9月28日、インドネシアのバリで開催されたミス・ワールドでフィリピン女性–メガン・ヤン(23才)が栄冠に輝いた。ミス・ユニバースには1999年にミリアム・キンバオがなったが、ミス・ワールドは初めとのこと。この快挙に、カランダン大統領府報道班長が祝福のメッセージを発表したそうだ。最近2連敗で引退がうわさされている英雄パクヤオ(ボクシングで世界5階級を制覇)に代わって、世界という名を関したヒーローの誕生だ。ちなみにパクヤオ選手は議員活動に専念するといううわさだが、大盤振る舞いがたたって破算寸前との報道がなされ、英雄のイメージがくずれてきている。そんなときにお祭り好きのフィリピン人には格好の話題を提供している。
そもそも、アメリカ生まれで10歳の時にフィリピンにやってきた。母親はフィリピン人、父親はアメリカ人、オロンガポ(スービック)出身というから、スービック基地の閉鎖にともない、両親はアメリカにわたり、そこで出生したのだろう。さほど家柄がいいとはいえず、そのスタイル(170cm)と美貌により、女優への道を歩んだのは自然の成り行きだろう。
15才の時に人気テレビ・バラエティ番組「ビッグ・ブラザーズ」でデビュー、それをきっかけに人気がブレイクした。といってもキム・チュー、サラ・ヘラニモ、マリアン・リベラさらにはバイス・ガンダ(彼女の場合はオカマのコメディアンだがテレビへの出演回数は群を抜いている)などの一流人気女優と肩を並べるほどではない。昨年、ビニビニ・フィリピナス(ミス・フィリピン)に応募して、前年、トップレスの写真が公開されたことが暴露され、失格となっている。ちなみにビニビニとはフィリピン語で年頃の若い女性を意味する。そういえばそんな名前のナイトクラブがバクラランのロハスブルバード沿いにあった。
私が子供のころ、このミスワールドを見ていて、フィリピン代表の可愛らしさにとりこになったことがある。それ以来、フィリピンは憧れの地となっていたのだが、最近のミスワールドやミスユニバースに出てくる女性は背が高いだけで、可愛いと言う言葉から程遠い感じの女性ばかりだ。その中では今回のフィリピン代表は比較的美人とはいえるようだ。
各国の代表が次々と呼ばれて気がついたことは、聞いたこともないような国がやたらと多いこと。そして、出てくる女性は、国ごとの特徴がほとんどなくて、白か黒かその他くらいしか区別ができない。それは、きっとフィリピン代表のように混血が多いせいなのだろう。
ところで、ミス・ワールドやミス・ユニバースなどのコンテストには莫大な費用がかかると思うが、スポンサーは誰なのだろうか。そしてその費用はどうやって回収するのだろうか。さらにまた、このコンテストの経済効果、あるいは社会的意義は何なのだろうか。日本でミス、ミスと騒いだのが、私の子供のころまでだったような気がする。今では、コンテストの模様をテレビで中継することなどないのではないか。しかし、オリンピックの誘致では首相も含めて大分浮かれていたようなので、似たようなものなのかもしれないが。