久々に我が農場のあるビコール地方タバコ市を、2組の客を案内して訪問した。今回は、そのほかにマッサージ嬢のタンとデバインを同行したが、それについては別途報告する予定。セブパシフィックのスチュアーデスは美人が多いので一枚失礼した。農場には子豚が12匹生まれていた。さらに3匹がそろそろ出荷時で、一匹を処分して、我々の食卓に載った。
タバコの街は相変わらずだが、到着早々イギリス人の客を、教会、マーケットなどに案内した。マーケットでは油やお酢、調味料など、日雇いで生活している人々のために、1回分づつ袋に小分けして売っているのを興味深く見つめていた。パジャック(座席付の自転車)の長い列にも、こんな数ペソ単位の仕事でも供給過剰という就労状況にも感心していた。フィリピンの過剰な労働力の証のようなものだ。このような人たちも失業状態とみなすと、フィリピンの失業率は 50%近いのではないかという気がする。
郊外を回ると、そこにはのどかな田園風景が続いていた。3年前の台風レミンの傷跡もいえて、マヨン火山の山すそには、カラバオの親子やアヒルなどがのんびりとえさを食べていた。特にマヨン火山の周辺は清流が多く、美しい風景をかもし出している。
ビコール地方のシンボルがカグサワ・ルーインという教会の跡地だ。16世紀に建立された教会は、今は跡形もないが、天気が良ければマヨン火山と塔のコンビが美しい。ここには多くのおみやげ物屋があるが、ほとんどが名物のアバカ(マニラ麻)の製品や刃物を売っている。この日は、竹で作ったギターの演奏を聞かせてもらった。
地熱発電所があるTiwiに来ると、名物のハロハロが欠かせない。帰りにと思ったが、行きに食べたいというので、早速店に立ち寄った。皆、おいしそうに平らげた。
Tiwiの先はハンギングロードといわれる景色の良いところに出る。その途中、子供達の通学時間にぶつかり、トライシクルに鈴なりになって帰る子供達を見た。今回のトリップの終点はJoroan(ホロアン)という町で、Salvacion(サルバシオン)という18世紀に活躍した尼さんをまつっている有名な教会だ。この教会では奇跡がよく起こるそうだ。
この日は丁度ゲストの誕生日だった、そこで相棒の姪っ子や甥っ子を招待して、誕生会を催した。3歳になる男の子はてっきり自分の誕生日だと思い込み、ロウソクを吹き消してしまうハプニングもあった。相棒の兄さんの子供バネサは13歳、ハイスクール2年(日本の中学2年相当)に進学して段々と色気が出てきた。
イギリス人のお客は一足先に帰ったが、相棒の家族全員が見送った。
最終日には農場の裏にのぼってみたが、どこかしこにも学校と教会があり、子供達は底抜けに明るく、活き活きとしている。皆、金銭的に豊かな生活をしているはずはないのだが、心は豊かだ、と感じる。どこかの国とは大違いだ。ところで今回はマヨン火山がほとんど雲に隠れていたが、帰りの日は雲から頂上が顔を出していた。