グリーン・ヒルのショッピング・センターが過激に完全復活を果たした。もしかしたらと思って、2週間ぶりにグリーン・ヒルを訪問してみたら、見事に元通 りどころか、もっと店が増えていたのだ。完全復活を果たしたその辺のいきさつは知らないが、まずはめでたいことだ。相棒が、「何日かすれば元に戻るわよ」 と言ってたが、あれだけ完全に消えてしまったものが、まさか元に戻るとは思わなかった。まさに奇跡の復活だ。
特に時計売り場は以前の数倍に増えていた。バッグを売っていた店が時計も取り扱い始めたのだ。これだけのロレックスや他のブランドの時計の時価総額はいく らになるのだろう。この小さなショーケースに大きなロレックス専門店の一軒分の商品はあるだろう。ショーケースの前には「レプリカ」という表示があり、コ ピーであることを示すことで、当局との折り合いがついたようだ。
衣類売り場も以前より充実しているようだ。バンコック・ドレス3着で1000ペソなどユニークな売り方をする店もあり、なかなか楽しめる買い物の穴場だ。ただ、デビソリアやバクラランよりも多少高めだが、冷房の利いたモールの中にあるので家賃も高いのだろう。
2階の携帯電話の売り場も盛況だ。無数ともいえる数の店がひしめき合う。はやりのアップルやサムソンのスマートフォンの中古品を格安で売っている。なんで これだけのI フォンの中古品が出回るのか不思議だ。にせものもあるようだから注意が必要だ。ここでは日本から持って来た携帯もあっという間にローカル仕様の携帯に作り 変えてくれる。すなわち、新しいシムに入れ替えてスマートやグローブのプリペイド・カードで使えるようになってしまうのだ。
真珠のネックレス等を売る百軒以上の装飾店も健在だが客足は今一だ。そして事件は客でごった返すバッグ売り場の横で起こった。
写真を撮るに夢中になっている間に、なんとこの私がスリに会い、財布をポシェットから抜かれてしまったのだ。幸い伸縮自在の携帯ストラップにつないでおい たカメラや携帯、鍵などは無事だったが、現金、キャッシュカード(円とペソ)、名刺入れ等が取られてしまった。銀行残高といっても数万円で、現金も2千ペ ソ足らず、被害としてはたいしたものではないが、生まれて初めてスリにやられたということが、なんともはや屈辱的敗北感を味わった。こうなれば一銭たりと も口座から下ろされてなるものかと、フィリピンの口座は私の相棒に、日本の円口座は妻に連絡を取って口座を凍結してもらった。
彼らの手口はこうだ。店が並ぶの横の通りには双方向から人が通りすぎていく。さほど人で通りが詰まっているわけでもないのに太目の女性が前をふさぐように たちはだかって、おしくら饅頭のような状態になってしまった。何でこんな動きをするのかと不思議に思ったが、その間数秒、そのデブに気をとられている間 に、他の女がポシェットのチャックを開けて財布を抜き取ったのだ。
もともと大事 なものを忘れないようにと、いつも身にくっついているポシェットを使っている。しかも仕事道具の携帯やカメラはストラップでポシェットにつなぐという念の 入れようだ。だが、ポシェットの中にある財布が抜き取られるという想定はしなかった。教訓としては、ポシェットのチャックが簡単に開かないようにするか、 財布にまでストラップをつけることだろう。いずれにせよ、人でごった返すグリーン・ヒルでは貴重品にはくれぐれも注意が必要だ。