暮れも押し迫った12月30日、ジェーンの結婚式がSacred Heart Church執り行われた。8月に市役所の裁判所で簡単な式を挙げたが、今回がいよいよ本番だ。当初、新郎と新婦共通の田舎、アルバイのレガスピ市で、行う予定だったが、マニラからの招待客の交通費やホテル代など膨大な費用がかかる見込みだったので、急遽、マニラで執り行うことになったそうだ。
田舎からは、結婚式に参加するために約20人のジェーンの姻戚がやってきて、もともとの住人を合わせて約30人が我が家に泊まった。クリスマス前からやってきていたので、この1週間はまさに子供達の喧騒で明け暮れた。さらにゲストハウスには10人程度の新郎の姻戚が泊まった。結婚式当日は、朝から女性たちは化粧や髪結いで大忙しだ。
1時半過ぎ、いよいよ、ホテルに泊まっていた新郎新婦が教会に到着した。昨夜からロックウエルのホテルに泊まった新郎新婦はリムジン(リンカーンコンチネンタル)でやってきたが、披露宴会場のロックウエルと教会の往復だけで15000ペソの大枚をはたいたそうだ。
新郎の右に位置する恰幅のよい肩はジェネラル・ソーサ、新郎(カーネル・ヤン)の上司にあたる。
教会の入り口はジェーンの姻戚の子供たち、この日のためにしつらえて赤いドレスで統一されている。右は新婦を迎えるために、ポリス・アカデミーの国家警察の幹部候補生たちがサーベルを持って新婦を迎える。
リムジンの中はまるで部屋のようで、新婦のジェーンを姪たちが囲む。KIANはジェーンと一緒になりたくて涙を浮かべている。KIANの左は化粧担当のバクラ(オカマ)。
いよいよ新婦の入場だ。軍服に身を固めた幹部候補生たちに付き添われてバージンロードを進むジェーン。一方、警官姿のKIANはママを迎えて、敬礼。
この日、式を執り行ったのは、Bishop Ruben Profugo、フィリピンのキリスト教界でNo.2の重鎮だ。彼は、我が家のはす向かいに住んでいる隣人でKIANとも親しい。そのため、Bishopは式のあと、この式はKIANの取り持つ縁であることを聴衆に向かって話をしていたそうだ。式は、厳かに進むが、当方はわけがわからない。従ってもっぱら写真撮影に専念。子供達も神妙に牧師の話を聞いている。
式もクライマックスを迎えると、ニノン、ニナン(立会人もしくは証人)を携えて、結婚の誓いを述べる。もちろん、KIANも同席して承認となる。この日は縁の深い、5組の日本人にニノン・ニナンをお願いした。
前列には右にニナン、左にニノンが並ぶ。
式が終わると、ニノンやニナンの参加者に対して、牧師のブレッシングが行われる。そして、その後は記念撮影だ。
まずは軍服姿でサーベルをかざす幹部候補生と、こんな光景はめったに見れるものではない。そして、新婦の家族。
新郎の家族、ニノン、ニナン、友人、と延々と記念撮影が続く。
ハイスクールあるいはカレッジに進んでいるジェーンの姪も、女らしさをかもし出している。そして、新郎新婦の退場は、その都度、愛の誓いをしないと剣でさえぎられて通してもらえない、という嗜好だ。
教会の外に出ると、花吹雪が舞う。そして最後は二人だけのショットだ。約2時間半の式だったが、やはり本物は違う、日本の場合はせいぜい30分はかからないだろう。この後は、ロックウエルの披露宴が待っている。