今年の2月14日はバレンタイン・デイとチャイニーズ・ニューイヤーとが重なり、しかも日曜日とあって、チャイナ・タウンの混雑は尋常ではなかった。この日はビザの発行を待っている日本人と二人で旧正月恒例の竜と獅子の舞を見にチャイナタウンを訪問した。下の写真はLRT-カリエド駅からのながめ。竜や獅子の舞は夕方なので、とりあえずカリエド駅から東のキアポ教会へ向った。この付近一帯はスモール・デビソリア(フィリピン全土の商店の問屋街)とも呼ばれるが、退職者はその人出に圧倒されていた。ちなみにキアポ教会はブラック・ナザレというキリスト像を祭るもので、毎年1月9日の祭りには100万人の熱心な信者が集まり、街に繰り出したブラック・ナザレに触れようと怪我人まで出る騒ぎとなる。
教会の周りには相変わらず怪しげな占い師(Fortune Teller)や薬草を売る店が並ぶ。この日はバレンタイン・ディとあってバラの花を売る店が目立った。
キアポ教会に向う参道は4本あるが、それぞれ売っているものが違う。洋品雑貨、メガネ/薬品、野菜/果物など、それぞれの通りごとになんでも格安で売っている。
カリエド駅に戻って反対方向に進むとチャイナ・タウンの中心、サンタクルス教会に出る。中央広場には大きな噴水があり、教会と反対側の中国門があるところがオンピン通りで、チャイナタウンを横断してビノンド教会にいたる通りだ。門には「恭喜発財」(コンシーファッチョイと読む)と書かれているが、これは中国語の「謹賀新年」だ。さすが中国、新年を祝うと同時に金をもうけようと志を新たにするのだろう。
オンピン通りは金を売る店がたくさんあるが、通りの屋台では今年の干支にちなんで安物のトラの置物が売られていた。
チャイナ・タウンでは馬車が現役で働いている。観光客と見るとすぐに乗らないかと声をかけてくる。しかし、外人と見ると必ずと言っていいほどぼるのでやめておいたほうが良い。先日、退職者の方が、50と言われて乗ってみたら、降りるとき50ドルを請求されたそうだ。私も50ペソといわれて乗ったら、後で一人50ペソと言われて3倍取られたことがある。
中国人は正月にティーコイを食べる。ゆでて食べる餅だが、意外とおいしい。またパイナップルとみかんで作った飾り物がユニークだが、これはやはり金を意味して、お金が手に入ることを祈願したものだ。
夕方、5時過ぎ涼しくなってきたところで、獅子舞や竜の踊りを見ることができた。太鼓に合わせて二人一組で獅子を舞う。中はさぞ暑いだろうと同情される。退職者の方も竜の踊りを見てやっと満足してくれた。その後はいつもの川沿いの屋台で格安の中華料理を楽しんだ。通りには人ごみに乗じて選挙宣伝カーが走る。