特別投資家居住ビザ(SIRV)
(SPECIAL INVESTOR’S RESIDENT VISA)
SIRVはBOI(Board of Investment)で発行されるが、条件は75000ドルをフィリピン株式に投資すること(現状ではコンドミニアム等への投資は認められていない)。年齢制限は21歳以上なので、35歳未満でSRRV(退職ビザ)が取れない人に好適だ。また、配偶者と21歳未満の未婚の子供の同伴が可能で人数に制限がない(SRRVは2名まで、3人以上は一人当たり15000ドルの追加定期預金が必要)。
株式投資は、上場会社に投資するのが承認されやすいが、株式の売却はBOIが承認が必要なので、簡単に売り買いができず、塩漬けになる。そのため、ブルーチップと呼ばれる、価格が安定し、高配当を望める会社に投資するのが一般的だ。
ステップが複雑なのでSRRV(退職ビザ)より、かなり時間と経費がかかるが、申請料は返って低めだ。また、SRRVのように年会費(360ドル)がないので、維持費が少なくて済む。
手順は下記の通り。
- 日本での準備
①日本からDBP(Development Bank of the Philippines)にビザ発行の条件となっている75000ドルの投資金を送金する
②無犯罪証明書を取得して、外務省/フィリピン大使館で認証する。(3週間程度必要)
③戸籍謄本(同伴者がいなくても必要)
B.フィリピンに入国して暫定SIRV(6ヶ月有効)の申請をする(最短で約3週間程度)
①DBPで75000ドル相当のペソ預金定期を作成する
②健康診断の受診
③婚姻証明、出生証明の取得(同伴者の他、申請者本人も必要)
④暫定SIRVの申請と発行
C.投資の実行(最短で1週間程度)
①証券会社に口座を開設する(TIN-納税番号が必要)
②BOIに申請して75000ドルの引き出し許可を取得し、証券会社の口座に入金する
③投資の実行(銘柄はフィリピンの上場会社、自分が設立する会社にも投資可能) 発行された株式に裏書するなど株式購入後、証券会社のアクションで1~2ヶ月かかる。
④出国許可証の申請(暫定ビザで日本に一旦帰国する場合に必要)
D. 正式SIRVを申請(2週間程度)
①投資株式の書類が整ったら、BOIに正式SIRVとIDを申請する。
以上から、A.日本での準備が3週間、1回目の入国でBとCをやるとして、最低4週間必要。投資の実行までやって、一旦帰国して株式投資の書類が整ってから再入国して3週間ほど滞在して正式ビザの取得となる。もちろんそのまま連続してフィリピンに滞在することも可能だが、その場合、順調に行ってSIRV取得まで3~4ヶ月の滞在が必要となる。
経費的には、実費としてはBOIと入管への申請料も含めて5万ペソ程度、同伴者が一人につき4万ペソ程度。