フィリピンのタクシーは公害か 2012年6月6日


 コロナ最高裁長官の弾劾裁判がたけなわのころ、息子とタクシーに乗って色々話をしていたが、ラジオのボリュームが大きすぎて話ができない。ドライバーにボリュームを下げるようリクエストをしたら、今大事な番組をやっている、国民は皆、ことの行方に夢中になっている、とえらい剣幕で文句を言われた。結局ドライバーはラジオのボリュームを下げず、弾劾裁判の中継に聞き入っていた。なにしろスピーカーは後部座席の耳元にあるので、わけの分からないタガログでがなり立てられたのではたまったものではない。件のドライバーは客がどうのというよりコロナ長官の私財の詳細についての暴露に夢中になっていたのだ。

CIMG7094s-4最近はほとんどのタクシーは白い車体で、区別がしやすくなった 

ちなみにタクシーに乗るとドライバーはボリュームを上げる。これは彼らにとっては客へのサービスのつもりなのだ。それをうるさいと言ってボリュームを下げさせるのは、一説によると日本人くらいのものらしい。今回も、大事な番組だから、我々も聞き耳を立てるべきだと説教していたのかもしれない。しかし、いくら言われても、我々はタガログ語が理解できないから、雑音にしか聞こえない。

別の機会に、口笛を吹くドライバーにお目にかかった。気持ちよさそうに運転中口笛を吹き続けているのだ。この口笛は、ドライバーに限ったものではない。セキュリティーガードも退屈そうに口笛を吹いているのを良く見かける。昔、駐在員として子会社の経営をしていたころ、社員が口笛を吹きながら廊下をあるいているのを注意するよう部下に命じた。これに対し、それは無理だと拒否された。彼はとても気分を良くしているのだから、それをとがめたら怒る、というのである。 それを思い出してドライバーに口笛を止めるようには言わなかったが、その口笛はタクシーを降りるまで続いた。

 退職者の方で、タクシーを苦手とする方が多い。乗るときあるいは降りるときの値段の交渉がいやだというのだ。悪いドライバーは平気でメーターの2~3倍を吹っかけてくる。色々交渉して、1.5~2倍くらいで折り合いがつくのだが、それが面倒だというのだ。高くてもいいから正規料金をすっきり済ませたいのが日本人だ。最近では空港のイエロータクシーでさえも料金をごまかすので始末が悪い。

CIMG8443s-4空港の送迎専用のタクシーは黄色で、ナンバープレートはレンタカーの分類となっている 

確かに、最近はガソリンが高止まりして、初乗り35ペソを40ペソに上げたのも焼け石に水で、まともにやっていたのでは、一銭の稼ぎにもならないだろう。首都圏の万年渋滞もこれに輪をかけている。車の値段やガソリン代は日本と大差がないのに、初乗り40ペソ(80円)というのは奇跡の数値だ。タクシーのドライバーでなくても2倍や3倍に吹っかけたくなるのも無理はないだろう。

 さらに、つりをまともに返すドライバーはめったにいない。60ペソ以上の料金で100ペソ払うと、サンキューといってほとんどの場合はそのまましかとしている。私としては20ペソよこせと催促するのだが、言えばちゃんとよこす。いずれにせよ、面倒なやりとりを毎回繰り返さなければならないのは、退職者にとってはいかにも面倒なことだ。

 それにつけても、しゃくに障るのは、必要なときにはめったにつかまらないのが、タクシーだ。乗客を乗せていないのに素通りしていく。そして逆に必要のないときに、やたらと声をかけてくるのだ。雨の日の夕方などはタクシーを捕まえることははなからあきらめておいたほうが良い。

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