フィリピンの悪いところ?2013年11月12日


 私は従来から、フィリピンの負のイメージあるいは偏ったイメージ(危険、汚い、金欠の3K)を払拭し、フィリピンの良いところを見直してもらうよう努めてきた。すなわち、近、安、優し3つの、すなわち I3つの愛)であり、それに英語圏であることと退職ビザというすぐれものの永住ビザの存在だ。 いつも、フィリピンの良いところを見つけようと心を砕いて、フィリピンをほめることばかり考えていた。

  先般、ロングステイフェアで、フィリピンでロングステイすることに興味を抱いている方から、「それではフィリピンの悪いところは何ですか?」と聞かれ、返答に窮した。そんなことをまじめに考えたことが無かったのだ。考えてみれば、フィリピンを紹介するに当たって、よいことばかりを並び立ててもだめで、良いところ、そして悪いところを公平に紹介するべきだと悟った。

  そこで、初めて、フィリピンの悪いところを整理してみた。

インフラの未整備:いずれの発展途上国でも同じだろうが、フィリピンの交通事情はいただけない。電車は数本しかなくて、主要道路は万年交通渋滞だ。それにちょっと大雨が降るとマニラ中の道路が冠水して交通網が麻痺してしまう。

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道路冠水で交通マヒに陥ったマニラの道路

 さらにちょっと大きな台風が来ると、途端に停電する。数日の停電はざらで、大きな台風では数週間、今回のレイテ地方を襲った台風30号(ヨランダ)のような超ど級の台風の場合は、半年は固いだろう。それにもかかわらず電気料金は日本以上に高い。

 それにタクシーが悪い。日本人の訪問者の多くが空港でタクシーを使うのを嫌う。それは危険というよりも、運転手との値段交渉がいやなのだ。彼らはたくみに料金を割りまして、ぼろうとする。さらに、空港職員までもがタクシー、タクシーと呼びかけてきて、レンタカーに案内し、マカティまで正規タクシー(クーポンタクシーあるいはイエロータクシー)の倍以上の1000ペソ程度の料金を要求する。 しかも、全日空を除くすべての外国航空便が到着する第1ターミナルは出迎えが至難の技で、自家用車で出迎えることも容易ではない。そうなると 空港からの足は、タクシーに限られるので、訪問者にとっては死活問題だ。

  分厚い貧困層の存在:フィリピンの半数以上の国民が一家族、月々一万ペソ(22000円)以下で暮らす貧困層だそうだ。だから、国中にスコーターと呼ばれるスラムが点在する。首都圏マニラにもそこかしこに点在するので、外国人にとってのイメージ・ダウンもはなはだしい。

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川にこぼれ落ちそうなスラム

  このような地域には犯罪者も多数住んでいるので、見知らぬ人が立ち入ることは、極めて危険で、それが、治安の悪さを印象付ける。日本では、このスラムに迷い込んだ日本人を、こぞってドキュメンタリー小説やテレビなどで紹介するので、まるでフィリピン中がスコーターであるような印象を与えている。

  しかし、貧困層だからといって、誰もが悪というわけではなくて、ほとんどの人は良い人で、フィリピン人としてのアイデンティティーであるホスピタリティがあふれている。また、これら貧困層があってこそ、メイドやドライバーなど仕事や家庭を支える人々を安価に雇用することができるのであって、フィリピンのメリット(安い)の裏返しでもある。

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東洋一といわれるトンドのスラム街

 金銭トラブル:今、新聞やテレビをにぎわしているのが、議員さんの汚職だ。アロヨ政権の9年間に不正に流用されたポークバレル(国会議員向け優先開発補助金)は一兆ペソに達するという。上がこうだから、末端の役人の汚職あるいは賄賂の体質は押して知るべしで、役所は袖の下無しではてこでも動かない。 ちゃんと働いて手にする代償以外の濡れ手に粟の利益を模索する体質が染み込んでいる。

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ポークバレルの不正流用を仕組んだ罪で国会喚問を受けるナボレス被告は、身の危険を感じてか防弾チョッキを着て国会の尋問に応じた

 このお金に関する感覚は民間レベルでも同じで、愛の代償に家を持っていかれたとか、貸した金が戻らないとか、頼りにすべき日本人が新参の日本人を騙すとか、こんな話しは、枚挙に暇がない。フィリピンで、日本と同じ感覚で金を出すと、とんだしっぺ返しを被ることになる。これもフィリピンに限らないことだが、日本人は他人を信用して、あまりにも安易に大金をはたくと評判で、よほど気を確かにして財布の紐を締めておかないと、早晩虎の子の退職金を失ってしまいかねない。100万円というお金は、フィリピンでは一家族が5年もの間暮らしていけるお金で、フィリピン人にとっては命を張ることさえもいとわない大きなお金なのだ。

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アンヘレスのクラブのきれいどころ。愛を金で買おうとするのがそもそも間違いの元だろう

  一方、フィリピンも最近は、世界という名を冠するニュースで持ちきりだ。先のミスワールドそして、最近はミスユニバ-スで3位に入賞した。パラワン島は世界一、ボラカイ島が世界2位の島として選ばれ、パラワンの海中洞窟が新世界の7不思議にも選ばれた。女性の地位についても世界5位で、日本の105位をはるかに凌駕する。一方、前述のマニラ空港の第一ターミナルは今年も世界ワースト・ワンに選ばれた。さらに最近は、史上一番というモンスター台風に襲われて、世界中の話題になってしまっている。良きにつけ悪しきにつけフィリピンも世界の注目を浴びてきたということだろう。

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