メタボ社会は国を滅ぼす(その6、糖質制限で生活習慣病を溶解)2014年11月15日


ここ数年、生理学者から、毎日、メールマガジンが送られてくる。題目は、不老長寿で、健康で長生きするための食生活、食品と薬の効能と害、病気のメカニズム、臓器の役割と仕組み、などなど、幅広い分野を、毎回数十ページで解説し、すでに1000編以上が送られて来ている。そして、最近の話題が、生活習慣病を溶解する(なくす)方法は、糖質制限、すなわち、米、パン、麺類等の主食を制限して、野菜・果物、肉・魚、それにナッツや豆など、たんぱく質と脂肪そして繊維質中心の食生活を行うことだと説いている。これは、最近話題になっている糖質制限ダイエット法の理論的バックグランドでもあるようだ。

生活習慣病とは、ご承知の通り糖尿病や肥満を代表とするいわゆるメタボで、脳溢血や心臓病など、細菌やウイルスによらない、人体そのものの機能障害に起因する病気で、癌もその一部で死因の60%以上を占めている。血糖値や血圧を下げる薬など製薬会社の儲け頭になっているが、これらの病気は薬で完治させることはできず、人々を一生、薬漬けにして莫大な利益を製薬会社にもたらせている。

これらの病気は、すべて、現代人の米、パン、麺類など糖質中心の食生活に起因しており、それを変えない限り、増加する一方で、やがて国を滅ぼす。現に、医療費の増大などによる健康保険の破綻など国家の財政を揺るがす問題となっている。

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今日は恒例の土曜食事会にKIANの家族一同が参加して、いつものハーフ塩ラーメンとエビフライの衣、糖質ばかりを食べている。右は、姉のキムといちゃいちゃしているKIAN

人類700万年の歴史のほとんどは狩猟採集生活で、肉や昆虫、魚貝や海草、果物・木の実や山菜などを食して生きてきた。それは常に飢餓との戦いだったが、やがて、牧畜により、牛乳、チーズやバターなどの乳製品を食するようになり、さらに1万年ほど前から農耕が始まり、穀物という食料を安定的に確保できるようになった。

人類は、つい最近になって穀物というものを口にするようになったのだが、これら穀物は、炭水化物あるいは糖質が主で、米、パン、麺類、いわゆる主食といわれるものだ。そして、穀物から主要なエネルギーを賄うことにより、人類は人口を飛躍的に増加することが可能となり、地球制覇を成し遂げた。現代人にとって、穀物抜きでは食生活を語ることはできない。

しかし、件の生理学者は、この糖質の摂取こそが、人類をして生活習慣病に罹病させる原因だと説く。人類は700万年の間、糖質以外の食物を摂取して生きるよう体の仕組みを作ってきた。しかし、糖質を主に摂取するようになって、人体が機能障害を起こし、いわゆる生活習慣病を引起こしているというのだ。ちなみに野生動物は生活習慣病にかからない。しかし、人間に飼われたペットは、人間と似た食生活をするために、生活習慣病にかかり、メタボ犬やメタボ猫が出現している。

さらに、700万年の間、常に飢餓にさらされてきた人類は、食べられるときに食べて脂肪をためて、飢餓に備えるという仕組みを体内に持っている。この蓄えられた脂肪は、現代は飢餓によって消費される機会がないため、体内に蓄え続けられる。これが肥満となり、現在、世界人口の30%、約21億人の肥満とされ、生活習慣病の主因になっている。人類は農耕により、穀物を手に入れ、地球を制覇するに至ったが、その代わりに、生活習慣病という宿命を背負ったのだ。

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街で見かけた、生活雑貨の移動販売。私が、子供のころは、豆腐、納豆、金魚、などの移動販売が盛んだった。なにか、昭和の半ばの雰囲気がある

血糖は糖質の摂取で急激に増加する。上昇した血糖値のコントロールのために多量のインシュリンが必要となるので、すい臓の機能の障害が発生し、糖尿病になる。さらに高血糖、高血圧などによる血管と血液の不具合が脳卒中や心臓病の原因になり、糖質は、人体にとって有害なばかりなのだ。特に砂糖はその作用が急速で、糖尿病を加速する一方、麻薬と同様、中毒作用があり、酒やタバコよりもはるかに害がある。さらに、癌細胞の栄養素は糖質から作られるブドウ糖であり、糖質を制限させることにより、癌細胞を消滅させることが可能だそうだ。

このように糖質の制限により、すべての生活習慣病が溶解するのだと学者は説く。

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札幌一番ソース焼きそばKIANの一番の好みだ。キムと二人で一本のそばをはじから食べて、最後はめでたくキス。昔、カラオケのお姉ちゃんを口説くのに良く使った手だ

一方、フィリピン人の食生活を振り返ってみると、とにかく米を食べる。米におかずの汁をかけて、大皿に山盛りのご飯をたいらげる。さらにミリエンダ(おやつ)でスパゲッティやピザ、さらに焼きそば(パンシット)など、炭水化物/糖質のオンパレードだ。これは、安価にエネルギーをとる最も効率の良い方法で、貧困を生き抜く知恵でもある。だから、少し豊かになってくると、この食生活の延長で、半数以上の女性がおでぶちゃんになってしまった。だから、彼らは50台ともなると、糖尿病や心臓病で亡くなっていく人が実に多い。

一方、KIANの食生活と言えば、パンシットとご飯、それに鶏のからあげ位のもので、徹底的な野菜嫌いだ。ただ、私の影響で味噌汁と海苔が好物なのがせめてもの救いだが、白いご飯にしょうゆあるいはポン酢をかけて食べる根っからの糖質依存証だ。また、我が家では、ソフトドリンクとジャンクフードを禁止しているが、ジャンクフードのほうは、私に隠れて食べているようだ。これら野放しにしたら、すべての食品が糖質になってしまい、KIANの将来はメタボ一色になってしまう。

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今日は、パパカーネルの45歳の誕生日。早朝からケーキにローソクをたててKIANが部屋にやってきた。KIANはローソクの火を吹き消すのが大好きで、いつも誰かの誕生日を心待ちにしている

しかし、もし、穀物に糧を得ている人類が穀物をとらなくなったら、食料不足から、大多数の人が飢餓に陥るだろう。だから、豊かな人々穀物を取らずに薬漬けから開放され、健康長寿を享受し、あまった穀物は飢餓に苦しむ人々に分け与える、というのがウインウインの解決策ではないか。そうすれば、地球からメタボが消失して、医者不足が解決され、医療費も激減して健康保険も命拾いするわけだ。製薬会社の利益は激減するだろうが、人類を救うため、このぐらいの犠牲はやむをえない。

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