タンとデバイン物語 2009年9月27日


  整体師の下でマッサージをしているのが、タンとデバインだ。小さな体で力強いマッサージをするので評判が良い。99日は彼らの田舎でフィエスタ(村祭り)があるというので、特別に飛行機での帰郷を褒美として与えた。といっても格安の航空券を利用して、バスで帰るのと大差のない費用で済んだ。初めて飛行機に乗るというので、彼らは指折り数えてその日を待った。しかし始めての経験で飛行機の乗り方もわかるまいと、同じく我々も格安航空券を利用して同行した。彼らの田舎はわが農場の隣町なのだ。CIMG9995s-4CIMG9994s-4

CIMG0010s-4CIMG0019s-4

 彼らの街のフィエスタには参加できなかったが、翌日の昼ごろ、散歩がてらに客3人と歩いて彼らの家を訪問した。途中、のどかな田園を歩いていくと、すれ違う人たちは笑顔でForeigner(見知らぬ人、外人)を迎えてくれた。特に、同行したイギリス人は大きな体でいかにも白人、ものめずらしさもあったようだ。こんなのどかな環境に育ったら、悪い人間などありようもないないといった雰囲気だった。途中、昔、有名だったロカモンテというリゾートの跡地も立ち寄った。小川や咲き誇る花がきれいだった。

CIMG0126s-4 CIMG0130s-4 CIMG0132s-4 CIMG0135s-4

 まずタンの実家、お父さんや姉さん、そしてお兄さん達が出迎え、12時を回っていたので、早速昼ごはんをご馳走になった。突然の訪問なので食事の用意があるはずがない。全部食べてしまったら、彼らの食べ物がなくなってしまうので、控えめにいただいた。その時どういうわけかタンの顔が輝いていた。どうも外国4人の訪問が彼らにとって前代未聞のことであり、そのうれしさが顔に表れていたらしい。

CIMG0141s-4 CIMG0142s-4


 そして次にデバインの家へ行った。狭い家にたくさんの家族がひしめいている。しかし、きれいに掃除がしてあり、清潔だ。そこでも当然のごとく昼飯が出る。エビや上海ルンピアなど思いのほかのごちそうだ。フィリピンでは出されたものに手を出さないのは失礼なので、少しだけいただいたが、とてもおいしかった。

CIMG0145s-4  農場の家に戻ってきてから3度目の昼飯を食べるはめになったが、その時、相棒のジェーンにタンやデバインの歓待ぶりについて話をした。そしたら、ジェーンは、かれらは食べ物を隣近所から借りて来て振舞ったのだと、ことなげなく言う。それを聞いていたイギリス人は感極まったように、うなり声を上げた。現代の世の中に、借金をしてまで人を歓待するという気持ちが残っていたのか、イギリスなどではとうの昔に失ってしまった慣習だ、というのだ。

 タバコ周辺のトリップ、タンやデバイン訪問、家での誕生日会など通じて驚きと感激の連続だったイギリス人はこの地をHaven(避難港)とすることを決意した。彼曰く、「イギリスにはもはや人の心を失っている。女も男のようで女らしさのかけらもない。イギリス経済も破綻寸前で、どこかの予言の通り2012 年に一旦、世界は破滅し、不死鳥のように人類は新しい形でよみがえるであろう。その間、どこか避難するところがほしいが、優しい心を保っているフィリピンこそが避難港として最適だ。そして再生した世界を制するのはフィリピンではないか。とにかくここには多くの学校や教会があり、教育と信心を持った次代を背負う子供達がたくさんいる。

 こんな話は先日ご家族で退職ビザを取得した日本人も言っていた。日本もイギリスも先進諸国と称する国々は破滅への道を歩んでいるのではなかろうか、と思う。ところでこの日本人家族も次回は是非タバコを訪問したいといっていた。果たしてかれらはそこでHaven(避難港)を見つけることが出来るだろうか。

Leave a comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *