教授の専門は文化人類学だが、フィリピンへの退職者の移住というテーマにも取り組んでいるとのこと。また、留学も含めてフィリピンに7年滞在した経験を持つフィリピン通だ。
アモーレの里の 岸田さんの話によると、4月中に、地下のレストラン、厨房、クリニック、スパ、など運営に必要な最小限の施設を完成し、6月開業とのこと。現在、地下の工事が鋭意進められていたが、1階の居室については全室、ほぼ完成しているとのこと。
教授は、施設の充実度は日本の有料老人ホームと比較してもそん色ないと絶賛していた。また、日本の介護の状況を考えると、フィリピンで介護ということが切り札になろうとも仰っていた。このことはフィリピンの雇用を創出するばかりでなく、介護保険の破綻がささやかれている日本の現状においては日本の政府をも救う手立てとなろうとのこと。
しかし、その良さを理解して海を越える決断を介護老人にさせるのが難儀であることも事実で、突破口として誰がどんな策をとるべきかなど話し合った。その中で、具体的かつ比較的簡単にできるであろうことは、PRAが、介護が必要な両親を申請者の同伴者と認め、追加の定期預金なしに両親を同伴できるという施策ということになった。60歳の定年を迎え、フィリピンなど海外で暮らしたいが、介護が必要な両親のために日本を離れられない、というような状況にある退職者にとって、1石2鳥、あるいは3鳥の解決策となるだろう。
アモーレの里の岸田さんはオーナーである兄、あるいはPRA退職者クラブの家田会長などを動かして、PRAアグリパイ会長に本件を働きかけてみるとのことだった。なお、このアイデアは私がPRAに在籍しているときにマルセロ副長官を通じて働きかけていたが、日の目を見ないままでいたもの。