フィリピン名物ジープニーを乗りこなそう 2008年6月21日


 フィリピンにやってきて、まず目に付くのがジープニーと呼ばれる公共交通手段だ。全国津々浦々、毎日たくさんの人々をのせて走り回っているのが、このジープニーだ。ジープニーとはもともと戦後アメリカ製のジープを払い下げ、公共の輸送手段に使ったのが始まり。唯一の純粋国産車で、全国で10万台といわれる数のジープニーが日夜、乗客を乗せて走り回っている。エンジンはほとんどが中古のいすゞ製のジーゼルエンジンで、大気汚染の元凶ともなっている。

派手派手ごてごてがジープニーの化粧だ

派手派手ごてごてがジープニーの化粧だ

 ジープニーは路線が決まっていて、一日中、同じ路線を走っている。料金は4kmまで一律で、4kmを越えると1kmにつき1ペソ加算される。特に特定の駅はなく、どこでも止まって客が乗り降りできる。これがまた渋滞の元凶であり、どこにでも突然止まるジープニーにドライバーはいらだつ。たとえぶつかったとしても、あのステンレスあるいはブリキ製の頑強なジープニーはびくともしない。壊れるのはこちらだから、ただひたすら、The King of Roadといわれるジープニーに道を譲るのみだ。

まさに美女と野獣だ

まさに美女と野獣だ

 ジープニーは路線マップもなにもないわけだから、このジープニーが一体どこへ行くのか、車のフロントガラスに書かれた行き先の地名から判断するしかない。街の地名を熟知していないと、たとえ乗り込んだとしても意図したところに行くかどうか神頼みだ。マニラでジープニーを乗りこなせたら、もはや一人前のフィリピン人なのだ。

王者の風格のジープニー

王者の風格のジープニー

 私も10年以上フィリピンにいて、やっと二つの路線、パソンタモ通りの自宅とマカティスクエア(日本食レストランやカラオケがたくさんある)の間の路線、および事務所の近くのカラヤアン通りを、やはりレストランや遊び場がたくさんあるマカティアベニューまでを結ぶ路線を乗りこなせるようになった。たった 7.5ペソでしかもほとんど待たずに乗れるジープニーは大変重宝な乗り物なのだ。

デズニーに出てくるような生き物のようなジープニー

デズニーに出てくるような生き物のようなジープニー

 さて、料金の渡し方だが、これが感心するのだ。ジープニーは運転手だけのワンマンカーだが、後ろのほうに乗った乗客は、バヤッド・ポといって、料金を乗客から乗客へと手渡する。そして、お釣りがある場合はやはり手渡しで戻ってくる。これでお金を払った客と払わない客をどうやって見分けるのかと、不思議に思うのだが、無賃乗車などは皆無だそうだ。

降りるときは目的地が近づいたら、パラと言って止めてもらうか、その言葉を忘れたら天井をこつこつとたたけばとめてくれる。ただ、速やかに降りないとまだ足が地面に着く前に動き始めてしまうので、転ばないように、気をつけなければならない。一度、パラという言葉を忘れてしまい、天井をたたこうとしたら、天井が柔らかくなっていて、音が出ない。それであせって、Stopと叫んだら、誰かがパラといってジープニーを止めてくれた。フィリピン人はそんな時とても親切なのだ。

大きなモールでは多方面に向かうジープニーステーションがある

大きなモールでは多方面に向かうジープニーステーションがある

 フィリピーノに通勤距離を聞くと、ジープニーの乗り換え数(1 ride あるいは2 rides等)で答えることがよくある。通勤時間が結局乗り換え数で決まるということだろう。もしかしたら通勤費のことを言っているのかもしれない。簡単に行けることを、ジープニーに一回乗るだけ(One ride only)、といった表現をする。いかにジープニーがフィリピーノの間で頼りにされているかを示すものだろう。

いつも満員のジープニーだ

いつも満員のジープニーだ

 ジープニーが混んでいるときは、これでもかこれでもかと詰め込んで座る。となりの女性とも密着するくらい席を詰めなければならない。場合によっては恋人をひざにのせて詰めているカップルも見かける。そんな時フィリピン人は大変協力的で、公共道徳にたけた人たちだと思うのだ。 

田舎に行くとジープニーに群がって移動する

田舎に行くとジープニーに群がって移動する

可愛い女の子と乗り合わせて、思わず目が合ってしまったとき、ニコッと微笑むと向こうも微笑を返してくれる。とてもよい気分だ。でもそれで相手に気があるのだなどと決して思ってはいけない。単なるお愛想なのだ。

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