パジャックとトライシクルは交通の主役 2011年1月8日


タバコではトライシクル(サイドカーつきモーターバイク)とパジャック(サイドカーつき自転車)が交通の主役だ。フィリピンの都市では、近接交通手段として、車を所有できない庶民はジープニーかトライシクルあるいはパジャックに頼るしかない。タバコ市においてはジープニーは比較的長距離を走り、市内の交通はもっぱらトライシクルとパジャックによる。しかも、ここタバコではやたらとパジャックが多いのだ。CIMG5193s-1

ここ数日雨模様のタバコ市の繁華街に行って見ると、パジャックで渋滞が発生している。強い雨なので、それでなくとも歩くのが嫌いなフィリピーのは皆、パジャックを利用している。パジャック・ドライバーもかき入れとばかり、雨の中をひた走る。LCCデパートの脇の通りの客待ちの列もいつもと比べてはるかに短いようだ。CIMG5168s-1 CIMG5103s-1 CIMG5091s-1 CIMG5086s-1

そもそもフィリピン人、特にフィリピン女性は歩くのが嫌いだ。だから数百メーターの距離でもパジャックを使う。距離により料金は違うが、一人頭、5ペソ、 10ペソ、15ペソ程度で、タバコ市街地なら大体のところへいける。数年前は数ペソ程度だったのにずいぶんと値上がりしたものだ。タバコ市はマヨン火山の裾野にあるため、海から陸にむかってゆるい勾配がある。上りが10ペソだとすると、下りは半額の5ペソだそうだ。翌日は雨が上がって晴れ間が出たが、パジャックドライバーにとってはそれはそれで暑くて辛い。

 一方トライシクルはタバコ市郊外、ちょっと離れたところに行くのに使う。やはり距離によって料金が異なり、数kmの距離で、一人頭8ペソ、10ペソ、13 ペソとなる。距離だけの比較ではトライシクルのほうがずっと安い。ジープニーあるいはGTX(乗り合いワンボックスカーで14人乗り)にも同じことが言えて、長距離、たとえば30kmも離れたレガスピ市までは35ペソともっと割安だ。まあ、人力を使うのだから、パジャックが高いのはやむをえないかもしれない。

私に言わせると、パジャックドライバーは世の中でもっとも過酷な仕事だ。自転車に人を2人も3人も乗せて走ることはどんなに大変か経験があると思うが、それを5ペソ、10ペソのために一日中炎天下で走らなければならないのだ。炎天下でなければ雨に打たれながらだ。彼らにとってトライシクル・ドライバーになるのが夢だそうだ。エンジンつきならば、少なくとも自分の心臓を使ってペダルをこぐ事から開放されるわけだ。

 ジェーンの長兄のダシンによると、タバコ市には3000台のパジャックと1500台のトライシクルが営業しているという。タバコ市の人口が10万人、そのうち大人が半分の5万人、男がそのまた半分の25千人とすると、まさにの成年男子人口の20%近い人がこの仕事についていることになる。

 それで、彼らはどれだけ稼いでいるのだろうか。トライシクル1台は約10万ペソの価格だ。それを一日100ペソで借りる(バウンダリー)。一方パジャックは自転車なのに17,000ペソもするが、新車で一日50ペソのバウンダリーだ。価格が6分の一でバウンダリーは半分というのは計算が合わないが、パジャックの償却はせいぜい35年、それに比べてトライシクルは1520年程度もつためだそうだ。 

トライシクルの売り上げは一日300ペソ程度、ガソリンが80ペソ、バウンダリーが100ペソで、一日の収入は120ペソ程度。一方、パジャックの売り上げは150ペソ程度、バウンダリー50ペソを引いて100ペソ程度の収入となる。どちらも100ペソ程度で大差のない収入だが、肉体の疲労度においては雲泥の差がある。CIMG5084s-1

ちなみに100ペソの収入では1ヶ月休みなしに働いても3000ペソにしかならない。フィリピンの貧困との境界は5000ペソ/月、といわれているから、彼らは間違いなく貧困層だ。パジャック・ドライバーのほとんどはスコーターに住む。それでも一家に二人の働き手がいれば、なんとかまっとうに家族を養っていけるのだ。日本なら、こんなにしてまでなぜ生きるのかという疑問がわいてくるような仕事だが、子供たちに囲まれて、彼らは案外幸せなのだ。

 

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