ジャンクショップの勧め(廃品回収業)2009年8月2日


 2ヶ月ほど前にマニラの北120kmにあるターラックに移住した退職者の方がジャンク・ショップを始めるというのでジャンク・ヤードの建設現場を訪問した。ちなみにターラックは昨日なくなった元アキノ大統領の実家のあるところだ。

  まだまだ自分は若いのでフィリピンでなにか事業をやろうと思っていたのだが、ジャンクショップをはじめたフィリピン人の知り合いがやたらにはぶりが良いのでこれ しかないと即決した。この方は日本で道路建設に携わった土木屋さんで、現場工事や人夫の使い方、資材の調達、運搬等については腕に覚えがある。事業モデル が単純なので、これならやれると自信を持ったそうだ。

 まず、鉄くずなどを保管するヤードの確保に1,000m2の用地を平米500ペソ、50万ペソで購入した。次に鉄くずを集める2トントラックと引き取り 先の工場へ搬送する14トントラックを100万ペソで購入。さらに敷地の造成、舗装、事務所等に50万ペソ、運転資金に50万ペソ、締めて250万ペソ (500万円)の資金を投入する予定だ。

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  さすがに土木屋さんでやることがしっかりしている。ジャンク・ヤードは砂を50cm程度敷き詰め、その上に10cm程度のコンクリート舗装を行なう。そうし ないと粘土質の地盤は大型トラックの通行で泥沼になってしまう。飲料や洗浄用の水も必要だ。井戸は約60フィート、泥水を循環させ、手掘りで堀進めてい る。これで岩も貫いてしまうらしい。

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  ジャンク・ショップ経営の採算性の計算は単純だ。10ペソで鉄くずを購入。それを14ペソでマニラの北方のバレンツエラの工場におろす。スモーキー・マウンテンで有名になったようにフィリピンにはゴミを拾い集めて生計を立てている人がごまんといる。まとまった鉄くずの出るウエルディング・ショップ(鉄工所) などからは2トントラックで回収する。この14トントラックには実質25トン詰めるそうで、一回の輸送で10万ペソの粗利が出る(1kg4ペソの粗利なら 1トンで4000ペソとなる)。ガソリン代や人件費が50%ととすると、一回で5万ペソの利益だ。月に4回、100トンを回収して売れば、月々20万ペソ の利益が出る勘定になる。初期投資も1年で回収できる。問題は、いかに多くの鉄くずを集めるか、同業他社との競合をどう解決するか、などだろう。汚い仕事 だが、地球環境にはおおいに貢献する意義のある仕事だ。

 なお、フィリピン人の奥さんは近所に洋品雑貨店を開いて、一日3,0005,000ペソの売り上げを上げて、日本での専業主婦から一躍ビジネス・ウーマ ンの道を歩んでいる。ちなみに仕入先はマニラにあるフィリピン中の小売商が集まる問屋街のデビソリア、マージンは40%だそうなので、こちらもソコソコの 稼ぎをあげているようだ。3人の女の子を抱えて、まだまだ引退できない退職者の第二の人生だ。

CIMG0063追記:ジャンクショップがなかなか儲かりそ うなビジネスに思えるので、私のフィリピーノの相棒に話してみた。2トントラックを1台買って、細々とでもジャンクショップのビジネスを初めてみないか と。ところが反応は冷ややかだった。ビコール地方のタバコ市では、こういうおいしいビジネスはすべて中国人が抑えてしまっていて、新規参入の余地はないと いうのだ。所詮フィリピン人はサリサリやトロトロ、インターネットカフェや洗車場などのスモールビジネスでもやるしかない。さらに、その元締めや仕入先は 中国人が仕切っていて大きな儲けはすべて中国人が持って行ってしまう、という経済構造が出来上がっている。華僑が100万人、そして中国系フィリピン人が 1000万人近くいるというフィリピンでは中国人ネットワークが上から下まで網の目のように張られ、経済を牛耳っているのだ。

 追記(2013年12月):その後、商売は順調に推移していたようだが、関係する人たちの金銭感覚の相違、 人間関係の難しさなどに嫌気がさして、この方は家族ともども日本へ帰ってしまった。日本人が、このようなフィリピン人(特にゴミ拾いをするような最下層の人々)相手のビジネスをすることは、至難の業で、誰か信頼できるフィリピン人に任すことが肝要だ。また、ビジネスに成功したらしたで、姻戚が押しかけて金の無心をしてくるので、奥さんがよほどしっかりしていないと、安心していられない。退職金程度で細々と暮らすのが丁度良いのかもしれない。 

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