12月8日のマニラ新聞「新移民残日録」にフィリピーナ「無くて七癖」と称して、フィリピーナ気質が七つにまとめられていた。まさに言い得て妙である。 25年間に渡るフィリピーナ妻との付き合いで得た82歳の日本人の結論としては「寛容を持って接する」しかないということだ。その七癖とは以下の通りだ。
1. 必ず時間には遅れる(時間を守る気が無い)
2. 携帯電話は自分のため(自分ががかけるためのもので、人から電話を受けるためのものではない)
3. ブロークンの一言(ものが勝手に壊れたのであって、自分が壊したのではない)
4. 借りた金は返さない(返す金がなければ仕方が無い、借りた相手には知らん顔)
5. 夫なくても子作り(シングルマザーが次々と子を作る)
6. ソーリーを言わない(自分のミスを認めない、謝らない)
7. 女性も殴りあう(切れると殴り合いさえ厭わない)
これらのことは、フィリピンにしばらく住むといやが上でも思い知らされることばかりだが、日本人にはなかなか理解がしがたい。一方、フィリピーナにとってはいとも当たり前のことのようで、これがなぜ取りざたされるのか理解できないらしい。もちろん悪いことなどとは思っていないから、直そうなんてこれっぽっちも思わない。フィリピンにいる限り、それを理解して受け入れるのは日本人の役割なのだと思っているようだ。
我々日本人は子供のころからこれら七つの癖は良くないこととしてしつけられ、いつしか天来の悪癖として忌み嫌うようになっている。この七癖を持っているとしたら、日本では誰にも相手にされないどうしようもない輩として扱われるだろう。そうなるとフィリピンはどうしようもない悪癖がまかり通る文化文明の劣る国なのだろうか。
逆にフィリピン人から見た日本人の七癖はどうなんだろうか。ちなみに私がフィリピーナに良く怒られる癖を七癖になぞらえて上げてみた。
1. 「時間にちょっと遅れるだけでパニックになったり、遅れた相手を罵倒したりする」 ちょっと遅れたからといって死んでしまうわけでもないでしょう。気楽に気長にやらないと長生きはできないわよ。
2. 「長電話をするなと文句をいう」 暇な時間に友達と会話を楽しむのが何が悪いの。
3. 「何か無くなったり壊れたりすると徹底的に犯人を探し出して追求する」 そんなことをしても元に戻るわけでもないでしょう。
4.「些細な金でも返してくれないと文句を言う」 くれというのは恥ずかしいから貸してくれと言ったのであって、返す金がなければ仕方が無いでしょう。自分は金があるくせに貧乏人から金を取り立てるなどということは悪魔の仕業だわよ。
5. 「養うこともできないのにバカスカ子供を作るとフィリピン人をバカにする」 愛し合えば子供ができるのは当然。避妊なんて神を冒涜するもので、堕胎なんて殺人。子供は神が授けてくれたエンジェルなのよ。
6. 「ちょっとしたミスでも謝罪を強要する」 ミスをしたからといって、わざとやったわけでもないから謝る必要はないでしょ。謝ったら最後、罪の償いをしなければならないから、結果的にそうなったとしても、いかに自分が正当にことを運んだか主張するのよ。自分が悪くない思っても「ごめんなさい」で済ましてしまうなんて自分にうそをつくことにもなるでしょ。
7. 「ちょっと何かあると平気で人前で怒鳴ったり顔をしかめたりする」 人前で侮辱されたら、たとえ暴力に訴えたとしても自分の名誉を守ることが先決。喧嘩には負けるなというのが母親の教えなのよ。
このフィリピーナのいい分に耳を傾けることができるとしたら、きっとフィリピン人と仲良くやっていけることだろう。