フィリピンがついに開国した‐入国体験メモ 2022年2月27日


2022年1月27日、フィリピン政府は、2月10日より、外国人のビザ無しでの入国を許可することを発令し、いよいよ外国人が自由に入国できるようになった(ただしビザ無し入国が従来より認められていた、157か国に限り、中国、インド等は許可されない)  日本大使館領事班からお知らせ(2022.01.29)並びに IATF決議案第159号参照

昨年11月27日にも同様の措置を12月1日から実施すると発表したにも関わらず、オミクロン株の世界的な感染蔓延を踏まえて、3日後に取り消された経緯がある。そのため、またかと疑う向きもあったが、その後、詳細なルールが発表され、いよいよフィリピンに夜明けがやってきたのだ。日本大使館領事班からお知らせ(2022.02.07)並びに IATF決議第160-B 号参照

疎開中のタガイタイの夜明け、さすが郊外になると空が澄み切って美しい

欧米諸国は、一日の感染者数が数十万人と拡大している一方、規制緩和の方向にある。これは、オミクロンが感染力は強いものの重症化のリスクは少なく、ワクチン接種も進んでいるので、これ以上の規制は返って人々の生活のマイナスにつながるという考え方が主流になってきているものと考えられる。

ビザ無し入国の条件としては、パスポートの有効期限が6か月以上あること、30日以内に出国するチケットを保有すること、コロナワクチン接種を完了していること、入国48時間以内のPCR検査の陰性証明書を有すること、35000ドル以上のコロナ疾病保険をかけていること、OHP(One Health Pass)のアプリを携帯にダウンロードしていることなど。詳細は、後述する入国体験メモを参照してほしい。

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ベランダで楽しむ食事、裏は広々としたパイナップル畑が広がってい。

一昨年、2020年3月15日に、コロナ禍によるフィリピンの封鎖が発令されて以来、誰もが予想しなかった長い道のりを経て、外国人に対して入国の道が開けた。その間、フィリピンに関係している外国人は入国に関する政府決定をかたずをのんで見守ってきた。

はじめは、フィリピン人の入国許可、ついでフィリピン人の配偶者ないし移民ビザを持つ外国人、次に特別居住ビザ、さらに昨年9月はEED(Entry Exemption Document)を取得して9a(ツーリストビザ)を取得した外国人と、小出しに入国制限を緩和していったのだが、入国を許可される外国人は非常に限定され、フィリピンに関わる外国人をシャットアウトするものだった。この点は日本の現状とよく似ている。

タガイタイは高地のせいか、雲の造形が美しい、こんな空を眺めるのが楽しみの一つだ

しかし、ここに来て、条件さえ見合えば、原則誰でも入国が許可されるという、いわば当たり前の状況に戻ったわけだ。これを待ちわびていた多くの外国人が歓喜したことは想像に難くない。ちなみに2月10日の解禁から10日間で1万人の外国人が入国したそうだが、その半数がアメリカ人だった。

ベトナム戦争中はフィリピンはアメリカの軍事拠点として大きな役割を果たし、スービックやクラークには広大なアメリカ軍の基地が1990年代まで存在した。その後、スービックやクラークの周辺に住み続けている退役軍人も多くいる。PRAが発行するSRRVもアメリカ軍の退役軍人に対してはビザの預託金を1500ドル(通常は2万ドル)に下げて優遇している。しかもフィリピンの正式言語は英語で、すべての法律や役所の書類、契約書などの正式文書は英語であり、アメリカ人にとってはフィリピンはアメリカの第51州と呼んでも過言ではないほどだ。したがって多くのアメリカ人がフィリピン人の伴侶とともに第二の人生をフィリピンで送っている。

家のわきの空き地を耕して家庭菜園を楽しんでいる、後方は、タガイタイ名物のパイナップル畑。

入国規制緩和のニュースを聞いて、これを待ちわびていた退職者の方から、2月10日の門戸開放の初日にフィリピン行きのチケットを取ったと連絡があった。フィリピンの開国を待ちわびて、SRRV取得の準備を進めてきていた方だが、私にとっては寝耳に水で、大いに慌てた。

何しろ、2年近くの間、SRRV申請者は皆無で、基本ルールは変わっていないものの、PRAもニューノーマルと称して、すべて手順を変更している。しかも、つい、1月末までコロナ警戒レベル3で外出することさえ許されず、自宅軟禁生活を余儀されなくされる状況だった。そのため突如として門戸は解放されたものの、国内の状況・体制は、全くの準備不足だったのだ。

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一緒に疎開している相棒の子供と甥・姪たちと一緒にビレッジ内を散歩するのが日課だ

まさに太平の眠りを呼び覚まされたという感じで、まずは、SRRV申請に必要なアクションとして、健康診断のクリニックと付き添いの確保、ビザ預託金の送金と着金の期間、ビザ発行期間の見通しと入国ビザ延長の可否、等、難問が山積みだった。それを10日間で目途をつけなければならない、しかも、タガイタイに疎開中のわたしは、動き回ることもできないし、頼りのPRAのコネは退職して、クリニックの担当は携帯番号を無くしてしまって連絡が取れない。一番、問題だった、入国ビザ(30日間)の延長については、ようやく入管の確認を取ることが出来た。

2月10日においでの方に関しては、八方手を尽くして何とか対応して、あらかたの道が見え、その後おいでになった方に対しては、よりスムーズに対応することができた。ただし、まだSRRVを申請しただけで、発行はこれからの話なので、まだまだ予断を許さない状況だ。

中央の双子の誕生日、外で食事を楽しみたいところだがコロナの規制でままならない。ごちそうは例の甘いスパゲッティだけというありさまだ。

おかげで、有り余る時間をいかに過ごすかが関心事だったものが、今月は、頭が仕事のことでいっぱいという、従来の状況に戻った。ただし、皆と一緒に外出して食事などという気晴らしは、まだ許される状況でないので、しばし、警戒レベルが1に緩和されるまで、我慢のしどころだ。

最近、無査証で入国された方に、入国の準備について、体験談をまとめていただくようお願いして、快く引き受けていただいたので、下記に掲載した。これからフィリピンにビザ無しで入国される際の参考にしてほしい。

体験メモ(入国のための準備、入国時の注意点など)無査証入国の場合

海外渡航にパスポートは当然として、2022年2月22日のNAIAでのフィリピン入国では、

①以下の事前準備が必須で、②降機後~入国審査~預け荷物受領までの間にそれらの書類チェックがされました。

①5点セットとは以下になります。紙でもスマホでも提示出来るように用意しておきました。

1)帰り便のe-ticket ※航空会社か旅行代理店から通常発行されるもの。

2)ワクチン接種証明書 ※2回分。接種券発行自治体や接種証明書アプリで準備。

3)RT-PCR陰性証明 ※48時間以内のもの、Team Medical Clinic新宿で取得。

4)Covid-19の治療費をUS$35,000.-以上をカバーする付保証明、損保ジャパン。

5)One Health Pass (OHP)への登録。

注意点ですが、4)についてはクレジットカードの海外旅行保険では金額的に充分では無い可能性があり、複数のカードの合計でカバーしているとしてもそれぞれの英文の証明書の取得には申請から約10日間かかると言われました。従い、私の場合は、保有カード会社の紹介の損保ジャパンで、最小額5百万円のMedical Expenseをカバーする海外旅行保険を追加的に掛け、Covid-19 is covered by “Medical Expense” との記載をお願いしました。

(ついでに一つのクレジットカード会社からも英文の証明書は取得しておきました。)

 → なお、この辺りのことは、メジャーな保険会社は既に良く分かっている感じなので、

   事情を説明すれば適切な付保の相談にのってくれるはずです。Covid-19 is covered by

“Medical Expense”の記載も自動的にやってくれるのでしょうが、大事な点ですから

自らも確認を!

5)については、一番入国時にチェックされる必須事項なんですが、One Health Passで申請を進めて行くと、上記の3)の関連で戸惑います。何故かというと、OHPには72時間前に申請開始すべしとなっており、一方、3)に関わるエビデンスとなる陰性証明書の写真添付の要求があり、それに真面目に向き合うと申請プロセスが先に進まない!という矛盾があるからです。

 → 私の場合は、ワクチン接種証明書の写真を陰性証明要求の個所に貼り付け、とにかく先に進め、同時に上記の時間的な矛盾を指摘したら、すぐにメールが来て、追って陰性証明を返信メールに添付すればオッケーとのこと。そのとおりに対応したら、渡航前日にOHPからQR codeと共にメールが届き、ひと段落となりました。

が、このOHPは改善して欲しい個所が他にもあり、システムが実情に追い付いていない例のように思われます。

②降機後、

・まずOHPチェックのためのQR code提示、

・15名ほどづつのグループ毎の2)3)4)のチェック、

・入国審査でパスポートとArrival Cardチェック、

・入国後にさらに再度のOHPのチェックをされてBaggage Claimへ、

という段取り。

降機後、合計約2時間ほどもかかりました。

なお、やや驚きでしたが、機内ではArrival Card だけが配布されて記入を求められ、通常求められるはずのDeclaration(税関)などが不要とのこと。本当?とCAさんに聞きましたが、確認の上、要らないようですとの返答。

また、マニラのホテル、モール、レストラン、パークや教会などの入り口では必ずと言っていいほど接種証明や陰性証明の提示が求められましたが、私の場合は、I am a foreigner.と言いながらOHPQR code の印刷を提示すると全て快く通してくれました

ようやく待合場に到着。乗客より遥かに多い出迎えで混雑する一方、乗客側の出口付近は混雑無し。中で、いかに非効率に滞留をさせられたということだ。

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