カルバートの建設工事 2012年7月8日


   本格的な雨季を控えて、農場を横断する水路の道路横断部(カルバート)改造工事を行った。特に家の脇を流れる水路については家の周りが冠水する恐れがあるので、可及的速やかな工事が必要だった。ここには直径60cmのコンクリートパイプが埋められていたが、ちょっと大雨が降ると簡単にオーバーフロー(越流)して道路が水浸しなった。そこで、上下の水路にあわせてV字型の水路に替えて流量を3~4倍にする計画だった。

 しかし、いざ水路を覆うコンクリート製の床(スラブ)を壊し始めたら、それが大変な工事であることがわかった。なにしろ建設機械を使わず全くの手作業だ。スラブのコンクリートを壊すだけで一週間かかってしまった。さらにコンクリートパイプの周囲のコンクリートを壊すのにどれだけの時間がかかるか見当もつかない。そこで方針を変更してV字型の水路はあきらめて矩形の水路にすることにした。しかし、パイプの深さのままでは元のままなので、パイプの下を掘って深さをほぼ倍にした。

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 これで水路の断面積は2倍、さらに深さを増したために流速が2倍になると期待され、合計で4倍の水を流すことができる。これで雨水のオーバーフローも解消されることだろう。

水路を完成させるために、水の流れをせき止めて仮の水路を作り、カルバートの中をドライにする必要がある。その辺の段取りは、普段農夫として働いているダニーが詳しい。彼はかつで出稼ぎの建設労働者として働いていた経験があり、ほとんどすべての建設工事をこなす万能選手だ。土嚢で流れをせきとめ仮の水路をつくる手際は見事だった。

 流れはあっという間に方向を変えられてカルバートの先に流れ込む。カルバートの中は多少の水が流れるだけだ。

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 水路ができるととたんに登場するのが子供達だ。浅い水路は子供達の格好の遊びと化した。水遊びの大好きなKIANも早速仮水路に飛び込んで大喜びだ。

セメントを買い付けて、いよいよ水路の壁面の工事だ。10年前、家の工事を始めたころ50kg入りのセメント一袋が60ペソだったが、この日買い付けたセメントは一袋、220ペソと4倍近い値段に跳ね上がっていた。

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砂とセメントに水を混ぜてモルタルを作る。そして大き目の石やコンクリ-トの塊をモルタルでつないで壁を作る、いわゆるリップラップという方法で水路の壁を補強していく。

作業はダニーの指示の元にマミーの姉の亭主、この人も元建設労働者の経験者だ、そして私の息子が作業をする。

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 ダニーは水の残った水路のそこには空練りのモルタルを放り込み、その上に石を置いて基礎とするなど、一応土木エンジニアーを生業としていた私も舌を巻く知識だ。

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 3人の呼吸がかみ合って、瞬く間に壁が出来上がった。壊すのに1週間、作り始めたら2~3日で完成しそうな勢いだ。しかし、この翌日、電気の引込み線が燃えてしまって、配線工事をやらなければならにということで、ダニーが欠けてしまい、残りの二人で水路の工事を完成させた。

さらに翌日水路のそこをモルタルと石で仕上げて、あとはスラブの工事だけとなった。私は仕事の都合で帰ったが、あとは決まり決まった工事なので問題はないだろう。

ところで、農場にはもう一本大き目の水路が横断している。そこには直径60cmのパイプ2本と90cmのパイプ一本が敷設されている。これが椰子の木の幹などが流れてきてパイプが詰まって、大量の水がオーパーフローする。このカルバートを撤去して新しいものを作ろうとすると、少なくとも50 万円程度の金が必要となるだろう。しかも、人力によるコンクリート製のカルバートのはつり作業には数ヶ月の月日がかかるかもしれない。そこでダニーが提案したのがカルバーとはそのままにして、下の90cmのパイプを壊し、その下を掘り込んで、倍程度の断面積の水路を作るというものだった。

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 さらに少し上流の浅い部分には椰子の木の幹などの大きなごみをせき止める柵を作り、カルバートの詰まるのを防ぐことにした。これでたいした資金がなくても農場の一部が冠水するのを防ぐことが出きそうだ。自分が金を出すとなると、建設費用を最小にしようという知恵がこんこんと湧いてくる。現役のシビル(土木)エンジニアーの時代にはなかったことだ。

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