雑記帳 庶民の敵 カラーコーディング


カラーコーディングとは、マニラの交通渋滞を緩和するために、MMDA(Metropolitan Manila Development Authority)が車のプレートナンバーの末尾番号により、一定の曜日には市内を走ってはならない、という規則を定めたものだ。ちなみに末尾番号、1と2は月曜日、3と4は火曜日、5と6は水曜日、7と8は木曜日、9と0は金曜日、朝の7時から夜の7時まで、マカティ市およびパサイ市など一定の地域で運転することが許されない。土曜と日曜日は制限がないが、例え自家用車を持っていても週の一日は使用できないということになる。大変不便な制度で、私の場合、末尾番号が1なので月曜に車ででかけようとすると、今日はだめなんだと毎週、この制度をうらむことになる。特にこんなときに雨が降ってタクシーが拾えないとなると怒り心頭に達してしまう。

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プレートナンバーの末尾番号0は金曜日には運転できない

これはタクシーなどにも適用され、売り上げの20%近くも失うとなるとタクシーオペレーターにとっては死活問題だ。ところがこれが案外評判いいようなのだ。まず、お金持ちの方々は必ず2台以上の車を持っていますから、車を代えるだけです。その上渋滞が減るとなると、大いに結構ということになる。車のメーカーにとっても大歓迎だ。20%の車が減れば、マーケットの大いなる拡大で、お金持ちはカラーコーディング用に大衆車をもう一台購入することになる。そのため、ビリッジのお屋敷にはベンツやBMWに混ざって、カローラやセントラ(日産サニーの現地名)などの大衆車が週に一回おでますために置いてある。なんという資源の無駄遣いだろうか。

どうもこの国の制度は、お金持ちのためだけに定められているような気がするが、貧乏人の僻みだろうか。ある時、会計会社の偉いさんを接待したおり、シャングリラホテルのシャンパラスという高級中華料理店で食事をしながら、カラーコーディングの制度について文句を並べた。この制度は貧乏人を苦しめ、お金持ちや車のメーカーが喜ぶだけで、渋滞緩和の役になんか少しも立っていないと。彼はお金持ちのかたわれだから、この制度を支持しているといっていだ。それで、彼は、隣の席で食事している人はMMDAの長官で、彼がこの制度を始めたのだから、直接文句を言ったらどうかというのだ。この地のお役人の偉いさんに文句を言っても始まらないので、黙っていたが、どうにもわかっとらんと憤懣がおさままらなかった。それから、10年近い月日が経っているが、この制度は成功というお墨付きが出されたのだろう。未だに私は毎週月曜日には腹を立てているのだ。まさにブルーマンディなのだ。

ちなみにこの規則に違反した場合は、1500ペソの罰金を課せられる。これはフィリピンでは大きなお金だ。プレートナンバーは、外から見ても一目瞭然なので警官が厳しくあるいは喜んで取り締まる。それで皆、致し方なく守っているようだ。こんな悪法を許しているなんて、フィリピーノ庶民は何を考えているのだろうか。しかし、車を持てるフィリピン人はむしろ一握りで、ほとんどの人がバスやジープニーを利用しているわけだから、カラーコーディングですこしでも渋滞が緩和されるということは彼らにとっても大いに意義のあることかもしれない。1台しか車をもてない中途半端な小金もちは、この国では少数派なのだろう。

ちなみにフィリピンにはシニアシチズンシップというありがたい制度があって、60歳以上になると、ほとんどあらゆるものがディスカウントされる特典だ。しかし、原則、外国人には適用されない。しかし、マカティ市では、外国人のシニアには特典としてこのカラーコーディングを免除してもらえる。これをブルーカードと言うが、私もこれを取得して、一週間に7日、車が使えるようになっている。

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